出版社 : 講談社
「平壌放送の乱数表が複雑化している」米朝の苛烈なせめぎ合いで危うい変化が起きている。「同胞の協力関係を活かせ」という北朝鮮の世界規模の侵攻とどう戦うか。札幌、秋葉原、そしてシリコンバレー。一貫した哲学で他を圧する調査官・黒田純一が攻める!不透明ないまを生き抜くためのエンターテインメント。
奇妙な文様が刻まれている魔偶ーー土偶の骨董ーーは、所有する者に福と禍をもたらすという……。 大学を卒業して三年目の春を迎えた刀城言耶は、その話を聞いて旧家の屋敷を訪れた。 そこには魔偶に興味を持った者たちがすでに集っていた。 表題作の他、『妖服の如き切るもの』『巫死の如き甦るもの』『獣家の如き吸うもの』を収録した中短篇集。
祖父が死んだーー疎遠だった和典は、葬儀当日も通学し参列しなかった。そんな時、母親から父親のクリーニングを取りに行ってほしいと頼まれる。面倒と感じつつも葬儀に参列しなかった引け目から、しぶしぶその役目を引き受けた和典。品物を引き取る際に、店員から依頼はなかったがシミ抜きをしておいたという伝言を受ける。そのシミは大部分にわたる血痕だったーー。父親は血を浴びるようなことをしたのか、ととたんに不安になり思いを巡らせる中、母親から最近父親が頻繁に長崎に行くようになり、絶対に女がいるに違いないとヒステリックに話していたことに思い至る。本当にそうなのだろうか? そして父親が通っているという長崎は、偶然にも祖父の出身地であることに気が付いた。何かがあるーーそう直観した和典は、調査にのりだす。そしてだんだんと分かってきたことは、祖父が戦時中叶えられなかったある強い想いがあるということだった。
「ボンジュール。お邪魔しています」家に帰ったら、デカルトがいた。デカルトは家の中のものを勝手に食べながら、僕に哲学の方法を語ってくれた。そしてそれが、僕の人生の変革の始まりだったー。そんなはずないって?そう、あなたは正しい。哲学はすべてを疑うところから始まるのだから…“我思う、ゆえに我あり”であまりにも有名なデカルトの「方法序説」をまんが化。真面目に楽しく、哲学の根幹が学べます。
2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位。 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位。 「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリン、初の邦訳作品集! メディア、SNSで大反響! 朝日、日経、読売、毎日、東京、中日、北陸中日、北海道、河北新報、信濃毎日、京都、共同、週刊文春、週刊新潮、週刊朝日、文藝春秋、GINZA、MORE、FIGAR JAPON、VOGUE JAPAN、ELLE JAPON、クロワッサン、婦人公論、ミセス、本の雑誌、POPEYE、本の雑誌、mi-mollet、現代ビジネス、クーリエ・ジャポン、本の雑誌、図書新聞、週刊読書人、文藝、すばる、小説すばる、波、本、RKBラジオ、NHKラジオ深夜便、TOKYO FM。 J-WAVE……。「ダ・ヴィンチ」の「ひとめ惚れ大賞」受賞! 2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。 2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。 本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。 この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります! このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、 とにかく読んで、揺さぶられてください --岸本佐知子「訳者あとがき」より 彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、 どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。 --リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。 刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。…… 自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。
主人公が初めて“勇者”になったのは15歳。ある日突然、「謎の存在」により異世界へと飛ばされた。いきなり勇者になった主人公は厳しい冒険の末、魔王を討伐。以来十年、気まぐれにさまざまな異世界に送り込まれては、その世界を救ってきた。今回、通算十三番目となる異世界の敵は、高度な文明を築き、地力に勝るオーク達で、人類の大きな脅威となっていた。しかも敵のオークの中には、<黒犬>と言われる相当頭が切れる将がいる。これまで十二回、都度異なる世界を救った主人公ははたして、この絶望的な状況を打破できるのだろうか!?
