出版社 : 講談社
青春の時間は自分の手で廻したい。そう決心した僕は、’60年代最後の年、たった一人東へ飛ぶ。ハワイから本土、大陸を横切ってNYへ。そこには子供のころ、ベースの内側にしかなかったアメリカがあった。そして病める素顔も。“青春の光と影”をBGMに、光り輝やく国アメリカとの対決を鋭い感性で描く傑作。
京都の茶道家元の跡取り息子でジャズカルテットでベースを弾いている遠田宗春は、日米委員会の2人の米側メンバーを自らの茶室に招待した。が、その茶会に「バール教団」と称する国際テロ組織の3人の女テロリストが潜入するという情報が流れた。遠田ら超人カルテットは彼女らの拳法を粉砕できるか。
「儲かりまっか?」を合言葉に、敗戦後の混乱の中から業を興し、石油ショックや円高など、40年間の経済変動をのりこえ、未知の分野に挑戦して商売を成功させた秘密は何か。持ちまえの鋭いカンとド根性と夢を経営に注ぎ、多くの友人の知恵を活用し、明るく爽やかに社業を営む〈男の魂〉描く経済小説。
巨額な借金と経営乗っとりの大ピンチを救った、野性あふれる参謀の戦略とは何か。その男・広瀬宰平は、住友の礎である別子銅山を守りぬくため、幕府を相手に一歩も引けをとらぬかけひきを展開する。内にむかっては膨大な金利支払いを解決するため、大胆な経営大制を敷く。危急存亡に対処した手腕を描く。
幼なき日の思い出も、恋も、すべてが夏の日の煌く海辺から始まるー。一人の男が、スポーツに夢中になったわけ、初めて女性を知ったときの心理、そしていま、家庭の人となるまでの長い道程で味わった喜びと悩み。人生の機微・哀歓を瑞々しく綴ったショーの秀作長編を、作家・常盤新平の清新な訳で贈る。
室町期、西日本切っての勢力を誇る守護大名大内氏の三十一代当主義隆はとりわけ貴族趣味が強く、武力強化よりも京都文化の摂取に熱中する。山口を京都の街並みに模し、文化人を招いては宴を催した。その結果、家臣間に亀裂を生み、やがては救いがたい破滅への道をたどることになるが…。大内氏の栄光と失墜を活写する長編。
激動する1990年、世界経済は恐慌へ突入。日本は未曽有の危機を迎えた。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」のもとには、日本を代表する学者、官僚、そしてテロリストが結集。人々は彼らをファシストと呼んだが……。これはかつてない規模で描かれた衝撃の政治経済小説である。
世界恐慌を迎えた1990年、世界には奇妙な動きが相次いだ。日本でもパニックとクーデターが誘発する。暗躍する巨大金融企業集団「ザ・セブン」に全面対決を挑む政治結社「狩猟社」が企てたのだ。若きカリスマ、トージの意識が日本を動かし始める。この危険な小説に描かれた世界はすでに現実である!!
M農地開発公社嘱託として満州に赴いた木川正介。喘息と神経痛をかかえ、戦争末期の酷寒の中で、友情と酒を味方に人生の闘いをはじめる。庶民生活の中の「小さくて大きな真実」。“日本の親爺”木山捷平が、暖かく、飄逸味溢れる絶妙の語りくちで、満州での体験を私小説世界に結晶させた。芸術選奨受賞作。
天正10年春、信長は得意の絶頂にあった。東方の脅威だった武田氏はわが蹂躪に沈み、天下統一の道は西国を残すのみとなった。その西国も、秀吉が高松城を包囲し、着々戦果を上げていたが、救援毛利勢の動き如何では、覇業に頓座をきたすとも見えた。かくて信長出陣。だが出陣にも似ぬ軽装は、信長一期の不覚といえよう。運明の本能寺!鞭を揚げて東を指したのは、逆臣光秀であった。
信長凶刃に斃るの報を、織田の諸将はどう受けとったのか。秀吉は備中・高松城を水攻めに計った矢先。もし毛利方に信長の死が洩れたなら、情勢はどう変っていくか。まさに薄氷をふむ思いで、秀吉はこの3日間を過した。だが、彼の心気は生涯の内で最も充実したときであったろう。主君の弔合戦に姫路城を進発した秀吉の眉間は明るく、思惑はずれの天下に失望した光秀とは好対照をなしていた。
天下統一にまっしぐらに進んでいた信長の死。しかも嗣子の信忠もろともの死であっただけに、後継者問題は織田家の内外を通じて、頭の痛いことであった。清洲会議の決定も、次第に宙に浮いてゆく。いち早く光秀を誅殺し、家中第1の発言権を確保した秀吉、1歩遅れたりといえど、宿老として重きをなす勝家。激化する2人の対立に、信長の子・信雄、信孝の思惑がからんで賤ヶ嶽合戦へと進む。
窮極のキャッチフレーズ“買って”をオカマのセーラちゃんに教えられたコピーライターの僕。あらゆる言葉になることができたし、あらゆる物になることができるダブルワン。そしてオカマに変身してしまった“彼”の、愛と笑いに溢れた物語。1分ごとの笑いの激流におぼれないで最後まで“読んで”。
み…美恵ちゃん…娘たちの喉を突き破って金切声がほとばしった。ふくよかな女の胸には1本のナイフが突きささっていた。Z2を駆って芹沢顕二は単身、犯人を捜しに走る。そこへ現われた“青い仔猫”という美貌のライダー。そして盲目のピアニスト怜子。疾走する青春群像を生き生きと描く江戸川乱歩賞受賞作。
蛙にされてしまった平凡な予備校生のぼくは、断固として人間に戻りたいと思ってる。世界でたった一匹、字の書ける蛙のぼくは、やさしい麦子に助けられてグリム童話『蛙王子』の研究に取りくんだ。変化なし!絶望した麦子に見すてられ、ぼくはいっそう彼女のことが好きになった。群像新人文学賞受賞作。
私こと新進気鋭の刑事・ブンとベテラン刑事・総長のコンビ。対するはエリート警部補・荻原。双方がっぷりと4つに組んで連続殺人犯を追いかけます。我ら2人組の軽妙な会話とソリの合わない荻原との東西文化圏対立。姿なき殺人者と偽装された海難事故。事件は二転三転、破天荒な結末を迎える。
東京郊外の高級住宅が並ぶ丘の上を毎日観察する老人の狙いは何か。また都心のデパートや地下街に出没するピエロの正体は?そして江戸川乱歩の古い写真を持つ老女の素顔とは。現代の東京に表出した奇妙な出来事の展開はやがて40年前の雪の北海道で起きた惨事のナゾ解きに向けてひた走る。鬼才ならではの壮大で周到な野心作。
学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して……。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実!