出版社 : 講談社
千五百年に一度の周期で、仙人は「殺戒」を破る。つまり、気に食わぬヤツを私してしまう、そうである。いまから三千年前の古代中国が、まさにこの周期にあたった。仙人は人間たちの戦争に相乗りする形で、半端な仙人とできすぎた人間を殺し、仙人界でも人間界でもない「神界」に移住させようと計画、実行する。この様子を描いたのが、中国三大神魔小説のひとつ『封神演義』。実在した英雄や暴君も登場し、ノンフィクションとフィクションが折り重なるよう展開するこの歴史スペクタクルの、登場キャラクターにスポットを当てた本書は、仙人や妖怪、人造人間や暴君、英雄までもが煩悩のままに戦う可笑しさを浮き彫りにする。人気漫画家、蔡志忠の独特の解釈でユーモアと機知満載の現代の「説話」。
無邪気に挑発する美少女に、老人はなおも邪な妄想を抱き続けた。野坂昭如、健在を示す短編集。街を恐怖に陥れた性器噛みきり少女の虚ろな心象風景-「少女M」、売春女子高生との全共闘談義-「少女妊娠」、初恋の女性の訃報で帰郷した作家の喪失感-「恋自縛」など、十一の物語を収録。
アメリカ、メーン州の沖にひっそりと佇むノコギリ島の洞窟には、世界中を震えあがらせた海賊、“レッド・ネッド・オッカム(血塗れ)”の遺した莫大な財宝が眠っている。時価20億ドル以上といわれる財宝への欲望に憑かれ、幾人もの宝探しがこの島を訪れたが、洞窟の奥から突如噴出する海水に阻まれ、その夢を散らしてきた。洞窟はいつしか“水地獄”と呼ばれ、恐れられた。その“水地獄”に、今、最先端のテクノロジーとコンピュータで武装した専門家集団が挑む。暗号、罠、呪い、裏切り、原因不明の病。はたして宝物を手にすることはできるのか。驚愕のラストまで物語は突っ走る-。「宝島」の胸高鳴る思いと、「インディ・ジョーンズ」のスリルの融合。血沸き肉踊る、冒険小説の最高傑作。
大陸では微妙な力関係で五国のバランスが保たれていた。楽天は一番の小国である。その楽天に大国・奉金より盟約を結びたいとの申し入れがあった。条件は人質の交換。しかし、その裏には各々の国家の、そして重鎮たちの思惑が渦巻いていたのだ。世俗にまみれ、人生に翻弄され、それでもなお愛と勇気を武器に真摯に生きる若者を大スケールで描く感動巨編。
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった! 事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
警視庁警護課員として佐崎が警護する政府要人が襲撃された。凶弾に倒れたのは同僚のSP、義兄でもある大橋だった。狙撃犯は誰か。佐崎の脳裏に浮かんだ予想外の人物とは!?圧倒的なディテイルとリアリティで描く日本の要人警護の実態。生命の危険を顧みず、自らの誇りを懸けて任務に就く男たちの物語。
大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る30人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが……。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。 虚空の黙祷者 Silent Prayer in Empty 純白の女 The Lilies of Her Cheeks 彼女の迷宮 She is Lost in Mysteries 真夜中の悲鳴 Acoustic Emission やさしい恋人へ僕から To My Lovely ミステリィ対戦の前夜 Just Before the Battle for Mysteries 誰もいなくなった Thirty Little Indians 何をするためにきたのか The Identity Crisis 悩める刑事 A Detective in Distress 心の法則 Constitutive Law of Emotion キシマ先生の静かな生活 The Silent World of Dr. Kishima
旅先のインドで、橋場亜希人が不可解な「密室」死を遂げた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が…。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか。
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。(講談社文庫) 「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。 ガラスの麒麟 三月の兎 ダックスフントの憂鬱 鏡の国のペンギン 暗闇の鴉 お終いのネメゲトサウルス
自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわりが騒々しくなる。ヤクザ、闇の大物、昔の会社のスポンサー筋などの影がちらつく中、キーワードはゴッホの「ひまわり」だと気づくが……。名作『テロリストのパラソル』をしのぐ、ハードボイルド・ミステリーの傑作長編! ひまわりの祝祭 引用文献・参考文献
ドライブの途中、四人が迷い込んだ山荘には、一台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベットと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが…。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。
日本で唯一最高の短編ミステリー傑作選。本書は、1999年に発表された短編から、19本を選んで、日本推理作家協会が編集したものである。