出版社 : 集英社
合衆国大統領トルーマンの私信には、原爆投下の真相が!?偶然「手紙」を手に入れた元新聞記者・峰先は、かつての恋人とともに、諜報戦の渦中に…。サントリーミステリー大賞作家、渾身のサスペンス。
大学出のブルジョワ令嬢が、しっかり者の母親のいる田舎の家へ嫁いだらどうなるか-これが謎を解くきっかけになりました。嫁姑、夫婦、親子の、本書は関ヶ原の戦より壮絶な家庭内バトルです。「悪女だと誰が決めたのですか」家康正妻築山殿。書き下ろし作品。集英社時代小説。
30歳を前に商社を辞めて転職した。やくざまがいの探偵稼業。それまでの自分は投げだした。なぜこんなことを始めたかも、考えないようにしていた。そして、汚れた都会の罅の間から聞こえてくる人々の呻きに耳を傾け、その声を胸底に深く沈めてきた。女に言われた。街に詩を書いている。人の心が綴る詩を書いている。探偵、浅生。32歳。哀切で情感あふれる北方ハードボイルドの名編。
中学生の息子が同級生に殺された! しかし犯人は少年法で“守られて"いる。やり場のない怒り、長男の死の衝撃で崩壊した家庭…。被害者と加害者の家族の苦悩と、再生を描く力作。(解説・藤田昌司)
検事・風巻やよいが再び京都地検宇治支部へ着任後、残酷な暴行殺人事件が発生。被害者は化粧品会社勤務の女性。容疑がかかった婚約者の母親は「白骨夫人」と呼ばれる女社長で、検察と対峙するが…。
ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦で行われた民族浄化、それにともなう虐殺・拷問を裁く表題作をはじめ、ロンドン警視庁から特命を受けたベテラン刑事が、民間機で金塊強奪犯を護送するさなか、狂信的なテロ組織にハイジャックされる「手錠」、深夜の南フランスの国道で、元傭兵のクリーシィが傷だらけの美女に出会い、一夜をともにする「愛馬グラディエーター」など、冒険小説の巨匠クィネルの魅力が凝縮された初の短編集。全7編を収録。世界に先駆けて、日本から刊行。
柱の陰に誰かいる-フォギーことジャズ・ピアニスト池永希梨子は演奏中奇妙な感覚に襲われる。愛弟子佐知子は、姿も見たという。オリジナル曲フォギーズ・ムードを弾くと、今度は希梨子の前にもはっきりと黒い服の女が現れた。あなた、オルフェウスの音階を知っているとは驚いたわ。謎の女は自分は霧子だと名乗り、そう告げた。混乱した希梨子は、音楽留学でヨーロッパに渡り、1944年にベルリンで行方不明となった祖母・曾根崎霧子ではないかと思い当たる。そしてフォギーは魂の旅へ-。光る猫パパゲーノ、土蔵で鳴り響くオルゴールに導かれて、ナチス支配真っ只中のドイツ神霊音楽協会へとワープする。
坂下薫平19歳。大学の廃寮問題に揺れる一方で、仲間たちのストーカー事件、恋愛騒動等が巻き起こり…。団塊の世代との対立と交流を通し、失われた父親的存在を探す、団塊ジュニアを描く青春長編小説。吉川英治文学新人賞受賞第一作。
知らなかった。祖国を永久に喪失しようとは…「わたしたち、プラハで知り合いになったのでしたね?まだ、わたしのことを憶えていらっしゃる?-もちろん」亡命していた男と女はパリの空港で再会した。まだ若く魅力的な女イレナはパリから、かつてのプレイボーイでもはや初老の獣医ヨゼフはデンマークから、20年ぶりの故郷へ「帰還」する旅だった。そしてそれぞれの故郷に帰っていくふたりを待ち受けていた残酷で哀切極まりない運命とは…。
神々の島、ハワイイに魅せられた人々が夢をつむいだ一軒の屋敷。そこに交差した青春を、ほろにがく回想する入魂の掌編小説。海の写真家、芝田満之の至福の映像とが織りなすファンタジーの世界。
少女がはじめて知った性の喜び。それを鞭で罰する父親、二人を鍵穴からのぞく妹、その後ろに立つ母親。宣教師としてメキシコに渡った文化人類学者は、長女と土地の少年との恋を、キリスト教的立場から厳しく折檻した…。
「赤壁」の後、最強の騎馬軍団と後漢の献帝を擁し、再び天下統一を目指す魏の曹操。周瑜なき後、魯粛、呂蒙と無敵の水軍で江南を固める呉の孫権。荊州に足掛りを得、さらに入蜀を果たす劉備と孔明。天下は三国鼎立の時代へ-戦いの焦点は荊州争奪へと移る。勇将・関羽は北上、魏を攻めるが、非業の戦死を遂げる。そして、乱世の姦雄・魏王曹操を襲う突然の死。呉の社稷の臣・呂蒙も、また。次々と舞台を去ってゆく巨星たち。
人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。その死が僕とカレーを結びつけ、もう一つの死が僕の背中を押した。長く奇妙なその旅に、僕の平穏な生活は丸ごとのみ込まれていった。それでも僕は、カレーライスが大好きだ。カレーライスを作る時、無闇やたらと幸せな気分になることがある。僕らみんなが、何か大きなものに包まれているような気がするのだ。史上初、大盛カレー小説!富士・米国・印度・琉球を縦横無尽、ボリューム満点1300枚。
「プラハの春」から半年後。外交官・堀江亮介は、初恋の人「リョウ」への想いから失語症になったシルビアと再会。言葉を取り戻した少女を「もう逢えない」と突き放す。帰国後結婚した亮介だが、五年後シルビアの住むDDRへ赴任することにー。一方、ソ連崩壊を予測する秘密報告をめぐり東西両陣営では様々な憶測が飛び交っていた。東独を舞台にした国際政治サスペンス、哀切なラブロマンス。
国際的なマヌカンを夢見るシルビアは、亮介との関係からスパイ容疑をかけられ、出国査証を拒否される。やむなく不法に「壁」を越えようとして失敗、将来への希望を絶たれて思い悩む。一方、DDR国家元首ホーネッカーはイデオロギーの引き締めに乗り出すが、歴史の潮流の中でDDR破滅の筋書も確実に動きだしていた。亮介とシルビアの愛のゆくえは?そして「壁」を突き崩す壮大な陰謀とは。
わたしは銀座のホステス。わたしは韓国人。帽子職人だった母が死んだとき、お得意だった斎藤家のお屋敷に最後の帽子を持って行く。斎藤家の一人息子の誠は、わたしの幼なじみだ。その誠からの求婚。しかし彼がわたしの職業と国籍について「口をすべらせるな」と言った瞬間、わたしは誠の“姿”を永遠に見失った。柔らかな心で、現実を見据えた力作。他に短篇6本収録。