出版社 : 講談社
雑木山の土塊の中から現われた髑髏。天を仰ぐその眼窩は、追いかけてくる鬼火から逃げ続けた30年を、ただ虚ろに眺めていただけなのだろうか。一人のスターの死をきっかけに過去の事件が暴かれる。「救けて、直ちゃん。怖いの…」非痛な声を残して死んだ大女優は他殺か自殺か。謎を解く鍵は赤一色に塗られたキャンバス。書下ろし長編ミステリー。
十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により、晩年の幸福を引きちぎられる。倅郁次郎は無実の罪で獄舎に繋がれ、その許嫁花世の身辺にも魔手は及ぶ。一命を投げうって巨漢に挑む江漢の努力は、花世の花嫁姿に報われる。
出る杭は打たれる。-永禄の終りから元亀の初めにかけての信長が、まさにその状態に置かれていた。東北には武田・上杉の古豪が若輩何するものぞと眼を光らし、西北には浅井・朝倉が虎視眈々と隙をうかがっている。折も折、西上を打診しつづけていた信玄は、信長の盟友徳川家康を襲った。浜松城北方の台地・三方ケ原に徳川軍をおびき出し、これを粉砕した。家康、生涯唯一の完敗であった。
家康と信長の援軍が三方ケ原で完敗を喫してから僅か三年、信長・家康の連合軍は、宿敵武田軍に潰滅的な打撃を加えた。世にいう長篠の合戦である。武田の騎馬軍団を織田の鉄砲軍団が完膚なきまでに叩きのめした一戦であり、素早く実戦に鉄砲威力を採り入れた信長の炯眼が光っていた。また、三河武士の名をあげたものに、鳥居強右衛門の懦夫をも起たす鬼神の働きがあり、家康も面目を施す。
信長の天下統一の最後の難敵が、中国の毛利一族であった。この征討にあたるのが秀吉である。しかし、連戦連勝を重ねた金瓢も、今度はどうしたものか生気がない。一城を奪えば、また奪回され、戦線は膠着。信長の苛立ち、秀吉の苦慮。そして秀吉が股肱とも頼む、竹中半兵衛、黒田官兵衛の身にも異変は起きた。一方、衰運急な武田氏は春の淡雪と共に消え、戦国地図は大いに変ろうとしている。
日本を深く愛しつづけたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)1890年に来日以来、日本の物語や民間信仰、風習等を通して、西洋至上主義に捉われることなく日本を理解しよと務め、数多くの秀れた作品を残した。本巻は八雲の作品の中でも「耳なし芳一」「轆轤首」「雪女」等、一般に親しまれている怪談・奇談42篇を、気鋭のハーン研究者達の新訳で収録。さらに巻末にこれらの原拠30篇も翻刻した。 1 耳なし芳一 2 おしどり 3 お貞の話 4 乳母桜 5 策 略 6 鏡と鐘と 7 食人鬼 8 貉(むじな) 9 轆轤首(ろくろくび) 10 葬られた秘密 11 雪 女 12 青柳の話 13 十六桜 14 安藝之介の夢 15 宿世(すくせ)の恋 16 因果話 17 天狗の話 18 和 解 19 普賢菩薩(ふげんぼさつ)の伝説 20 死骸にまたがった男 21 菊花の約(ちぎり) 22 破られた約束 23 閻魔の庁で 24 果心居士(かしんこじ)の話 25 梅津忠兵衛 26 夢応の鯉里(りぎょ) 27 幽霊滝の伝説 28 茶碗の中 29 常 識 30 生 霊 31 お亀の話 32 蠅の話 33 忠五郎の話 34 鏡の少女 35 伊藤則資の話 36 美は記憶なり 37 美の悲哀 38 薄明の認識 39 破 片 40 振 袖 41 夜光るもの 42 ゴシックの恐怖 43 解 説 44 原 拠
86のバストを震わせて竜子は怒った。恋人春彦と美人美容師の密会写真を前にして、「ヘアデザイナーの取材だなんて大ウソなのね。」職権乱用なんのその、新宿中央署の総力あげて二人をマーク。ところが春彦誘拐を告げる電話がとび込んで。春彦が掴んだ美容界の黒い陰謀とは?ご存知ボディコン竜子の名推理。
「頼子が死んだ。」十七歳になったばかりのひとり娘を殺された父親の手記の一行だ。手記は、通り魔殺人で片づけようとする警察に疑念を抱いた父親の孤独な推理行と、遂に犯人をつきとめ相手を刺殺、自らも死を迎えるころで終わっている。だが本当の物語はこの手記を名探偵・法月綸太郎が読んだ時に始まるのだ。あなたが手記に抱く違和感が謎を解く鍵だ。
初恋の人・美佐子に別れをつげ、和倉勇作は苦労を重ねて警察官となった。その勇作の前に殺人容疑者として現われたのは、学生時代どうしても勝てなかった宿敵の瓜生晃彦だった。しかも美佐子の夫として。宿命を背負った二人の対決が極限に達したとき語られる、ただ「ひと言」の衝撃。感動の名作、ここに誕生。
うりふたつの人間ドッペルゲンガー(D)の急激な出現!人類は滅びの道を歩むのか、それとも逆にD現象は地球に進化をもたらすのか?また満月に大量発生するわけは?そして謎の美少女椎名恵の正体は?すべての秘密を明らかにする驚愕の総完結編。日本のSF史上に新時代を開いた記念碑的巨編ついに完成。
ウォール・ストリート・アガサ・クリスティーー『ニューヨーク・タイムズ』。ボストンに本社を置く、急成長を遂げた航空会社『スパロー・フライウェイズ』の従業員代表が殺された。折しも同社はM&Aを前にした攻防で、血みどろの社内抗争が繰り広げられていた。殺人犯は社長か重役かー、米企業社会の暗部を抉る、手に汗握る長編サスペンス。
警備会社に転職した江原光彦は、派遣先のスーパーできれいな顔をした女が万引するのをつかまえた。正式の取調室をいやがる女を江原はラブホテルへ連れ込んだ。泣きながらかぶりを振る女に江原は強引に挑みかかった。悪徳ガードマンの赤裸な日常をあますところなく描いたピカレスクロマンの長編傑作。
第2次大戦の終了まぎわ、日本軍によってマレーシアの奥地に秘匿された時価数百億円の財宝探しが計画された。チームのメンバーに、美貌の女・須賀涼子、ボディガード役に、元情報工作員で射撃の名手・原卓二。そして謎の現地組織。恋と欲望の修羅場の勝者は誰か?著者渾身の長編冒険バードボイルド。
「メキシコ沿岸でソ連原潜が事故」というベタ記事を追った商社マン今田総吉は、メキシコ政府が秘かに進める天然ガス開発計画を察知。プラント受注に動きだした途端、米国メジャーの不可解に介入が強まり、イスラム過激派はサウジ油田を爆破する。複雑な世界エネルギー情勢なのか、熾烈をきわめるプラント争奪戦の内幕を描いた経済情報小説。
港で、行き場を失った怪物ー二度と素晴らしいスピードでアイスバーンを滑降することも出来なくなった一台のボブスレーが放置されているのを見つけた歯科医の青年は、医院の開業資金をつぎ込み、そこにカフェ・レストラン〈ボブスレー〉を開店する。青春への郷愁をドラマチックに描いた秀作四編を収録。