出版社 : 講談社
旅の途中で道に迷ったサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディは、高い城壁に囲まれた街に辿りつく。高貴な美しさを持つ女王・デボウ・スホの統治の下、百年の間、完全に閉ざされていたその街で殺人が起きる。時は二一一三年、謎と秘密に満ちた壮大な密室を舞台に生と死の本質に迫る、伝説の百年シリーズ第一作。 旅の途中で道に迷ったサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディは、高い城壁に囲まれた街に辿りつく。高貴な美しさを持つ女王、デボウ・スホの統治の下、百年の間、完全に閉ざされていたその街で殺人が起きる。時は2113年、謎と秘密に満ちた壮大な密室を舞台に生と死の本質に迫る、伝説の百年シリーズ第一作。
薬屋・地獄堂でくつろぐてつしたちは、三田村巡査に出くわし腰を抜かす。三田村の背後に血みどろの少女が立っていたのだ。上院町内では女子高生を狙った連続殺人事件が起きたばかり。その少女は二番目の被害者、まり子の霊だった。三田村はどこで霊に取り憑かれてしまったのか。肝試しさながらの“捜査”が始まる!
中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。 無縁 ふるえる水滴の奏でるカデンツァ シャンチーの宵 幽 かすか ひたひたと 花腐し 著者から読者へ 解説 三浦雅士 年譜 著書目録
盆に隠れ鬼をしてはいけないーー。それが山深い寒村に佇む旧家・蒼具家の掟。広告代理店勤務の高沢春菜は移築工事の下見ため訪れた屋敷の蔵で、人間の血液で「鬼」という文字が大書された土戸を発見する。調査の過程で明らかになるのは、一族で頻発する不審死。春菜を襲いはじめた災厄を祓うため、春奈は「因縁切り」を専門とする曳き家・仙龍に「鬼の蔵」の調査を依頼する。 『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、哀しい怪異譚ーー。 山深い寒村の旧家・蒼具家では、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」と言い伝えられている。 広告代理店勤務の高沢春菜は、移築工事の下見に訪れた蒼具家の蔵で、人間の血液で「鬼」と大書された土戸を見つける。 調査の過程で明らかになる、一族に頻発する不審死。 春菜にも災厄が迫る中、因縁物件専門の曳き家を生業とする仙龍が、「鬼の蔵」の哀しい祟り神の正体をあきらかにする。 プロローグ 其の一 国の重要文化財 蒼具家土戸 其の二 因縁切り物件専門業者 其の三 陰の曳き屋師 隠温羅流 其の四 ハラミノ火と夜参り講 其の五 オクラサマ エピローグ
千鳥と鶫、鳶の変わり者研究者たち三人が、この世界の禁忌『封じられた過去』へ近づくほどに、周囲で発生する不穏な事件。“遺跡を暴くと呪われる”という言葉をなぞるように、考古学研究所の発掘作業中に一人の人物が忽然と姿を消し、さらに鳶には密売容疑がかけられる。友人の嫌疑を晴らすため、千鳥たちは危険な捜査に乗り出すが…。世界の真実が明かされるシリーズ第三弾!
ワイルド&エロティック。これぞ馳ノワール!!賞金稼ぎを夢見て無茶ばかりする二人の男。ヤクザの借金を踏み倒した風俗嬢を見つけたが、女は言う。「好きときに、好きな穴を使っていいのよ」。堅い絆で結ばれた二人は何もかも投げ捨てて女と幼い息子を逃がすことを決意する。血塗れの子守歌をききながら、明日なき暴走が始まる。魂の兄弟、そして夢のような女と健気なガキーー死にたいくらい焦がれた幸せが目の前にある! くすねた金はヤバい5000万円! 最高にワイルド、究極にエロティック。これぞ馳ノワール!! 賞金稼ぎを夢見て無茶ばかりする二人の男。ヤクザの借金を踏み倒した風俗嬢を見つけたが、女は言う。「好きときに、好きな穴を使っていいのよ」。堅い絆で結ばれた二人は何もかも投げ捨てて女を、そしてその幼い息子を逃がすことを決意する。血塗れの子守歌をききながら、明日なき暴走が始まる。魂の兄弟、そして夢のような女と健気なガキーー死にたいくらい焦がれた幸せが目の前にある!
故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部 斑鳩への単独行 ハーレーに乗る男 大和から河内への旅 ホールの楽屋口で 若いマネージャー 北へ帰る日 出立前夜 イッツ・ア・ロングウェイ 運命の大きな手 シベリアの荒野 ハバロフスクの街角 華麗なるパーティー スミルノフ将軍の招待 両国共同の秘密事業 ミスターXの家で 日本人の知らない場所 遺された手記 危機せまる 兵士たちの影 アムール一族の村 筑豊を遠くはなれて 旅立ちの準備 解説 山内亮史(旭川大学学長)
球界のスター・浪岡龍一の八百長疑惑を追う刑事の半澤は、かつて甲子園の決勝で目にした投球への違和感を、今も燻らせていた。一方、執拗な取材を続ける記者・四之宮は、遂に浪岡を追い詰めるのだが。貧しい漁村からのし上がった不世出の投手は、黒か白か?衝撃のラストに息をのむ、圧巻のミステリー!
