出版社 : 集英社
夏の南仏プロヴァンスで、正義とリチャードの宝探しが始まる……! きっかけは、リチャードに母のカトリーヌからメールが届いたことだった。 カトリーヌが正義に会いたがっているという。 どこで正義のことを知ったのかなど、分からないこともあり不審がりつつ、 正義はカトリーヌが夏のヴァカンスで滞在しているという、南仏プロヴァンスの屋敷を訪ねることに。 到着したばかりのリチャードと正義を前に、カトリーヌはゲームをしろと言い出した。 敷地中のどこかある32個の石を探し出せというのだが、 そこには一族の過去にもかかわる秘密が隠されていて……?
あの世とこの世の境にある湯屋・高天原。いつのまにか狗神と結婚させられてしまった凛子が元の世界に戻るには…? ふしぎな温泉郷が舞台の異類婚姻譚! いやなことがあっても、お風呂に入ると癒されるーー。そんな思いで一人、温泉旅行をしていた凛子。ところが気づいたときには、不思議な温泉街で狗神と婚礼をあげたことになっていた! 元の世界に戻るには手切れ金を貯めて離縁しなければならないと言われ、夫である狗神・京之介が営む湯屋で下働きをすることに。様々なあやかしが訪れる湯屋・高天原には凛子のほかにもう一人「生きている人間」沙世がいて、彼女も元の世界に戻るために働いているというのだが…?
審査委員が、惚れこんだ! 2018年度ノベル大賞 大賞受賞作。 この町で自分の名を知る者はどれくらいいるのだろう。 青井東仙(あおいとうせん)は十一歳のとき貧しさから逃れるように家を出て、 江戸で偶然出会った絵師・松山翠月(まつやますいげつ)に才能を見出され、弟子となった。 しかし、夜具も食事も着物も与えられ満たされた暮らしに次第に創作意欲をなくして破門されてしまうーー。 才能に溺れ、落ちぶれた絵師が再起をかける、大江戸人情譚! 闇と現が隣り合わせの江戸で、東仙は再び夢を描く…。 墨色の猫 古井戸の月 松に蝉 寒椿 の四編を収録。 四季折々の江戸。 そこに生きる人々が、鮮やかに動き出す! 足掻き、それでも進んでいく絵師の再生を通じ あたたかな江戸の日常を描く 新・時代小説!!
人生猫あればラクあり!? 人気作家陣が描く、どこかにあるかもしれない猫と誰かの日々を5編収録! 猫専用の洋裁店を訪ねてくる猫たちの交流と、それぞれが選ぶ生き方(かたやま和華「猫町洋裁店」)。 「NO」と言えない地味な女性が出会った、ある小料理屋の『見えるひとにしか見えない』看板猫(水島忍「猫又の小料理屋さん」)。 イケメンで有能な同期から、海外出張の間、猫の世話をしてほしいと頼まれたOL(毛利志生子「七匹もいる!」)。 愛猫家の店長が営むカフェに通う、お嬢様が初めてのバイトに挑戦した結果…?(秋杜フユ「Cafeトラ猫のマスターは猫を愛しすぎている」)。 元捨て猫と、彼女にまつわる「ありがとう」の物語(前田珠子「ありがとう」)。
塾講師の仕事も婚活もドン詰まりな春見順子(31歳)。親の期待に応えようとガリ勉づくしの青春時代を送り、東大受験をしたが失敗し、その後もパッとしない生活を送ってきた。そんな彼女の前にピンクの頭をした不良高校生・由利匡平が突如現れ「俺を、東大に入れてくんない?」と言ってきたその日から、順子の人生が大激変!?ドラマ化決定!大人気コミックを小説で!
