出版社 : 集英社
ひと目惚れ!かくも胸躍らせる言葉があの時代にはあった。60年代のはじめ、場所はロンドン。クリフォード・ウェクスフォード。35歳、美男で独身でお金持ち、美術オークションの大会社レオナルドの実権を握ろうとしている。ヘレン・ラリー。22歳。額縁職人であり、ボッシュばりだが売れない絵を描く画家の娘。地味なドレスながら、有名人やきらびやかな衣装をまとった美女たちのなかでもひときわ輝く美しさ。二人はパーティ会場を抜け出し、甘く激しい一夜を過ごす。やがて、かわいい娘ネルが生まれるが…。
男心はこんなにもろいものなのか、そして女心は…?クリフォードとヘレンをとりまく男と女たち。大富豪の娘アンジー、つぎつぎと変わるクリフォードの愛人たち、ヘレンを愛する美男の黒人私立探偵、ヘレンの両親、クリフォードの両親、ヘレンの再婚相手のサイモン、そのほか大勢の人々が、男と女の心のゆき違いに悩み、傷つき倦みながら、また新しい出会いで人生が変わろうとしている。そして二人の間に生まれた娘ネルは、想像を絶する運命に弄ばれていく。乾いたユーモアと鋭い人間洞察で描くフェイ・ウェルドンの代表作。
僕は、リー・マルコム。ケープ・コッドの近くの小さな町に生まれ育った。家族は、親父のフランク、長兄のポール、次兄のジョーイと僕の4人。あと、大きな雑種犬。母親は、僕が2歳の時に家を出ていったそうだ。僕に野球を教えてくれたのはジョーイだった。親父に話してグローブを買ってもらい、キャッチボールから教えてくれた。ジョーイは、高校卒業後1週間目に、交通事故で死んでしまった。町には草野球チームがあり、ケープ・コッド・リーグという野球連盟に属していた。ある日、僕のチームのコーチで、リーグの副会長をしていたジョー・マレッタに頼まれ、ジュニア・チームの審判を代役でやった。この審判ぶりがマレッタに認められ、僕は、1試合15ドルで、アルバイトでリーグの審判をすることになった。これが、すべての始まりとなった。やがて卒業の時がやってきた。僕は、州立大学へ進学するか、マレッタが教えてくれたフロリダの審判養成学校へいくか迷っていた。誰もが一度は通過しなければならない大人への入口。人生というゲームで出会うさまざまな出来事。アメリカが輝いていた50年代、素晴らしいアメリカ野球の世界を、審判という変わった視点から描く、爽やかな青春小説。
アモーレ化粧品会社に勤めるOL村上加奈子は同僚と共にゴールデンウィークにサンファンからカリブ海を一巡する豪華な船旅と島々の観光を楽しむ「カリブ海クルージング」に出かけた。ツアーのメンバーは加奈子たちと2組の夫婦、商社マン2名、添乗員の一行。客室400の豪華船「サンシャイン」号のクルージングが始まったが、加奈子は妙な胸騒ぎが…。南海の楽園に何かが起こる…。豪華なクルージングに忍びよる殺意。書き下し長編ミステリー。
太平洋戦争が終わって数年、焼け跡の広場で少年たちは三角ベースで遊んでいた。ラジオは「尋ね人」や「リンゴの唄」を流し、ポケットには宝物のような英字ビスケットが入っていた…誰の心にも残る、あの、なつかしい日々をつづった自伝的長篇小説。
父親の死が近づいているのに女優のゆり子は番組に出演しなければならない。録画撮りが始まって、彼女はスタジオのあちこちに時計があることに初めて気づく(時計)。停年の翌日から家の前を掃き出した貞冶が知る町の顔、妻の声(朝の竹箒)。息子のような若い男に恋心を覚えた京子の戸惑い(二足のハイヒール)。日常に溶けこんだ“物”たちを通して浮かびあがる男と女、オトナと子供の様々な人生。
突然ひらめいた旋律を追い掛けていたぼくの右脚に、スリップした車のバンパーがぶつかってきた。それがぼくと静香との出会いだった。それから2年、ぼく達はとても仲の良い夫婦として暮らしていた。でも、魅惑的で謎めいた少女ルルがぼく達の前に現われた時から、少しずつ何かが変わりはじめた。とろけるような音楽、倒錯した性、そしてドラッグ…。新感覚トライアングルLOVE STORY。