出版社 : 集英社
ジャン・エシュノーズ。’94年代も後半に差しかかろうとしている今、フランスでその存在が最も注目されている気鋭の作家である。’79年に作家デビュー、’83年にはメディシス賞を受賞。トゥーサン、ギベールらとともにフランス文学の次代を担う若手作家の一人として期待されてきたが、’92年発表の本書が本国フランスはおろか、ヨーロッパで30万部を超えるベストセラーとなり、彼は一気にフランス文学の最前線に躍り出た。それから2年、満を持しての日本デビューである。爆発事故の高速道路、大地震の街を抜けて謎の美女と男、そしてぼくは宇宙船に乗り込んだ。引力から解き放された三人は…。
生涯不婚。職をもたず、酒も呑まない。-その男。だが、森の奥に棲む動物の匂いがする。父親の親友であり母親とも微妙な関係にあったその男の、軽やかにも、深い断念をつらぬく生き方を見事に浮び上がらせた表題作ほか2編を収録。
ラグビーのチームメイト・宏樹を狂おしく想い続ける隆之、18歳。20歳の年上のカメラマン・北崎との関係に傷つく都、18歳。それぞれの悩みを共有しながら、ピュアな生を疾走する、みずみずしく切ない青春小説。
ギア復活。ライラから分裂してまで愛を守ろうとした雷羅の戦いもむなしく、冥府に呑まれたエルミアンの魂。その両性具有の身体に、伝説の闇騎士ギアの邪悪な魂が入ったのだ。一瞬のうちにダリの街を破壊するほどの強大な魔力を見せつけられたライラたちの前に、大魔導師デビウスの霊体が現れて、告げる。『ギアがこの子を狙っている』-魔力の強さゆえに崩壊の危機に瀕した肉体を強化し、完全な復活を果たすために、ヴィガの神秘の力を持つヨシュアに目をつけたというのだ…。
悪の秘密結社『ブラック・ハンド』総帥、ビランデルが、刑務所に護送される途中で脱走した。連れ去ったのは、中華色でゲテゲテに飾られた、謎のド派手宇宙船だった。一方ジギーは、逮捕されたはずのビランデルを見かけ、後をつける。しかし、たどり着いた中華料理店で捕まってしまい、奇妙なニンジンを食べさせられた。これには、ボギーを殺害する催眠暗示がプログラムされていた。しかも、24時間以内に暗示を消さないと、一生そのプログラムが残ってしまうのだ…。
イエス様を乗せ、命ずるがままに行く小さなロバのようになりたい。敗戦後、旧満州から帰国。貧困を乗り越えて大学へ進学し、献身的に生きる道を突き進んだ熱血牧師の生涯。(解説・高野斗志美)
イエス様を乗せ、命ずるがままに行く小さなロバのようになりたい。敗戦後、旧満州から帰国。貧困を乗り越えて大学へ進学し、献身的に生きる道を突き進んだ熱血牧師の生涯。(解説・高野斗志美)
流行作家・角田博紀の妻、僚子にある日届けられた豪華な花束。添えられたカードにはふと知り合った男からの愛のメッセージが記されていた。謎めいたその男は、角田が雇った殺し屋だったのだ-。夫の小説と同時進行する妻の危険な恋のゆくえは。やがて起こるいくつもの殺人が物語と現実を引き裂いていく。
本名、不明。年齢、不詳。顔を知る者、ほとんどなし。決して死なないという伝説を持つテロリスト「金髪の不死鳥」。彼は今、ウィナーズランド内陸の平原の街ベンディックにいるという。その首に懸かった桁外れの賞金70万リグレを狙って集まる処刑執行請負業者、通称、黄昏狼たち。偶然、ベンディックにやってきた「処女狼」チームだが、ジェイル以外のメンバーは全く関心を持たなかった。そんなとき、まるで鏡に映したごとくにフレアーそっくりの女性・ブリージットが現れた…。
《ゆるぎなき心》とは、1984年10月8日、ヴェネツィアにおいて結成された秘密結社の名。その目的は幸福の追求…流れる音楽はモーツァルト…メンバーは作家Sをふくむ男性2人、女性3人。冬のパリ、春のヴェネツィア、夏のレ島を経て秋のパリへ、Sなる作家の一年がめぐる。Sはメンバーの女性たちと快楽を追求しつつ、ただ瞬間だけの愛を生きた過去の女たちの記録『赤い手帳』を読む。一方で、ダンテ『神曲』映画化のシナリオ執筆をひきうけているSと、アメリカのプロデューサーとその代理人、日本人女性らとの交渉がはじまる…。文学の21世紀を先取りする小説。