探し物が得意なアズサは夏休みに帰郷し、元バイト先を訪れる。この世とあの世をつなぐ登天郵便局では、死者が成仏せずに消える事件が頻発!彼らは生前“罪を洗い流す温泉”を訪れていた。懐かしい同僚たちから頼まれたアズサは温泉の在り処を探すが…。大ヒット『幻想郵便局』の続編を文庫書下ろしで!
二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。 ー堂ーシリーズは、今では通常の名探偵シリーズにはない展開をみせている。 ーー円堂都司昭(文芸・音楽評論家 解説より) 館と天才たちと奇行の探偵、再び。第二弾開幕! 二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。 第I章 湖畔へ 第II章 犯人は僕だ 第III章 犯人は彼か 第IV章 犯人は誰だ 第V章 犯人は君だ 第VI章 湖畔で 文庫版あとがき
亡き妻のレシピ帖に「私は椎茸だった」という謎のメモを見つけた泰平は、料理教室へ。不在という存在をユーモラスに綴る表題作のほか、叔母の家に突如あらわれ、家族のように振る舞う男が語る「ハクビシンを飼う」など。日常の片隅に起こる「ちょっと怖くて愛おしい」五つの「偏愛」短編集。泉鏡花賞受賞作。
「この電話番号の相手が、霊媒師の助けを必要としているのよ」 そう言って、霊感ゼロの喫茶店店主・佐貴に電話番号を手渡した黒髪の美女。この浜本理佳と名乗る女性は、佐貴の友人であり由緒正しき霊媒師・アーネストの助けが必要なのだという。電話をかけてみると、なんと理佳は1年前に自殺していた……。理佳の恋人も変死しており、アーネストと佐貴がその謎を解き明かすべく、動き出す! 序章 沈黙の夜 第一章 紅の予感 第二章 見えない糸 第三章 火影の揺らめき 第四章 夜を見るもの 第五章 煉獄の鬼 幕間 いつかの約束 終章 祈りの中で
酸いも甘いも知っているのが40代ー。けれど自分のことは、おぼつかない。妻に浮気されていた男、息子のサッカーチームのママ友になじめない女、駄ジャレが止まらない離婚した男に、落語家に妄想恋愛する女、幸せな勘違い教師の男。それでも前向きに生きていく。迷える大人たちの励みになる、心に優しい短編集。
研究不正を追及する、より高度で専門的な部署へ異動になった一般職・水鏡瑞希。上司の女性キャリア官僚と組んで、次世代エネルギーと目される核融合研究の検証に取り組む。ついていくのに四苦八苦の瑞希のもとに、不可解な事象が連続して起きる。みずからの心の奥底を知ることになった瑞希、驚愕の真実とは?
藩主綱紀のお国入り。国元では数馬の婚約者琴が襲撃されるなど、きな臭い動きが。そのため異例の急ぎ足の大名行列となった道中の交渉役を任された留守居役の数馬だが、油断大敵!綱紀との縁組を切望する高遠鳥居家の思いがけぬ罠が待ち受けていた!数馬は藩の窮地を切り抜けられるか!?
捜査一課から地元の武蔵野中央署へと転出した刑事・瀧靖春は、旧友の長崎から姪の恵が行方不明になっていると相談を受けた。市議会議員の選挙運動を手伝っていたという恵。その足取りを追う中、瀧は過去に類似の失踪事件が起きていたことに気づく。やがて瀧の捜査にも見えざる圧力がかかりはじめ…。
街の電器屋さんvs.大手家電量販店の戦い!大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし> 街の電器屋さんvs.大型家電量販店! デフレの時代にまさかの「高売り」戦略?!リストラされた「ゆとり世代」の俺に、勝機はあるのか。 大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし> 「安けりゃいいってもんじゃない!」 第一章 リストラされちゃった! 第二章 実家に戻っちゃいました 第三章 「高売り」します! 第四章 母ちゃんのこと 第五章 安売り戦争 第六章 負けてたまるか 第七章 トラブルは続く、いつまでも 第八章 祭りの準備 第九章 高売り本格始動 第十章 街の電器屋さん エピローグ 参考文献
故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部 斑鳩への単独行 ハーレーに乗る男 大和から河内への旅 ホールの楽屋口で 若いマネージャー 北へ帰る日 出立前夜 イッツ・ア・ロングウェイ 運命の大きな手 シベリアの荒野 ハバロフスクの街角 華麗なるパーティー スミルノフ将軍の招待 (下巻) 両国共同の秘密事業 ミスターXの家で 日本人の知らない場所 遺された手記 危機せまる 兵士たちの影 アムール一族の村 筑豊を遠くはなれて 旅立ちの準備
「僕たちが外国から受け入れたものは、矛盾をうんでいる。その皺よせは家の中へ来るさ」 妻の情事と病。子供たちの離反。 夫は崩れゆく家庭をつなぎ止めようと、進行する悲劇とは裏腹に喜劇を演じ続ける。 鬼才の文名を決定づけた、戦後文学の金字塔。