出版社 : 講談社
長い平和の時代は終わった。また修羅の世界が-。縄文時代より連綿と絶えることなく戦い続けてきた超能力者たち。宇加美秀彦は、そういう特別な血のつながりの秘密結社の中枢「生樹御門の会」のリーダーだ。彼の娘、史織が、敵対する「八代の悪舟」に誘拐され、凄絶な戦いの火蓋が切って落とされた-。
奇寿部の柳斎の大鐘乳洞を隠密裏に改造したアジト奇御戸を「生樹の者」たちが人質史織の救出に急襲。瞬間移動、念動力、精神感応、空中浮揚、さらに得体の知れない妖獣・夷獣。それらを駆使しての、縄文人の戦いを彷彿させる、華麗、妖艶、惨烈極める戦いが両者の間に繰りひろげられる-。
空海、弁慶、佐助ら妖鬼退治の旅へと出発した一行と別れて、現代に戻って来た大学院生、高梨葉子は古文献を調べている途中、恐るべき発見をする。記述の中から、三蔵法師の足跡を示す部分が消失してしまったのだ。これは三蔵が本来の歴史に反して、死亡してしまったことを意味するのか。冒険ロマン第2弾。
ベルリンの壁は’89年11月に崩れ、ドイツは統一へ歩み始める。だが、その一方で取り残された旧東ドイツの治安組識が密かにある計画を押し進めていた。計画を知った女性市議会員ベックナーは殺されてしまう。元の夫、ヴォルフ警部補が事件を追い、秘密に迫っていく。
私が生まれてすぐ、どんな事情があるにせよ、父親を放棄したあのひと。肉親にたよらず他人の中を泳いできた男がなぜ、最後に私を頼るのだろう。二十歳になって初めて出会ったあのひとに忍びよる死の影、それを醒めた眼でみつめるポルノ女優の娘。父と娘の凄絶な生と性の有様を描いた自伝的連作長編小説。
神戸の名門校マリア女子学園で、若い修道女が不審な死をとげた。駆けつけた親友洋子は、一見平和そうな女の園の奥深くに、邪悪な意志と策謀を知る。学園のペットの無惨な死、女学生たちの不可解な行動、更に続く修道女の不気味な死…。サントリーミステリー大賞読者賞の気鋭女流による、傑作推理長編。
長い間夢に見た北の都ケベック。アンジェリクと夫ペイラック伯は、ついにこのフランス領の地に到着した。奪われた過去の地位と名誉のすべてを取り戻すための伯爵の危険な賭けでもあった。盛大な歓迎、思いがけない人々との再会。だが、姿を隠した敵は、ふたりの新しい生活をじわじわと脅す。
雪と氷にすっかり閉ざされたケベックの長い冬。宗教行事と華やかな催しの日々のなかで、社交界の中心人物となったアンジェリクとペイラック伯爵をめぐって、嫉妬や誘惑が渦巻くが、執拗な敵からの挑戦もつづいた。そして、ある日氷原へ遠出したアンジェリクの背後に狂気の暗殺者が忍び寄る。
ゲベックにようやく春が訪れると共にアンジェリクの身辺にも矢つぎ早に事件が起こる。謎の神父が放った密使との闘い、夫ジョフレへのひそかな疑い、市の周辺まで迫ったイロコイ族の大襲撃とその和平交渉。やがて、本国から最初の船が到着し、待望のルイ一四世の親書が届けられたのだが…。
会社は誰のものか。30年近くトップの座に君臨してきた会長の妄執と横暴に、ついに怒りが爆発。叛旗を翻した管理職たちは、社内改革に綿密な作戦計画をたてる。一方、ワンマン経営者は人事権を乱用して、切りくずしにかかる。不気味な沈黙の日が続くが、覚悟の対決は目前に迫る。
秩父郊外の鬼島家。その屋敷跡で右手に首をぶら下げた死体が発見された。調査した結果、なんと胴体と首は別人だった。数日後、新聞社に「怨みの首一つ一億円也」の怪文と女性の髪が首屋の名前で送られてきた。この一帯を牛耳る政治家の下にも同じものが…。犯人の狙いは何か。猟奇殺人の謎を巡る推理小説。
雨の降る林の中の焼場で、自死した母の遺体を焼いた。たった一人で立会ったその光景が今も脳裏を離れない。母の絶望と自身の孤独を心中深く抱いて、磯目〓@55C3介は戦後を生き続けた。そして四十余年。結婚もし、それなりの地位も得て、今ようやく妻との老いに向う生に心をかたむける。
冬も間近いセント・ローレンス河を溯って、ペイラック伯爵の率いる船団はケベックへの旅を続ける。かつて二人を追放した祖国、フランスの領土ケベック。アンジェリクの不吉な予感の通り、敵は霧深い峡谷に、恐ろしい死の罠を用意していた。夫を救うため、彼女は敢然と敵に立ち向かうが…。
船団が寄港したフランス領の入植地ターダサクで、アンジェリクの許へ一通の手紙が届けられた。「忘れることのできない、あなたのエメラルドの目…」熱い思慕の情をつづったその恋文の主は彼女と夫ペイラック伯爵の運命を握るルイ十四世の特使であり、過去の世界から現れた意外な人物だった。