出版社 : 講談社
東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。 東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かう。天嶮の地、大和は十津川村へと走るバスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、かつてこの道を進んだであろう天誅組の志士たちの、これまで訪れた地や出会った人、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。バスはいよいよ十津川村へと入っていき、谷瀬の吊り橋前で休憩停車する。ここで途中下車した彼は吊り橋を渡る。風に揺れる橋の上で彼は、電気工だったころのこと、中学生時代のことなどを心のなかで唐谷に語りかけるのだった。 二年後、小説の彼の足取りを辿るように、病の癒えつつある「私」はふたたび谷瀬の吊り橋の上に立っていた。橋を渡りながら、「私」は宿のおかみさんと話をした北海道の新十津川町のことを思い出し、唐谷への友情にひとつの答えをみつける。 現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
ひとつの時代が終わる。それだけがたしかな時に…。美しく死ねた者、なまじ生き残ってしまった者、己が才覚の扱いに悶える者…。人生のさまざまな姿が異常なまでにクッキリと浮かび上がった魔術的な時空間を描く五篇。
サーカス団の元スター、ホルトと、その子どもミリーとジョーは、生まれたばかりの子象、ダンボの世話係に任命される。ダンボは、大きな耳ゆえバカにされていたが、その耳で空を飛べることがわかってから一躍サーカス団の人気者に。やがて遊戯施設「ドリームランド」の経営者、V.A.ヴァンデヴァーの力で、ドリームランドの大舞台に立つようになる。だがホルトは、きらびやかな舞台とは裏腹に、ダンボと自分たちに闇が迫っていることに気づきー。ディズニー最新実写映画を完全ノベライズ!!
ヤングマガジンサード6号(2019年 5/7発売)より漫画連載開始! 漫画:坂野杏梨 『文豪ストレイドックス』の著者が描く、近未来SF冒険小説! 人類の『敵(エネミーズ)』による月落下作戦を防ぎ、救世主は姿を消した。 彼と同じ容貌をした記憶喪失の少年カイル。彼は機械の手脚を持つ少女ニィナの所属する部隊≪有罪の子供(ギルドレ)≫に配属される。 透明化した敵を追い、彼らは研究施設≪怪物園(ダンジョン)≫に足を踏み入れた。そこで待つのは、人類を超える知能を持つ悪魔と、恐るべき罠! 『文スト』の朝霧カフカが紡ぐ最強エンタメ、超加速する第2弾!! 人類の「敵(エネミーズ)」による月落下作戦を防ぎ、救世主は姿を消した。彼と同じ容貌をした記憶喪失の少年カイル。彼は機械の手脚を持つ少女ニィナの所属する部隊≪有罪の子供≫に配属される。透明化した敵を追い、彼らは研究施設≪怪物園≫に足を踏み入れた。そこで待つのは、人類を超える知能を持つ悪魔と、恐るべき罠!『文スト』の朝霧カフカが紡ぐ最強エンタメ、超加速する第2弾!!
フリースクール〈静鈴荘〉で教師として働きはじめた佐伯道成は、一人の生徒を追い詰める深刻なトラブルーー謂れのない罪の告発と嫌がらせに直面する。大人の悪意から子どもを守ろうと必死に奔走する佐伯だったが、先輩教師の舞原杏が選択した救済のカタチはあまりにも意外なものだった。一方、心を閉ざしていた〈静鈴荘〉の住人・三好詠葉にも変化が訪れ、残酷すぎる恋物語が動き出す!
交通事故で瀕死の重傷を負ったピアニスト星子真琴。心臓移植で一命をとりとめた彼女は、占いで人生を決める孤高の暗殺者・与一と出逢った。与一がタロットで運勢を占うと「オーディションを受けたら、君は死ぬ」という結果に。それでもコンクール出場を目指す真琴は、なぜか裏社会の人間たちに命を狙われ…。二人を過酷な運命へ引きずり込む、事件の思わぬ全貌とは?カードが導く未来は、愛か死か?悲運のピアニストと孤独な殺し屋のスリリング・ドラマ!
