出版社 : 講談社
平家討伐の先兵となるも、京洛で狼藉を働き、都を追われた悪逆の徒、朝日将軍・源義仲。父を身内に殺され、孤独の身で遠き木曾に追いやられた不肖の「源氏の子」。人々の幸せ、新しい国のかたちを求めて戦い続ける男は、やがて天下に手をかけるが…。最注目の新鋭による、渾身の書き下ろし時代長編。誰もみたことのない源義仲、真・源平合戦絵巻。
日本海側に位置する、とりたてて特色のない雪国・X県。地産地消の食べ物、整った子育て環境、健康長寿。X県を彩る言葉は女たちを縛り付けて、放さない。30歳の蒼子は、代々X県に土地を持つ家の一人娘。夫と二人きりで、自らの実家で穏やかに暮らしていた。彼女が自分の姿を重ねるのは、隣家を守り続けてきた番犬トウマ。年老いたトウマは、飼い主の母娘に虐げられていた。蒼子はまだ知らない。彼女を取り巻く人々の悪意が、幸せの裏で膨れあがっていることを。「隣犬トウマの破顔」ほか、X県で暮らす6人の女性の幸せの歪みを描く、連作小説。
65歳の定年退職者ハロルド・フライは、癌で死にゆく友人に、ただお見舞いとありがとうを伝えるために1000キロの道を手ぶらで歩き始めた。本当は手紙を出すつもりだったのに、実際に会って伝えるべきだと思って……。 道中の心温まる感動的エピソードの数々、すっかり蓋をしてもう触れることのないハロルドの悲しい秘密……。 胸を打つ長編小説! 定年退職した65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、ただただありがとうを伝えたくて、1000キロの道を歩き始める。 去来する人生の苦い記憶と“秘密”を踏み越えながら。 そして巡礼の最後に訪れる、深く静かな感動の救済ーー ナショナル・ブック・アワード新人賞受賞作 世界36ヵ国が涙したロードノベル! 自分はいまこの目に映るものの外側にいると同時に内側にもいる、この目に映るものとつながっていると同時にそういうものを突き抜けようとしている。 歩くとは、じつはそういうことなのだ。(中略) 携帯電話などなくてもかまうものか。あらかじめルートを考えなかったから、あるいは道路地図を買わなかったからといって、それがどうした。 自分には別の地図がある。頭の中にある地図が。 これまでに通ってきたすべての場所、これまでに出会ったすべての人からなる地図が。(本文より) (原題) THE UNLIKELY PILGRIMAGE OF HAROLD FRY
さいとう市立さいとう高校に入学した勇作は、少年野球時代からエース投手として活躍してきたが、高校では野球と決別し、気持ち新たに学生生活をおくろうとしていた。小学校の頃からバッテリーを組んできた一良の誘いも断り、温泉三昧の日々を夢見ていた彼の前に現れたのは、美術教師にして「どうやっても野球のユニフォームが似合わない」野球部監督、鈴ちゃん。二人の出会いから、勇作はふたたび野球へと流されていくが!? さいとう市立さいとう高校に入学した勇作は、少年野球からエース投手として活躍してきたが、高校では野球と決別し、気持ち新たに学生生活をエンジョイしようとしていた。小学校の頃からバッテリーを組んできた一良の誘いも断り、温泉三昧の日々を夢見ていた勇作の前に現れたのは、美術教師にして野球部監督の鈴ちゃん。「どうやっても野球のユニフォームが似合わない」監督、鈴ちゃんとの出会いから、勇作はふたたび野球へと流されていくーー。
樋口一葉の歌の師匠として知られ、明治の世に歌塾「萩の舎」を主宰していた中島歌子は、幕末には天狗党の林忠左衛門に嫁いで水戸にあった。尊皇攘夷の急先鋒だった天狗党がやがて暴走し、弾圧される中で、歌子は夫と引き離され、自らも投獄され、過酷な運命に翻弄されることになる。「萩の舎」主宰者として後に一世を風靡し多くの浮き名を流した歌子は何を思い胸に秘めていたのか。幕末の女の一生を巧緻な筆で甦らせる。
鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった。本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!
鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった。本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。 密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本ミステリー部門第三位に選出。 プロローグ AZOTH I 四十年の難問 文次郎手記 II 推理続行 III アゾート追跡 読者への挑戦 IV 春雷 第二の挑戦状 V 時の霧のマジック アゾートの声 改訂完全版あとがき
垂里家最大の懸案事項。それは長女・冴子の結婚問題! 小説家を志し、毎日、原稿ばかり書いている冴子だが、周囲からは次々とお見合い話が舞い込む。それでも、やっぱり、お見合いするたびに事件に巻き込まれ、お相手そっちのけで謎を解くはめに! はてさて、今回の冴子のお見合いの成否は、そして事件の行く末は。 シリーズ第三弾の本作では、『日本殺人事件』の名探偵・東京茶夢との、夢の共演も実現!? 第一部 見合い相手は水も滴る○×△? 第二部 神は寝ている猿
日本橋本町の薬種商の娘、おりつは“囲碁小町”と異名を持つ。彼女の腕前に惚れ込んだ元御典医のご隠居が総領孫との縁談を賭け、おりつに囲碁勝負を持ちかける。名うての棋客との熱き盤上でうつろうのは勝機か、それともあのひとへの秘めた想いなのか。おりつが到達した境地とは。青春・囲碁小説の決定版。
良妻賢母がモットーの「お嬢様」女子大の入学式、桜並木の坂道で転んだ水絵に手を差し伸べたのは、妖艶な魅力の上級生・日菜子だった。京都の名家・嵯峨家出身の日菜子は父親の母親への無慈悲な仕打ちから男を忌み嫌い、田舎から上洛した奥手の水絵を女子寮で寵愛する。団鬼六賞受賞作家による文庫書下ろし。
戦前の大阪。瀬戸俊介は、両親を破産させ甘言で妾にした姉まで死に追いやった新興財閥総帥の灘尾儀一郎の殺害を誓う。偶然知り合った町工場主の春日は、自分の裏稼業は詐欺師だと明かす。「殺すな、かたきは取ってやる」。俊介の全財産で雇われた詐欺師たちは灘尾財閥破綻に向け、壮大な詐欺を仕掛け始める!