人として森の妖精属・コボルドと信頼を重ね友情を築き、遂には王として受け入れられた元騎士団長・ガイウス=ベルダラス。彼は人間による森への過度の「干渉という名の侵略」を懸念していた。そこでガイウスは、彼を慕って森へとやってきた元部下のサーシャリア=デナンの協力を得て防衛力の強化を試みる。だが人間達は、魔術を使ってまでもコボルドを、そしてガイウスを執拗に襲撃する。はたして、コボルド王国の命運や如何にー。種族間を越えた友情を描き話題騒然となった優しき王の物語、待望のシリーズ第2巻!
ミノタウロス討伐の勅命を受けた騎士パンゼル。あと一撃でミノタウロスを葬り去れるはずだったが、思わぬ事態が発生し、勝負はお預けとなった。そしてパンゼルは、自身を育ててくれたメルクリウス家と王国の危機を救うため、サザードン迷宮を後にするのだった。 それから幾年月。ミノタウロスは未だ迷宮の奥深くに健在で、モンスターや時折訪れる人間の冒険者と戦っては、おのれの技量をひたすら磨き続けていた。そんな折、メルクリウス家から一人の少年が修行の旅に出た。豪雪吹雪く雪原や山脈、海の神殿など王国とはかけ離れた世界を見分し、想像を絶する要害を潜り抜け、見たこともないモンスターと戦い、様々な人たちと巡り合いながら、少年は成長していくのだった。 少年の名はザーラといった。誰あろう、英雄パンゼルの息子である。
勇者パーティーをクビにされたビーストテイマーのレインは、 最強種・猫霊族の少女カナデと出会い、新たな人生を歩み始めた。 同じく最強種である竜族のタニアや精霊族のソラとルナも仲間に加わり、さらに賑やかさをます一行。 そんな折、レインたちは、ホライズンの街を治める領主父子が騎士団と癒着し、住民たちを苦しめていることを知る。 悪事の証拠を手に入れるため、領主の館へと潜入したレインたちだったがーーそこには新たな最強種との出会いが待っていた! 一方、レインへの復讐に燃える勇者アリオスは、禁断の力に手を染めて……!? 「どう、して……優しく、してくれるの?」 「言っただろう。味方だ、って」 大切な仲間と出会い成長していく冒険ファンタジー、風雲急を告げる第2幕!
強くなりすぎた魔導士は、人生に飽き千年後の時代に転生する。 しかし、少年クルトとして転生した彼が目にしたのは、 魔法文明が衰退した世界と、千年前よりはるかに弱い魔法使いたちであった。 そしてクルトが持つ黄金色の魔力は、 現世では欠陥魔力と呼ばれ、下に見られているらしい。 この時代の魔法衰退の謎に迫るべく、 王都の魔法学園に入学したクルトは、 破格の才能を示し、二周目の人生でも無双してゆくーー!? 最強魔導士の転生無双ファンタジー、 書き下ろしエピソードを加えて、待望の書籍化!
かつて地球と呼ばれる世界で実験中の事故で亡くなった三十代半ばの男性の研究者は、異世界で孤児の少女レンとして二度目の生を受けた。過酷な異世界でひとり、前世の知識と魔法の才能を頼りに生き延びてきた彼女も11歳。オーガロード退治やら何やらですっかり 生計が安定して、次なる目標は前世の食の再現。新たな料理や食材を求めて王都へと旅立つことに。同行するのはノルンとベルのフェンリル母子に、宿屋の食堂で働いていたリリーとその同僚のアリサ。実は二人は王都に実家がある冒険者なのだとか。ともあれ、餌付 け済みの美少女二人との旅に元おっさんのレンの心は浮き立つのであった。 異世界で生きる等身大の主人公像を描く、「小説家になろう」1800万PV突破のハイファンタジー佳編第2巻!