刑事課強行・盗犯係所属の新人刑事・梓凪子は困惑していた。持ち込まれた案件は畑違いの人探し。依頼主は中国人・宋鈴玉、鈴玉の同行者はなぜか中国領事館職員・王天佑だった。国際政治と人情入り交じる不可解な人探しを続けるうちに、天佑への疑いを深める凪子は、背景を探るために尾行を試みるがーー。同時に発生した連続殺人事件にも関与した凪子は、刑事課と警備課の縄張り争いにも巻き込まれることになる。 中国政府の影潜む人探しとシェアハウス殺人をーー 追え、どこまででも。 ーーー 元警察官にして日本初の女性白バイ隊員の著者に 島田荘司氏唸る! 「凪子の大格闘と涙を見よ。 こんな筆の女流は今いない」 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞後第一作 ☆☆☆☆ 刑事課強行・盗犯係所属の新人刑事・梓凪子は困惑していた。 持ち込まれた案件は畑違いの人探し。依頼主は中国人・宋鈴玉、鈴玉の同行者はなぜか中国領事館職員・王天佑だった。 国際政治と人情入り交じる不可解な人探しを続けるうちに、天佑への疑いを深める凪子は、背景を探るために尾行を試みるがーー。 同時に発生した連続殺人事件にも関与した凪子は、刑事課と警備課の縄張り争いにも巻き込まれることになる。 国交問題、民泊、シェアハウスーー 暗部を覗き込んだ先に見えてくる真実に、貌はなかった。
☆☆☆映画化決定!!☆☆☆ 綾瀬はるか 長谷川博己 羽村仁成(Go! Go! kids/ジャニーズJr.) / シシド・カフカ 古川琴音 清水尋也 / ジェシー(SixTONES) 佐藤二朗 吹越 満 内田朝陽 板尾創路 橋爪 功 / 石橋蓮司 / 阿部サダヲ 野村萬斎 豊川悦司 監督 行定 勲 2023年8月11日(金) 公開 帝国陸軍1000人 vs. たった2人の六日間戦争 第19回大藪春彦賞受賞作。これぞ、ノンストップアクション! 凄絶華麗エンタテインメント 小曽根百合ーー幣原機関で訓練を受け、東アジアなどで3年間に50人超の殺害に関与した冷徹非情な美しき諜報員。 「リボルバー・リリー」と呼ばれた彼女は、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・細見慎太と出会い、陸軍の精鋭から追われる。 関東大震災後の帝都を生き抜く逃避行に、終息の地は待っているのか。 息をもつかせぬ超弩級エンタメ長編!
池袋署刑事課強行犯係で捜査に明け暮れる、クールな理論派の神崎と、型破りな直感派の黒木。同期のふたりが組むと、一筋縄では行かない事件がさらに複雑に。数々の修羅場をくぐり抜けたあと、神崎は二択に直面する。同期の擁護か決別か。黒木が隠し続けた過去とは。興奮と感動の、新世代バディ刑事小説!
「ようこそ。これであなたはガーディアンの一員です。学校でのあなたの身の安全は保証されます」。教師や親にはその存在を明かしてはならない、生徒による中学の「自警団」、ガーディアン。問題ある生徒に制裁を加え学校の平和を保つ。荒れた学校が一転、平和になった陰には、不登校をしいられる生徒たちがいた。新任教師、秋葉は不登校の生徒の謎を探るうち、その存在に気付くが……。少年犯罪を描いてきた著者の学校ミステリー。 ようこそ。これであなたはガーディアンの一員です。学校でのあなたの身の安全は保証されますーー。 教師や親にはその存在を明かしてはならない、生徒による中学の「自警団」、ガーディアン。 問題のある生徒に制裁を加え、学校の平和を保つーー。 荒れた学校が一転、平穏になった陰には、しかし、不登校をしいられる生徒たちがいた。 新任教師、秋葉は不登校の生徒の謎を探るうち、ガーディアンの存在に気付くが……。 学校の平和を保つのは、教師には不可能なのか。 少年犯罪を見つめてきた人気作家が、教育現場に鋭く切り込む学校ミステリー。
契約件数ワースト記録を更新中の負け犬セールスマン・清水勇介は、飛び込んだ安アパートで小学校時代の旧友である小山田と再会。契約につられて部屋にあがったのも束の間、小山田がラジカセから流したラップは、清水との再会を予言していた。さらに小山田は、八四一年後に世界が終わると言い、それを防ぐ手伝いを清水に迫ってきた! めくりめく展開に一気読み必至の傑作群像ミステリー!