都内に住む老人が自宅で惨殺された。奇妙なことに、遺体は舌を切断され、心臓をズタズタに抉られていた。さらに、縁の下からは「不離怨願、あたご様、五郎子」と記された呪術符が見つかる。なぜ老人はかくも強い怨念を受けたのか?日本の因習に絡む、恐るべき真相が眼前に広がる!第57回江戸川乱歩賞受賞作。
長崎県の孤島波手島。明治の教会が残る無人の島で、女たちが火に焼かれて死んだ。宗教的理由による集団自殺か、はたまた。事件性を疑う私立探偵に乞われ、桜井京介は現地へ向かう。その頃、蒼はカルト教団に入信したまま戻らぬ友人を救出しようとしていた。ふたりに迫る悪意の罠。狂気の炎が再び空を焦がすとき、京介は蒼を救えるのか 長崎県の孤島波手島。明治の教会が残る無人の島で、女たちが火に焼かれて死んだ。宗教的理由による集団自殺か、はたまた。事件性を疑う私立探偵に乞われ、桜井京介は現地へ向かう。その頃、蒼はカルト教団に入信したまま戻らぬ友人を救出しようとしていた。ふたりに迫る悪意の罠。狂気の炎が再び空を焦がすとき、京介は蒼を救えるのか。 プロローグI──幻視黙示録 プロローグII──いやはての丘 殺意の情景(1) 少し灰色の春 独房の聖女 殺意の情景(2) 灰の水曜日 ぐろうりや 殺意の情景(3) 顔無き侵入者 カルトの方舟 殺意の情景(4) 波手島縁起 鋼の罠 interlude 夢と現の狭間に 凶天使の影 エピローグI──幾度でも エピローグII──昏き鏡 ノベルス版あとがき 文庫版あとがき
サウナの客が残していったバッグには大金が!? 持ち主は二度と現れず、その金で閉めた理髪店を再開しようと考える初老のアルバイト。FXの負債を返すためにデリヘルで働く主婦。暴力団からの借金で追い込みをかけられる刑事。金に憑かれて人生を狂わされた人間たちの運命。ノンストップ犯罪ミステリー! 想像を超えた衝撃の結末! サウナの客が残していったバッグには大金が!? 持ち主は二度と現れず、その金で閉めた理髪店を再開しようと考える初老のアルバイト。FXの負債を返すためにデリヘルで働く主婦。暴力団からの借金で追い込みをかけられる刑事。金に憑かれて人生を狂わされた人間たちの運命。ノンストップ犯罪ミステリー!
詐欺師たちは当主の儀一郎に反抗して解任された灘尾電機の元社長を仲間に引き入れ、財閥本社の電話交換嬢を騙して抱き込む。用意した餌は、海軍に食い込みを狙う灘尾が渇望する最新軍事技術。特高警察・検事局・海軍技術研究所が交錯し、クライマックスの京都帝国大学へ。痛快コンゲーム・ミステリー長編。
小説家・日野啓三が誕生した場所ーベトナムに関わる全短篇を集成。一九六四年、新聞社の常駐特派員として戦乱の地・南ベトナムに赴任、民衆や兵士の悲惨に直面し、溶解する現実感覚を“小説”のかたちで表現することを決意。六六年、初の小説「向う側」を発表、その後連続して、ベトナム戦争を舞台に、形而上的想念を、虚構的、実験的な作品へと昇華。単行本未収録作品六篇を含む、貴重な一書。
日本画の大家・野々村白仙の養女、美貌で才気溢れる薔子がクリスマス・パーティの席上、シャンパン・グラスを掲げての乾杯直後、中毒死。事件の後、心因性の不調に悩む高校生の義弟の郁哉に、スクール・カウンセラーの薬師寺香澄は、桜井京介という不思議な男性を紹介する。桜井は、郁哉に「君は僕に、なにを望むのですか?」と訊ねるが…。(『黄金の薔薇を手にして』)ほか、魅惑的で美しい謎と小さき者への慈愛を描く傑作短編4編を収録。
高い塀に囲まれた町、セカンドタウン。その郊外にある井戸から、高校教師の中山が救出された。井戸の底での恐怖体験を教え子の戸丸に語った彼は、病院の屋上から飛び降り命を絶つ。中山が遭遇したという異形の男。町の治安を管理する『自治体』。町の中心にある、さらなる塀で囲まれた『塀の中』と、飛び回る羽虫ー。戸丸は事件をきっかけに町に疑念を抱き始めるが、語り合った友人、祝詞は一編の物語を遺して姿を消す。物語に秘めたセカンドタウンの真実とはー!?