出版社 : 集英社
韓国・大邱市の郊外で惨殺された青年の遺品のノート。そこにはキリストの生誕の頃のエルサレムから始まる驚愕の記述があった。真の創造主の存在をも疑わせる神話的秘密、宗教的矛盾、狂信者集団の謎の儀式、鳥肌のたつ恐怖、そして神と人間の間に絶望した若者の彷徨のドラマ。殺人事件を担当する警部補はその記述の魔訶不思議な世界に圧倒されていく。不可思議の宗教サスペンス。韓国の文学賞「今日の作家賞」受賞作。
ある日、ぽっかりと、男の部屋に窓が開いた。その矩形にくりぬかれた風景に誘われて、男の心は自由に駆けめぐる。(「風景」)。時代の流れがあたりの景色を一変させるなか、黙々と仕立屋を営み、泉のように静かな日々を紡ぎ続ける男の密やかな想い(「化粧」)。ほかに「満月」「供物」「祝詞」の3篇をあわせ、市井の人々の哀歓を語って、独自の美的境位と、読む快楽を追求する連作集。すばる文学賞作家の新境地を拓く最新作。
クレア・マロイはよく事件に巻きこまれ、警察もいやがるほど見事に解決してしまう書店の店主。今度も娘のキャロンとともに亡夫の故郷ルイジアナへ、マロイ家の女当主である姑の八十歳の誕生祝いに赴くが、遺言書の発表を前に車椅子ごと沼にはまって当主は死んでしまう。警察は事故死とみるが、クレアは遺言書にからまる殺人事件だとして乗り出した。
幸福の条件とは?パーティーの帰りに、偶然出会った3人のワーキングガール、笙子と美保と絹。長所も短所もまるで違う3人がおりなす、恋と友情とサクセス。(解説・浅野加寿子)
腐敗と堕落を極めるグラドニア国の首都バネッサにある聖女チェレステ孤児院には、伝説の預言があった-昔、院を寄贈した伯爵の娘で10歳のチェレステが、非道な父親が引き起こした惨事で昇天し、その時遺したものだった。時は現代、孤児院のキリスト像がある日突然倒れ、預言の一つが現実となる。さらに孤児が三人、忽然と姿を消す。折しもその時、謎の人物が各国の悪童を集め、普通の反則なら何でもOKという摩訶不思議なストリートサッカー世界選手権を開こうとしていた…。
199×年。世界があのキューバ危機以来の第三次世界大戦勃発の恐怖に直面した。ロシアの国粋主義者と旧ソ連軍の不満分子が手を組み、シベリアの核ミサイル基地を占拠し、アメリカと日本を攻撃するという脅しをかけてきたのだ。米海軍精鋭の原子力潜水艦『アラバマ』に出動の命令が下った。艦長はF・ラムジー大佐(ジーン・ハックマン)、そして新任の副艦長がR・ハンター少佐(デンゼル・ワシントン)。潜行12日目、敵潜水艦と遭遇した『アラバマ』にペンタゴンから命令が送信されてくる。だが、敵の魚雷が船体をかすめて爆発、『アラバマ』の通信設備が作動しなくなってしまった。敵ミサイル基地への攻撃をすべきか、否か。〔即時攻撃〕を主張するラムジー艦長、〔命令の再確認〕を強く求める副艦長のハンター。『アラバマ』の艦内は二派に分裂し、男たちの息づまる戦いが始まった。
「サヨナラ」をするために恋をするわけではないのに…。終わった恋にエンド・マークを打つために、一歩を踏みだした女の子たち。切なくて心に痛い5つのラブ・ストーリー。(解説・阿刀田 高)
バブル経済の崩壊で日本を逃げたひとりの男。彼はマニラのスラムにフィリピン女性と隠れ住む。しかし、望郷の念はつのり、別人になりすまして日本に戻る。日本で小さな旅行代理店を経営する彼のもとには、アジアの様々な国の人間が集まってくる。したたかな彼らに振り回される。二つの国際都市を舞台に、ハードボイルド、ユーモア取り混ぜ、アクションが炸裂する。
彼女には、一度その人柄に触れたら絶対忘れられなくなりそうな気品が備わっていた-青年は、偶然に知り合った女性に突然の恋心を抱いてしまった…。彼女のすべてを知りたいという思いから、自分にしか見えない世界に入りこんでしまう-表題作『虹物語』をはじめ、『いつか浦島』、『きみにかぐや姫』、『身ぐるみシンデレラ』、『プレーオフ』の5作品を収録。
変調社主催の文学賞賞金500万円をあてに、究極の中華料理ツアーを企画する南蝶氏だが-豪華絢爛、抱腹絶倒の世界が織り成す「東瀛の客」、麺なしでは生きられないメンクイの丘君が、美女にゆかりの麺の霊に取り憑かれる「麺妖」、豚足の食べっぷりを白髯の老人に見込まれたなんでふ氏が遭遇する奇妙な世界「猪脚精」、他に「華夏第一楼」「老酒の瓶」「餃子地獄」「画中餅」など、いずれも現実と幻想の世界があやしく交錯する、食通と呑んべえ必読の中華料理小説。
「ジャンプノベル」掲載の2編に大幅加筆修正を加え、新たに書き下ろし1編を収録。漫画では読めないオリジナル・ストーリーで描く、湘北のインターハイへの道。激闘の数々が新たな感動を呼ぶ。