『ブラックペアン1988』から20年。世良雅志、院長就任! 財政破綻した街の超難題は、「救急医療」だった。極北市民病院再建のため世良の改革が次々と繰り出されるが、患者数は激減してしまう。そんななか今中は、雪見市の救急救命センターへの出向を命じられ……。 財政破綻した極北市民病院に、院長としてやってきた世良雅志。病院再建のため次々と繰り出される改革。そんななか今中は、雪見市の救急救命センターへの出向を命じられ……。
”この世、全てのものは毒である”-パラケルスス(1493〜1541) 医学と薬学の不条理に迫る、傑作医療エンタテイメント! 夢の特効薬は、幻なのか? それとも禁断の薬か? 曙医科大学が開発した認知症治療薬「DB-1」は、臨床研究で画期的な成果を上げた。重症患者たちが、ほぼ完全に脳の機能を取り戻したのだ。国際的製薬企業のサニーがいち早く権利獲得に乗り出すが、一人の医師の自殺から浮かび上がったのは、恐るべき計画だった。曙医科大を放逐され、貧乏病院で老医師の代替医として勤める医者探偵・宇賀神晃がその謎に挑む! 【主な登場人物】 宇賀神晃:淀橋診療所勤務。曙医科大学病院の内科医だったが、研究費不正受給を告発し上層部の怒りを買い大学を辞める。大学病院では同僚だった准教授の妻・杏子と娘・あずさとは別居中 脇本新一:曙医科大学脳神経科教授。ノーベル賞級のアルツハイマー特効薬を臨床研究中のエリート。国や企業とのパイプも太い。 明石幹彦:曙医科大学助教。宇賀神とは医学生からの親友。脇本新一の部下だったが手術ミスを起こし自殺する。 新郷美雪:中央新聞社会部の医療担当記者。スクープの為には取材協力者も欺くやり手。長身の美人。 瓦田春奈:病院給食サービス業者最大手の創業者・現会長。お喋りだが行動力もある中年女性。
春夏秋冬と不審死が発覚! 四人の人物がいずれも〈完全犯罪完全指南〉という裏ファイルに従い、物的証拠を残さずに遺恨ある相手を殺害したのだ。警視庁捜査一課・海埜刑事の聴取にも、物証がなければ捕まらないと否認を続ける犯人たちだが、海埜は丹念に真相を探っていく。完全犯罪を目論んだ隠蔽工作の結末は……。『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者だから書けた倒叙ミステリーの快作! 犯人はどこでミスをしたのか!? 『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の 著者だから書けた倒叙ミステリーの快作! 春夏秋冬と不審死が発覚! 四人の人物がいずれも〈完全犯罪完全指南〉という裏ファイルに従い、 物的証拠を残さずに遺恨ある相手を殺害したのだ。 警視庁捜査一課・海埜刑事の聴取にも、 物証がなければ捕まらないと否認を続ける犯人たちだが、 海埜は丹念に真相を探っていく。 完全犯罪を目論んだ隠蔽工作の結末は……
京都・伏見稲荷大社の境内、千本鳥居に吊された四体の遺体が発見された。伏見稲荷の氏子で狐憑きの家筋である樒祈美子は稲荷山の気の乱れを感じ山を巡拝するが、相次ぐ落雷で鳥居が次々に倒れていく。高村皇らの策動を読み取った辻曲彩音たちも稲荷山を目指すが、現れた白狐に行く手を阻まれてしまう。「お稲荷さん」と親しまれ、日本中で進行される稲荷神に秘められた、恐るべき真の姿とは!?