2020年本屋大賞第3位! 「ブランチBOOK大賞2019」受賞! 「未来屋小説大賞」第3位 「キノベス!2020」第6位 小説の向こうに絵が見える! 美しさに涙あふれる読書体験 両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。 水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。 描くのは「命」。 はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。 絶賛の声、続々!!! 自分の輪郭を掴む、というのは青春小説の王道たるテーマと言っていい。それを著者は、線が輪郭となり世界を構成する水墨画と見事に重ね合わせてみせた。こんな方法があったのか。 青春小説と芸術小説が最高の形で融合した一冊である。強く推す。 --大矢博子(書評家) 水墨画という非言語の芸術分野を題材にした小説で、架空の登場人物が手にした人生とアートの関係性、時空をも越えたコミュニケーションにまつわる真理を、反発心や違和感など一ミリも感じることなく、深い納得を抱いて受け取ることができた。それって、当たり前のことじゃない。一流の作家だけが成し遂げることのできる、奇跡の感触がここにある。 --吉田大助(ライター) "点"は意志を持てば"線"になり、 誰かと誰かを繋ぐ いつしか"縁"となる 線は、僕を描く 新しい自分を何度でもはじめよう --金井政人(BIGMAMA) 心の中に静かな水滴が落ちて、 その波紋が何処までも残っている この先の僕を描く 一部になってくれた本です --加藤慎一(フジファブリック) 美しさに温かさに涙があふれる。いつまでも読み終わりたくない傑作。 漫画版センボク、全4巻完結!!! 漫画は『この剣が月を斬る』の堀内厚徳さん。漫画内の水墨画は砥上裕將さんによるものです!!
大ヒット映画「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の監督が贈る、書き下ろし長編小説 「なんで生まれてきちゃったんだろうって、ずっと思っていました」 高校生の時に母親に捨てられ、知り合いの家や建設現場を転々とし、詐欺で入った刑務所で30歳を迎えた山田。 出所後に海の近くの塩辛工場で働き始めた彼は、川べりに住みたいと願い、ムコリッタという妙な名前のアパートを紹介される。 そこには図々しい隣人の島田、墓石を売り歩く溝口親子、シングルマザーの大家の南など、訳ありな人々が暮らしていた。 そんな山田に、役所から一本の電話がかかってきた。 幼い頃に別れたきり一度も会っていない父親が孤独死したので、遺骨を引き取ってほしいというーー。 ずっと一人きりだった青年は、川沿いの古いアパートで、へんてこな仲間たちに出会う。 友達でも家族でもない、でも、孤独ではない。 “ひとり”が当たり前になった時代に、静かに寄り添って生き抜く人々の物語。
1160年、平治の乱の後、源頼朝は平清盛によって助命される。後に大納言・時忠が、「此一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」とまで言い放ち、知行国三十余国、荘園五百ヵ所、田園その数を知らずと言われるまでに栄華を誇った平家一門の命運は、この瞬間に窮まった。 後に平氏を滅ぼすことになる頼朝を清盛はなぜ救ったのか? 平氏を滅亡に追い込んだ天才武将・源義経は数々の戦果を挙げたにもかかわらず、兄の不興を買って非業の死を遂げる。その義経が怨霊として祀られていないのはなぜなのか? 二つの謎が解けるとき、源氏と平氏の真の姿が現れる。
日本推理作家協会賞短編部門受賞作澤村伊智「学校は死の匂い」も収録!プロの読み手たちを唸らせた、選ばれし至高の短編9本が集結。初心者も愛好家も必読必携な永久保存版!
味見してみちゃ、くれねえかい? 読んで美味しい“人情”という銘菓。 “思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐすーー。 親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説! 武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。 全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようでーー。 吉川英治文学新人賞受賞作 『まるまるの毬』 待望の続編!
つねにベストは更新される。 最新WWシリーズ始動! カタナを帯びた金髪碧眼の戦士、デミアン。 記録上は存在しない特殊兵器。 楽器職人としてドイツに暮らすグアトの元に金髪で碧眼、長身の男が訪れた。日本の古いカタナを背負い、デミアンと名乗る彼は、グアトに「ロイディ」というロボットを探していると語った。 彼は軍事用に開発された特殊ウォーカロンで、プロジェクトが頓挫した際、廃棄を免れて逃走。ドイツ情報局によって追われる存在だった。知性を持った兵器・デミアンは、何を求めるのか?