出版社 : 講談社
「昨日のニューヨーク市場では、また例のDファンドが派手にやってくれましたよ。まったく手がつけられない」50兆円の投機資金を操るヘッジファンドが、日本市場に狙いをつけた。だが手口は巧妙をきわめ、ボスの動きも闇に包まれている。国際金融の妖怪の実態をリアルタイムで描く経済小説。
コロラドの牧場主アティカスは、メキシコ・カリブ海岸に住む次男・スコットの突然の自殺の報を聞き、単身現地へ飛ぶ。葬儀をすませ、息子とかかわった人物や遺品と接するうち、確信に満ちた疑問がー他殺!?かつて妻を死に追いやった息子との心の溝を越え、力強い愛情で真相を追う父の苦闘を描くサスペンス。
大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はそのなかに秀頼の落とし胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。子を宿しながら迎え討つ、くノ一、五人衆に危機迫る!忍法帖ブームの際に頂点をなした傑作。
時計の行商をするために生まれ育った離島にやってきたマチアスは、直前ヴィオレットという若い女性を殺していた──外界とマチアスの意識との有機的な関係を、事物そのものに迫る数学的にまで昇華された文体で描くことによって、青年の荒廃した深層心理をうかび上らせたヌーヴォー・ロマンの傑作。
世紀末日本に彗星のごとく現れた団体「理性の跳躍」。エリート層を中心に七千名の会員を擁し、膨大な資金力を持つ彼らが主張する強者の論理が人々の心をとらえていく。だが、その陰でひっそりと不可解な死を遂げた男がいた-。混迷の現代社会を問う書き下ろし長編サスペンス。
17歳の家出娘を捜して欲しいー更正施設で薬物中毒患者の世話をする佐久間公に、女性実業家からの依頼が舞い込む。住踪人調査を再開した佐久間は、渋谷・六本木・新宿と娘の行方を追う先先でかってのライバル岡江に先を越される。彼女はなぜ追われるのか?大沢ハードボイルドの鮮烈な到達点がここに。
新潟と長野で起きた殺人。容疑者の美人双子姉妹には鉄壁のアリバイがあった。壊れた時計、時刻表、ビデオ・テープ-ミステリの必須アイテムに新たな生命を吹き込むスリリングな表題作に、どんでん返しの醍醐味が堪能できる倒叙短編の二編をプラス。思いもよらない一点から完全犯罪を瓦解させる推理のキレ。
その町には幸と不幸の見えない境界線がひかれている。事業拡大を目論んだ鉄工所主・川谷を襲うウラ目ウラ目の不幸の連続。町のチンピラの和也が乗りこんだのは、終わりのない落ちるばかりのジェットコースター。「損する側のままで終わりたくない!」追いつめられた男たちが出遭い、1本の導火線に火が点いた。
街のチンピラが京劇場で殺された。捜査にあたった北京市公安局・王警部補は古美術品の盗掘、密輸出と殺人事件との関連を追うが…。チャイニーズ・マフィアから警察幹部、さらには共産党へと真相に迫る一人の刑事が職務の狭間で懊悩する姿を描く。天安門事件を遠景に中国の闇社会が舞台のクライム・ノベル。
妻を事故で失い札幌を離れ森林作業員となった男が、自衛隊演習場と隣接する夜明け前の森で救出した女性は、謎を残し病院から逃亡する。女性を捜し真実を突き止めることに己れの再起をかけ調査を始めた直後、落とし穴などの罠が仲間を襲う…。北海道を舞台に独り闘う男の葛藤と勇姿を描くサスペンス大作。
「お返事がないので、またお手紙を差し上げます」熱狂的な女性ファンから次々届くファンレター、断っても断ってもしつこく講演を依頼してくる図書館司書…謎の覆面作家・西村香をめぐって起こる怪事件・珍事件の数々。はたして作家は、男なのか、女なのか?年齢は?全編、手紙形式でつづる絶妙の連作推理集。