出版社 : 集英社
舞台は南の島。イルカがすむ島として脚光を浴びる巌倉島で、比嘉涼子は、環境保護団体の一員として生態調査に従事していた。そのかたわら環境客向けのドルフィン・スイムなどの世話をしていた。そこに新しいダイバーとして雇われた葛西拓海がやってきた。イケメンの彼は何かとトラブルの元。彼は、かつて潜水中の事故でバディを死なせてから潜れなくなっていたという。そんな折、イルカが数頭、浜に打ち上げられる。原因は不明。そしてシャチの出現!平和だった島に波紋がひろがっていく…。直木賞・山本周五郎賞ダブル受賞から半年、注目のストーリーテラー、最新長編。
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいたー。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。
みのり、31歳、独身。元カレが結婚すると知ったその日から、原因不明のふるえに襲われた。病院でも異常は見つからない。行き着いた先は漢方診療所。独特の視点を持つ東洋医学に戸惑いながらも、自分に何が起きているのか答を探していく、みのり。症状…失恋?ストレスに効くあなたのための処方箋(ストーリー)。第28回すばる文学賞受賞作。
「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫…。大自然と共生し、時に対峙しながら、愛する家族のために闘う彼らの肖像を鮮やかに描き、現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う九編の物語。作家の原点が凝縮された傑作短編集。
貧農の子に生まれた利助(後の博文)は、吉田松陰の「社会に役立たぬ学問は学問にあらず」との教えに開眼。高杉晋作、桂小五郎、坂本竜馬らとの出会いによって自らを成長させていった。イギリス留学などで培った世界的な視野で幕末の激動を乗り切ってゆく。「日本の夜明け」の原動力となった幕末の青年たちの中で、ひときわ異彩を放つ伊藤博文の若き日々。
あたしは目を大きく見開いた。涙が零れそうになるのを我慢してー失恋をきっかけに、OLから銀座のホステスに転身したリュウ。厳しいノルマ、競争、嫉妬、いじめ。罵られ、頬を張られながら銀座のしきたりを学んでいく。深夜になれば、いつも誰かが控室で泣いている。でもあたしは負けない!華やかで、孤独で、悲しい、夜の女たちの闘い。
偉大な思想家の内面を探る旅、堂々の完結。 47歳。『エセー』刊行後のミシェルは17カ月間、国外への旅で見聞と思慮を深めた。独自の文明批評眼で歴史と人間を見つめ続けた偉大なる思想家の魂は、その著と人々の心に残る。(解説・菅野昭正)
ある日、黒崎一護の前に、死神・朽木ルキアがあらわれた!超A級霊媒体質の一護を狙う、虚と呼ばれる悪霊を追ってきたのだ。とばっちりを受けて襲われた家族を救うため、一護はルキアの力を借りて死神となり、虚を消滅させた。しかしその翌日、登校した一護を待っていたのは、尸魂界に帰ったはずのルキアだった。
淳平たち映像研究部のメンバーは、映画撮影のための合宿を行うことになった。部員である東城綾、北大路さつきに加え、ヒロイン役の西野つかさ、なぜかついてきた南戸唯も参加、合宿はなにやら波乱の予感?嵐の中、森の小屋にふたりきりになったり、肝試しでペアになったり、淳平のココロも揺れ動く。ジャンプフェスタで上映された特別編アニメのノベライズ。
中途半端な霊媒能力を持つ女子高生・八重。今回はなぜか、祖母の願い(脅迫?)で、イケメンヒーロー番組のクイズ大会に参加。ところが、それがとんでもない事件の発端に!現れた最強の敵を前に、八重は、十郎はどう戦う?命がけの勝負が始まる!「DEATH NOTE」の小畑健とのコラボによる幽霊ノベル第3弾。八重の秘密が、今明らかに…。
渋谷にバラバラ死体が降ってきた!!死体はすべて行方不明の女子高生。事件当日、「呪われた」という言葉を残し失踪した親友カヤノを探すため、リカは単身、「幽霊ビル」へ!頼れるのは「プラトニックチェーン」にアクセスできるという、奇妙な少女ナルミだけ。ケータイを駆使して女子高生が事件の謎に迫る。
憧れ、初恋、上京、旅立ち…今はコンクリート製だが、かつては粗末な木の橋だった。橋桁がゆるんでいて、人が乗るとふわふわと揺れた。子供たちはゆらゆら橋と呼んだが、大人たちのなかには戻り橋というものもいた。この橋を渡ってからよそから村に来た女は、この橋を渡って村を去っていく。こんな風説が健司の子供のころ、村中でささやかれていたことがあった。健司の脳裏を、去っていった身近な女性たちの顔がよぎる。女の心はゆらゆら揺れない。ゆらゆら揺れるのは男のほう。『コンビニ・ララバイ』から2年半、情感豊かにつづられた“ゆらぎ”の物語。人は一生に何度、恋をすることができるのか。