東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。第59回群像新人文学賞受賞作。第155回芥川賞候補作。
最近江戸で「九両強盗」というものが流行っていた。情報は奉行のもとに届くが、盗難届は出ない。「十両以上の盗み」は打ち首、九両なら遠島。ぎりぎりの線を狙った強盗である。しかも、盗みに入るのは繁盛している料理屋ばかりらしい。風烈廻方同心の月也は、沙耶と料理屋を開いて囮捜査をすることに……。 最近江戸で「九両強盗」というものが流行っていた。「らしい」という情報が奉行のもとに届くが、盗難届がない。とはいえ、奉行所としては対応しておきたい事件だった。江戸の刑罰では、「十両以上の盗み」は打ち首である。九両なら遠島。ぎりぎりの線を狙った強盗である。いつか凶悪事件になるかもしれない、ということで、奉行は「雲を掴む」ような事件を月也に命じる。奉行所が調べたところによると、この強盗は「繁盛している飲食店」を狙って月に1,2回強盗をしているらしい。最大で九両。四両くらいのときもあるらしい。売掛金が入るときを狙ってするりと入り込むという手口である。しかし、江戸には料理屋は多い。繁盛している店といっても千軒はある。そこで沙耶が考えたのが、「評判になる店」を自分で作ることであった。沙耶と牡丹を中心として「若衆料理」屋を始めることにしたのである。従来の「若衆茶屋」は、従業員は夜の相手をする。が、沙耶の店は「いい男」を集めた料理屋であった。手軽に若衆が見物できるということで、沙耶の店は一気に話題になる。そのうえで、沙耶たちは「九両強盗」を待ち受けるのだった……。
累計1億部に迫る国民的ミステリー!浅見光彦シリーズ最後の謎。世界遺産・熊野古道の名所、牛馬童子の頭部が斬り落とされ、行方不明になる事件が発生。ほどなく、不動産会社社長・鈴木義弘が大阪天満で殺害される。療養中の軽井沢のセンセに熊野への代参を頼まれた浅見光彦は、大毎新聞の記者・鳥羽と共に、信仰の道が繋ぐ壮大な謎を追う。著者の遺志宿るシリーズ最後の傑作! 「どなたかが僕の代わりに、浅見を事件の終息へと導いてください」 累計1億部に迫る国民的ミステリー! 浅見光彦シリーズ最後の謎。 消えた首、鎌足の呪縛ーー 信仰の道がつなぐ時を超えた悲劇 世界遺産・熊野古道の名所、牛馬童子の頭部が斬り落とされ、 行方不明になる事件が発生。 ほどなく、不動産会社社長・鈴木義弘が大阪天満で殺害される。 療養中の軽井沢のセンセに熊野への代参を頼まれた浅見光彦は、 大毎新聞の記者・鳥羽と共に、信仰の道が繋ぐ壮大な謎を追う。 著者の遺志宿るシリーズ最後の傑作!
殺された鈴木の祖父で、名家の当主義麿が綴ったノートを託された浅見は、事件の核心に迫る記述に引き込まれていく。戦時中の阿武山古墳盗掘疑惑、考古学者同士の対立、新たな殺人ーー。さらなる悲劇を招いたのは、「鎌足の秘宝」なのか? 内田康夫の筆を継ぐ新人が、誰も予想しなかった結末に読者を誘う! 「僕は一度だって華麗に犯人を追い詰めたことなんてなかったよ」 浅見光彦、最後の謎。 『孤道』完結プロジェクト最優秀賞受賞作 殺された鈴木の祖父で、名家の当主義 麿が綴ったノートを託された浅見は、 事件の核心に迫る記述に引き込まれてい く。戦時中の阿武山古墳盗掘疑惑、考古 学者同士の対立、新たな殺人ーー。さら なる悲劇を招いたのは、「鎌足の秘宝」 なのか? 内田康夫の筆を継ぐ新人が、 誰も予想しなかった結末に読者を誘う!