出版社 : 講談社
元弘3年(1333年)は、また正慶2年でもあった。敵味方によって年号が違うのも異常なら、後醍醐帝が隠岐に配流という現実も、尋常の世とはいえない。眇たる小島は風涛激化、俄然、政争の焦点となった。不死鳥の如き楠木正成は、またも天嶮の千早城に拠って、5万の軍勢を金縛りに悩ましつづけている。一方、去就を注目される足利高氏は、一族四千騎を率いて、不気味な西上を開始する。
美砂子は男に抱かれるたびに変貌して、魔性の女となってしまう。自分の前世にさかのぼるため、彼女は霊能者を訪ねた。婚礼の夜、無頼漢に犯され、斬殺された江戸時代の娘、美津との関係は?男に裏切られ男を呪ってさまよう平安時代の佐古姫の哀しい秘密とは?愛の亡霊を描く書下ろし恋愛伝奇ミステリー。
甦った矢切鞭馬は、現界と魔界をつなぐ幽暗の鬼窟に閉じ込めた妖鬼の招喚を企む黒部一族を殲滅しようと決意した。そのため日常はしがない塾教師をしているが、実はテレポート能力を持つ超戦士・萩生真介に助勢を求めた。しかし真介は妖艶な黒部千明の淫術で淫囚にされてしまう。超伝奇長編小説第2弾。
何ものかに鋭い牙で裂かれた死体が、首都一円で次々に発見された。一命をとりとめた若い女は、「見たこともないような獣に襲われた」と証言した。妖獣狩りを依頼された古丹神人、比嘉隆晶、遠田宗春、猿沢秀彦の4人の超能力者は、妖獣の力の軍事利用を企む超大国の陰謀を粉砕すべく立ち上がった。
天国にいるママの声がききたい、とパパがはじめて泣きました。そこでめいは、パパにすてきな贈りものをします。-表題作「赤い糸の電話」、恋人と妖精の世界へ帰るため、幸福な人間の流すなみだを集めているおばあさんー「十万粒のなみだ」など、11編の物語。心のせつなさが、かなしさが、やさしさが、ゆめをつむぎ出します。
新しい言葉の創造によって“時代”が鼓舞される作品、そういう作品を発表し続けて来た文学者・大江健三郎の20代後半の代表的長篇傑作『叫び声』。現代を生きる孤独な青春の“夢”と“挫折”を鋭く追求し、普遍の“青春の意味”と“青春の幻影”を描いた秀作。
「宮本武蔵」の圧倒的な好評を受けて、著者は次作の題材を吟味した。昭和15年新春より朝日新聞紙上を飾ったのが「源頼朝」である。これには“小説日本外史”の副題がついている。歴史を闊歩した代表的日本人を次々に登場させる構想で、その第一に源頼朝が選ばれた。まさに頼朝こそ源平抗争の英雄であり、700年の武家社会を築いた巨擘である。著者は武将頼朝の周辺に鋭く肉薄してゆく。
大作『新・平家物語』を完成した著者は、息つく暇もなく、南北朝を題材とする『私本太平記』の執筆にかかった。古代末期から中世へーーもはや王朝のみやびは影をひそめ、人間のどす黒さがあらわに出てきた時代、しかも歴史的には空白の時代である。史林の闇に分け入るとき、若者は使命感と創作意欲の高まりを禁じえなかった。開巻第1、足利又太郎(尊氏)が颯爽と京に登場する。 この世の影なき魔物の正体を衝く意欲作ーー日本史上の空白期とされる南北朝時代、もはや王朝のみやびは影をひそめ、人間のドス黒さがあらわに出てきた時代ーー足利又太郎(後の尊氏)が颯爽と京に登場する。 ■あしかが帖 下天地蔵 大きな御手 時の若鷹 ばさら大名 藤夜叉 あばれ川 新田桜 置 文 なべとかま 裁許橋 うつつなき人 登 子 波まぎれ 不知哉丸 ■婆娑羅帖 乱鳥図 正中ノ変 楠木たずね 悲 歌 ぶらり駒 繚乱七種 妖霊星 上り地蔵
鎌倉幕府が開かれてから130年、政治のひずみが到るところに噴出していた。正中ノ変はその典型的な例である。そして公武の亀裂はますます拡大し、乱世の徴候が顕然となった。「天皇御むほん」さえ囁かれるのである。当時は両統迭立の世、後醍醐天皇が英邁におわすほど、紛擾のもととなった。この間、足利高氏が権門の一翼として擡頭し、再度の叛乱に敗れた日野俊基とは明暗を大きく分ける。
恋人の水沢アキのマンションの隣室が全焼し、男の焼死体が出た!釣部渓三郎と蟹沢警部は、部屋の主でここ数日所在不明の独身女性を探し出せば一件落着と考え、秋田の乳頭山に出かける。しかし、この山行が焼死体に隠された恐ろしい事件の全貌を、暴き出す幕開けとなった!釣部渓三郎シリーズ第6弾。
東京を恐怖のどん底につき落とす殺人鬼が二人も出現した。一人は金槌で被害者をめったうち。もう一人は絞殺魔だ。無差別な連続殺人としか考えられないのだが、現場には常に謎の数字を記したメモが残されている…。殺された人々を結ぶ、失われた環(ミッシング・リンク)を探せ!速水三兄妹がつきとめたとんでもない真相とは?
うりふたつの人間ドッペルゲンガー(D)があちこちに出現、自分のDと出会った者のほとんどは自殺してしまう。Dの秘密を解く鍵を握る美少女・椎名恵は自衛隊に連れ去られ、米国防情報局(DIA)に引き渡されてしまった。恵を奪還するため、元特殊工作員西本雅一は深夜一人、所沢の秘密基地に侵入する。
ひとりぼっちの少年トーフェの前に戦士リバが現れた時が、冒険の始まりだった。悪しき魔道師がつぎつぎに送りこむ異形の刺客の襲撃に耐え、怪物たちがひしめく不気味な竜の大地を越えて、「運命の子」の旅はなおも続く。「世界に破滅をもたらすもの」と対決したトーフェが知る思いもよらぬ自分の真の姿とは?アクションファンタジー。
魔法にもてあそばれ、失意の底に生きる戦士リバの前に立ったのは、もう一人の「運命の子」ルクセだった。かなしみの色に染まったトーフェとの旅とは違って、二人の旅は陽気で神秘的なものだった。しゃべる岩との遭遇、竜の大地の胎内巡り、「世界の破滅をもたらすもの」との対決。アクションファンタジー。
一体の金の勃起仏と一枚の地図-それは、アフリカの奥地の一大黄金郷に通じる“鍵”だった!しかし、黄金仏を持ち帰った探検隊のメンバーは、追いかけて来た呪術師の怪異な術で次々と消されていく…。事件に巻きこまれた街の男・地虫平八郎が得意の拳法と度胸で巨大な謎と呪者に立ち向かう現代伝奇長編。