出版社 : 西村書店
画商ヴィクトル・アルデルヘイムは計画を実行した。令嬢イェンニからすべてを奪い、息子ケヴィンをサバンナに置き去りにしたのだ。そこにはマサイ族の呪医がいた。あの極悪人に復讐を!スウィートスウィート・リベンジ株式会社の社長フーゴに依頼が舞い込む。ギャラリーの地下室に罠を仕掛けよう…。巧妙なアイデアが膨らんできた。世界的ベストセラー『窓から逃げた100歳老人』、ヨナス・ヨナソン最新作!
アランの101歳の誕生日パーティ祝いに、親友ユーリウスが熱気球を用意した。乗り込んだはいいが、あることをやらかして、ふたりは一路インド洋上空へ。大海原を漂流するふたりを助けたのはなんと北朝鮮の船だった。またたく間にブリーフケースいっぱいの密輸ウランをめぐる地球規模のトップシークレットに巻き込まれ、怒濤の冒険が始まった!トランプにメルケル、プーチン、金正恩、世界のリーダーが続々登場。紙ナプキンに書かれた機密文書、ナチとの遭遇、大量の違法アスパラガス…。ドタバタ歴史改変小説『窓から逃げた100歳老人』続編、笑撃の再上陸!
ある晩、血にまみれた少女が織の家の敷地内で発見された。舌を切られた少女の手の平に彫られていたのは、織り子エリアナの名だった。彼女の素性と入れ墨のことを探るうちに、エリアナは町の背後に見えない組織の力がうごめいていることに気づく。洪水が島を何度も襲い、未知の病によって動植物や島民に異変が起こり始め、織り子たちが織り上げた道はゆっくりと沈んでいく。やがてエリアナは、糸が結びあい絡みあうような島の過去と現在に、自身の運命も編みこまれていることを知る。織り子たちの糸の壁ーもしくは、島で固く禁じられている夢のなかにいるかのように。
砂漠をさまよい、瀕死の状態でマスクラン村にたどりついたセリム。やがて目覚めた彼は、恩人イブラヒムに少しずつ身の上を語り始める。ヴァイオリンに心魅かれ、夢中で手ほどきを受けた少年の頃。ミリアムとの初恋。そんな日々をよそにかつての楽園シラケシュはいつしか全体主義に覆われていく。悲痛な思いを胸に放浪し、ついに魂をぶつけるにふさわしいサン=サーンスの曲を見出したとき、セリムに命を賭したヴァイオリン演奏の晩が訪れる。『囀る魚』のセシェがおくる魂の音楽小説。
有名なパフォーマンス・アーティストを両親にもつ姉弟アニーとバスターは、幼いころから親の「アート」に巻き込まれて育った。しかし、人生で大切なのは偉大なアートだけ、と言って毎日奇天烈なことばかり計画している親のもとで順調に成長するのは難儀なこと。両親を理解できないふたりは、次第に距離を置きはじめる。それぞれ女優と売れない作家になり家を出ていた姉弟は、ある日、さる事情から実家に帰るはめに。久しぶりの家族4人の生活が落ち着いてきた矢先、突如起こった両親の失踪。この謎の失踪は連続殺人犯による誘拐事件なのか、それとも大がかりな「アート」なのか…。全米ベストセラーのシニカルで奇妙な味のコメディ小説!
日本の庭園を取材するため、ドイツからやってきたぼくは、京都の禅寺でナミコに出会う。二度目に会ったとき、彼女は言った。「まだ、庭園の語る言葉がわからないんですか?」ナミコに誘われるままに、ぼくは「月のため息」の庭を訪れ、トラクターで田舎を訪れ、庭に隠された物語を見つけていく。同じときを過ごすなかで、ぼくは世界がささやき声に満ちていることをはじめて知るのだった。純度120%の恋愛小説。
ローマの法医学研究所で働く研修医アリーチェは、ある夜、上司のクラウディオとともに現場検証に行き、女性の死体を見て衝撃を受ける。その女性ジュリアと偶然にも前日知り合っていたからだ。クラウディオの出した死亡推定時刻に疑問を覚えたアリーチェは、ジュリアへの個人的な感情から事件の解明にのめりこんでいく。はたしてジュリアの死は、単なる事故死なのか、あるいは他殺なのかー。ジャーナリストの自由人アーサーとの恋の成り行きを織り交ぜ、直観を信じて突き進んでいくアリーチェの姿を、丹念に、時にユーモラスに描き出す。
科学者ケイト・フィーロらを乗せた調査船が北極海で発見した未曽有の規模の氷山、その中深くには、ひとりの男が氷漬けになっていたー。富と名声を追い求める傲慢な研究所所長、スクープを狙う雑誌記者、「凍った男」の蘇生を神への冒涜と考える狂信的な抗議団体、甦った男の生を長引かせるため研究を重ねる科学者たちの、欲望と思惑の渦まく世界が、長い眠りから覚めた男を待ち受けていた。科学の倫理性、人生の意味、そして愛の本質を問う、サイエンス・ロマンの傑作!
