出版社 : 講談社
様々な素材と趣向とテクニック。著者の才華がほとばしる短編の数々。-柳生流は無刀を兵法の極意とする。しかし宗家但馬守は、現実においては大目付の職権をもって諸大名を糾弾し、彼らの怨嗟を一身に浴びていた。家にあっては4人の子息の父。だが、その放蕩柔弱を嘆く師父でもあった。剣聖の波瀾の心中を描く「柳生月影抄」のほか、「下頭橋由来」、「大谷刑部」、「鬼」など8編を収録。
歯科医が殺された。亭主殺しの犯人は必らず妻、を捜査の信条とする大貫迷警部は、井上刑事を連れ歯科医夫人の逮捕に向かう。ところがその夫人は大貫の初恋の人!当然大貫は「この人だけは例外!」と叫んで別の犯人さがしへ。はたして真犯人はみつかるのか。ユニークな刑事コンビが、おさわがせの珍捜査を展開するシリーズの第5弾。
一人娘の香織(3歳)が誘拐され、父親の夏八木鉄人に「お前が自殺すれば娘を解放する」という脅迫状が届いた。誘拐犯は自分の妻が夏八木に殺されたと誤解し、彼の生命と引替えに娘を返すという。香織を救うには、48時間以内に真犯人を突きとめるしかない。刻一刻迫る娘の危機。息づまる長編推理小説。
超美女にして、ナンバーワンの女戦士沢村ゆりが、世界の悪者退治のために再登場。だが、こんどの相手は、いままでのいかなる敵よりも強大に力を秘めた妖女マダム・マヌーだ。「勇者伝説シリーズ」で活躍した勇士の中の勇士・矢沢高雄の志を継ぎ、圧倒的なパワーとエロスを放つ、ゆりの新戦士物語の開始。
ついに自衛隊特殊部隊によるクーデターが勃発した。伊神達夫へ復讐を誓う梨羽五月香は、緊急集会の国会に彼を襲うが、罠に陥る。傷つきながらも彼女は、内閣情報室特務部、GRU特殊部隊の精鋭がことごとく壊滅した最後の戦場へ向かうー。“飛ぶ虎”の血を移く少女戦士、完結篇。
世界最大の宝石業者の息子がKGBに誘拐された。彼は反体制運動の闘士で、父と父のグループの恐るべき秘密を、世界制覇を狙うクレムリンの前に暴露してしまうだろう。それは西側にとって、壊滅的な打撃となる。南の島でのんびり暮していた元CIAの一匹狼ハイファーに出撃命令が下った。息子を乗せた貨物船はバルト海に。スリル満点の長編傑作。
僕の名前は山岸陽介。26歳、独身。物書きになろうと奮闘しているがいっこうに芽が出ない。梅雨どきの蒸し暑い夜、白いマンションの二階から助けを求める声を聞いた僕は、その声のした部屋に入ってみた。一人暮らしの若い女性を狙う連続強姦魔のことが話題になっていたからだ。ところが、部屋の中で女性の死体を発見した僕は、とんでもない事件に巻き込まれてしまう。
住みなれたアパートを追われた20歳の彩子は、租母とともにマンションの住み込み管理人をしている。しかしウラに回れば、世にはびこる悪人どもをひそかに始末する現代の女仕掛け人。今夜も頭領の指示のもと、悪徳土地ブローカーとワルの政治家を仕とめたが…。大胆なシチュエーションと急転回の書下ろし推理。
電話回線をつかってディスプレイにうつる文字だけで会話をするパソコン通信。その世界で超アイドルの“KAHORU”ちゃんに恋して上京した男が、つづけざまに3人も殺されてしまった。当のご本人・小田切薫のもとには「殺したのはお前だ!」という告発文がパソコン通信で届く。犯人は誰?新青春ミステリー。
義経が牛若といって鞍馬にあったころ、同じ源氏の血をうけて、十八公麿(後の親鸞)は生れた。平家全盛の世である。落ちぶれ藤家の倅として育った彼は、平家一門のだだっ子寿童丸の思うままの乱暴をうけた。彼は親鸞に生涯つきまとう悪鬼である。9歳で得度を許された親鸞の最初の法名は範宴。師の慈円僧正が新座主となる叡山へのぼった範宴を待っていたのは、俗界以上の汚濁であった。
大盗天城四郎の魔手から玉日姫を救い出したのは、範宴である。その日から範宴はもの想う人となった。甘ずっぱい春の香りは、払えども払えども、範宴を包む。禁断の珠を抱いて、範宴はみずからおののく。京の夜を煩悩に迷い狂う範宴!追い討つように、山伏弁円は彼に戦いを挑む。信仰の迷いに疲れた範宴は、このとき法然を知る。奇(く)しき法然との出合い。親鸞の大転機であった。
信長の死後一年、めまぐるしい情勢の変化だった。しかし、賎ケ岳の一戦をもって、信長の衣鉢はすべて、秀吉に継承されたといっていい。ただ一人、秀吉には強敵が残った。海道一の弓取り家康である。その家康も名器“初花”を秀吉に献じて戦勝を祝した。だが、秀吉の天下経営に不満を抱く信長の次子・信雄は、家康と結び、秀吉に真っ向から敵対する。かくて小牧山に戦端が開かれる。
山崎、賎ケ岳の合戦と、破竹の勢いで進んできた秀吉軍が、たとえ一部隊にせよ、長久手で家康軍に完敗したことは、今後の戦局、いや政局に、微妙な翳を落さずにはおかない。秀吉には苦汁を、家康には遅まきの美酒を。家康の不撓不屈の闘志と、秀吉の天才的なヨミが、激突する。そして秀吉が一歩先を制した。長らく信長の陰に隠れていた秀吉の“力”がここに全容をみせるのである。
地下室の扉が再び開かれるのは72時間後。人工的に“孤島”を作り、その中でミステリー講座を開催する。参加者は立案者の推理作家と若い教え子たち7人。ところが初日の夜、推理作家は死体となって発見され、続いて第2の殺人が。さらに人間消失。新トリック・メーカーが読者にあえて挑戦する不可能犯罪の極致。