出版社 : 臨川書店
ファッション界の巨人ヴィヴィアン・ウエストウッドが「私を変えた名作」に挙げたことでも知られる、18世紀口語小説の最高峰『紅楼夢』。『新訳 紅楼夢』(読売文学賞研究・翻訳賞)の訳者である著者が、作中の様々なエピソードを取り上げながら、人間の関係性を根底的に描いた作品の魅力を語りつくす。『紅楼夢』はなぜ書かれたのか、そしてその存在意義とは。
アーノルドはブランチとの新婚旅行の最中にアンから衝撃的な手紙を受け取ることになる。それは彼ら三人が知らずに陥ってしまった悲劇的な事態を告げるものだった。サー・パトリックに彼らを救うことが出来るのか。そして、ジェフリーはレースで勝利を収めるのか。不気味な料理人ヘスターの再登場は何を意味するのか。物語は意外な展開を経て衝撃的な結末に至る。コリンズ最盛期の気力溢れる傑作娯楽小説の完結編。
母親同士が無二の親友だったアンとブランチは、片時も離れず共に育ち、実の姉妹以上に愛情と信頼を寄せ合っていた。しかしブランチがアーノルドと婚約した日、アンは書置きを残して失踪してしまう。アーノルドの親友であり、名高い運動選手ジェフリーとの秘密結婚が目的だった。ところが事態は思わぬ方向に展開して行く。当時の婚姻法の不備を訴え、スポーツ礼賛の時流を風刺し、サスペンス小説の面白さと風俗小説の楽しさが見事に融合したコリンズ絶頂期の逸品。
1828年9月、ロンドンとヴュルツブルクで二人の男が妻を残して死んだ。二つの遺言が次々と驚くべき事件を引き起こす。貴族から身を落とした高慢な未亡人が「ボルジアの毒」を手に生と死をあやつり、権力の亡者となって破滅へとむかう。女の執念と悲劇が、作者独特のユーモアをまじえて展開していく。精神病院から救い出された小男、高潔な信念を持って意志を貫く行動派の女性実業家、錬金術に没頭する謎の科学者、生涯一度の恋に溺れる純朴な老人…。個性的なキャラクターたちがドラマを一層引き立てるコリンズ晩年の秀作サスペンス。
19世紀のイギリス南西部、サマセットシャー。クーム・レイヴン邸に暮らすヴァンストン一家は幸せそのものだった-アメリカから一通の手紙が届くまでは。思いがけない不運によって財産と姓を奪われ、恋人とも別れなければならなくなった18歳の妹娘マグダレンは、その美貌と才気を利用して大胆不敵な復讐を企てる…。型破りなキャラクターとサスペンスフルな展開、ユーモアにあふれた語り口で読むものを惹きつける、「近代長編推理小説の祖」コリンズ最盛期の傑作。