それはある日、突然はじまった。癌だった。-腎細胞癌。大家族を夢見た父ヒーロー(ヘルヴィッヒ)・ヴィーラント。家族は増え、会社も経営し、人生は順調かに思えた。ところが、病をきっかけに、つぎつぎとあらわになる家族のほころび。5人の子供と孫たちが抱える悩みや問題の数々。できちゃった結婚をする息子、外国人と付き合う娘、借金をする息子、庶子を生んだ娘と孫娘。…欠点だらけの家族。不治の病のヒーローは、病と、そして崩壊しそうな家族とどう向き合うのか。父が家族に残した最後の贈り物とは?家族とは何なのか、それぞれの視点からユーモアたっぷりに語られる、心に響く「ある家族の物語」。
内気な青年ヤニスはアテネ旧市街の古びた書店に迷い込み、神秘的な女店主リオに出会う。めくるめく読書の愉しみ、本の構造の不思議、古典の断片ーふたりの会話が尽きることはない。しかし、それも束の間、リオはふいに消息を絶つ。彼女は本当はいったいだれなのだろう。手がかりを探すヤニスが辿り着いた世界とは?現実と虚構と謎を織り込み、読む者を不思議な読後感へと誘うエブリデイ・ファンタジー。
1923年、伝道のために妹リジーらとシルクロード最果ての地カシュガルへと赴いたエヴァ。そこで彼女たちを待ち受けていたのは狂信、猜疑、欺瞞、秘密ー策略と欲望の渦巻く地で、最愛の妹ととも心離れたエヴァはしだいに孤立していく。一方、時は現代、ロンドンで暮らすフリーダは、見知らぬ人物の死亡通知を受け取ったのを機に、自らの過去と向き合うことに…。過去と現代、カシュガルとロンドン、2つの時空がつながるとき、見えてきたものとは。自由を求め生き方を模索し続けた女性たちの、彷徨える魂が綴る旅物語!
雪の日の午後、アリスは暖炉の上の鏡を通りぬけて、現実とは逆さまの世界へ入り込んでしまいます。チェスの駒が歩き回り、花々がしゃべる世界で、奇妙なチェスゲームに参加したアリスは、ハンプティ・ダンプティやいばりくさった赤の女王、混乱している白の女王など、奇妙奇天烈なものたちに出会います。『不思議の国のアリス』が最初に刊行されてから150年。その続編となる本作にも、国際アンデルセン賞受賞画家イングペンが魅惑的な挿し絵を描きました。前作同様、突拍子もないユーモアや、きらめくような言葉遊びが散りばめられ、少し大人になったアリスに出会えます。カラー豪華愛蔵版。
私のルミッキ。きみの手は血でそまっているー。高校で「白雪姫」の現代版アレンジ劇「黒いリンゴ」の主役を演じることになったルミッキに、不気味な手紙が届き始める。差出人はルミッキの日常を異常に詳しく知っており、自分の要求に応えなければ、劇の初日を血の海に変えると言う。次々に届く手紙、エスカレートする要求。開演の夜が近づく中、ストーカーとの距離が縮まっていく。前作で判明した姉の存在、ルミッキの過去の秘密とは?クールでストイックな白雪姫の3部作、ここに完結!
旅先のチェコで、ルミッキの目の前に腹違いの姉だという女性が現れた。彼女の名はゼレンカ。母親の死後、新しい“家族”に引き取られて暮らしているという。ルミッキがゼレンカの家に招待された翌日、彼女の“家族”の一人が事故で亡くなった。疑念を抱いたルミッキは、事故死した男と会っていたジャーナリストの青年を探し出して接触する。その夜、何者かに自らが監視され、身の危険が迫っていることに気づくのだった。ますますスリリングな「ルミッキ」シリーズ第二弾!
イギリスで1865年に初版が刊行されてから150年。『アリス』の物語に登場する忘れがたいキャラクターや文章や詩の数々は、私たちの文化に浸透し、第一級の児童文学として、世界中の人々に今もなお愛されつづけています。国際アンデルセン賞受賞画家であるロバート・イングペンの表情豊かな挿し絵と、読みやすい新訳によるカラー豪華愛蔵版。
爆弾はだれのものー?わけあって原子力研究所で掃除婦として働く南アフリカ出身の天才数学少女ノンベコは、余った爆弾をたまたま手に入れてしまったから、さぁ大変!しかも、爆弾をめぐって出会うのは、どこかふつうじゃない人ばかり。瓜二つなのに似てない双子、自称すご腕のイスラエル諜報員、不法滞在の中国人3姉妹、さらにはスウェーデン国王や首相まで巻きこんで、てんやわんやの大騒動。『窓から逃げた100歳老人』に続く、メガトン級コメディ第2弾!
“わたし”は帰りつかない夢ばかりみている。目の前を横切る一頭の象、森に“箱”を設える男、鴉の通夜を執り行う女、夢を操る蜘蛛、本性を言い当てる易者見習いの青年、そして“わたし”に「物語」を託す巫女…。謎が深まりゆくなか、立ち現れる三人の女によって、いつしか“わたし”は、思い出せなかった世界、忘れ果てていた世界へと誘われていく。時が重なり、はまっていくピースの数々。仕掛けに満ちた、めくるめく幻想譚。
お祝いなんてまっぴらごめん!100歳の誕生日パーティの当日、アラン・カールソンは老人ホームの窓から逃走した。ひょんなことからギャング団の大金を奪ってしまい、アランの追っ手は増えていく。けれども、当の本人はなるようになるさとどこ吹く風。それもそのはず、アランは爆弾つくりの専門家として、フランコ将軍やトルーマン、スターリン、毛沢東ら各国要人と渡り合い、数々の修羅場をくぐり抜けてきた過去の持ち主だったのだ。20世紀の歴史的事件の陰にアランあり!過去と現在が交錯するなか、次々展開するハチャメチャ老人の笑撃・爆弾コメディ、日本初上陸!