日本新報記者・南康祐に、大手IT企業が不正献金をしているという政治家リストがメールで届く。真実なら政界を揺るがす大事件だが、送信者に心当たりがない。甲府支局時代に誤報を飛ばし、会社を窮地に陥れた過去がある身として、慎重にならざるを得ない。だが、本社に戻った今、特ダネを物にしたい思いは募り…。一通のメールから政治の闇を炙り出して行く記者が掴んだ真相とは!傑作事件小説。
会社員の小柴は、毎年2月に釧路へ旅行し、行方不明の恋人ゆみを探している。今年も『SL冬の湿原号』に乗り、乗客を丹念に撮影。レンタカーに戻ると見知らぬ女の死体があり、容疑がかかる。7年前ゆみの失踪時も疑われた過去があった。小柴と同級生の十津川警部は、彼の写真を手がかりに捜査を始め、3Dカメラ開発が絡んでいると…。人気のSLが走る釧網本線を舞台に描く長編旅情ミステリー。
幕末、文久元年の大坂。弥吉は河内から、緒方洪庵の適塾を目指し市中に出る。尊王攘夷思想に染まった彼は村の仲間から洪庵の暗殺を任じられていた。しかし、潜入した適塾で、自らを顧みず患者のために尽くす洪庵に接するうち、弥吉の心に迷いが生じる。故郷の仲間の無謀な決起を知り、弥吉がとった行動は。動乱の世に懊悩しつつも自らの信じる道を歩まんとする若者を活写した、鮮烈なる時代小説。
「同世代と会うと、つい病気自慢大会になっちゃう」そんなお父さん。「風邪くらいで休めないのは私も同じよ!」とお母さん。「眠剤効かねえマジ病む」と娘さん。それぞれ事情もおありでしょうが、皆さんいったん落ち着いて、この本読んでみて。元医師による本格的な医療ものから、短編の名手による不条理ものまで、本当に面白いですから。えっ症状は良くならない?それは病院に行ってください。
オレが通う高校は、いわゆる「底辺校」だ。偏差値は下位だけど、女生徒のスカート丈の短さだけが最上位にランクしている。平凡なオレは、ひょんなことから番長へとまつりあげられ、国籍不明の友人2人が常に脇を固め、同級生に恐れられていた。ある日、初恋の純子が慶應大学を目指すという話を耳にし、甘いキャンパスライフを夢見て、オレの高校生活は一変!笑えて、最後に熱い涙がこみ上げてくる痛快青春小説。
東京浅草。診療所の医師・真野麟太郎は、大先生と呼ばれ近所の人々に慕われている。ある日、手首を切った女子高生・麻世が治療にやってくる。麻世の心の傷を知った麟太郎は、一緒に暮らすことを提案。麻世は、家事をすることを条件に同居人になるが…。虐待、認知症、癌など、診療所に持ち込まれる病気や患者の問題に、真摯に向き合う医師と型破りな女子高生が織りなす切なくて温かい下町物語。
健全な国土のため、地縛霊を説得して立ち退かせるのが専門の幽冥推進課で、臨時職員として働く夕霞。過疎の村に一人残る老人が抱える未練や、就活に失敗した女子学生にとり憑いた恐ろしい死神など、難題が続く業務に体当たりで取り組む夕霞だが、相棒の火車先輩が妖怪としての力を失い、消滅の危機が迫って!?この国に暮らす人々が遺した想いを描く、笑えて泣ける心霊お仕事コメディ第3弾!
私立金田大学は、留年も中退もお咎めなしのおおらかな大学だ。そんな大学に通う社本勇の所属サークルは、メンバーがやめてしまうことで有名だった。そして、中退したクセの強いOBたちが部室を訪れ、お酒片手に語りまくる。そこに寝泊まりする勇は常に睡眠不足。勇がサークルで出会った後輩との初恋に浮かれる裏で、中退者たちはある画策をするのだがー。ラストまで目が離せないブラック“サークル”コメディ!
25年前に起きたホテル爆破事件。その救出劇で一躍、国民的な英雄となった“少佐”を、取材することになったテレビ局リポーターのケーラ。彼女には、3年前に隠遁した彼を公衆の面前に引き出す、ある秘密があった。晴れて取材は成功。しかし、その直後、二人は銃撃される。少佐の息子、ジョンは拉致するようにしてケーラを保護し、銃撃事件の真相を追おうとするが…。興奮度MAXのサスペンス!
「力の大会」が終わり、さらなる高みを目指して修行に明け暮れていた悟空とベジータ。ある日、地獄から舞い戻ってきたフリーザが、謎のサイヤ人を連れて現れる。彼の名は「ブロリー」。3人のサイヤ人の壮絶など迫力バトルが今、ここに幕を開けるーー!!
卒業まで関わりたくなかったはずの人間が、いつのまにか、毎日会いたい人になるなんて! 未来浅草高校に通う兼古緑(かねこみどり)と荻原楯(おぎはらたて)。学年や男女の垣根を超えて多くのファンを持つ楯と、緑は高校二年で同じクラスになるが、楯に対していけすかない印象を持つ。それは、彼の周りには常に誰かがいて、愛されるのが当然のような存在だから。彼を見ていると自分の劣等感を刺激するので、なるべく距離を置くようにしていた。そして持ち上がりで三年になったのだが、ある日、長期病欠していた楯の家に担任の使いで訪れることになり、いやいやながら向かった緑なのだがーー。 未来東京に生きる二人の男子高校生の、じれったいほど凸凹で、照れくさくなるほどピュアな恋の軌跡。 ーーカバーイラスト 紀伊カンナーー 【著者略歴】 雪舟えま(ゆきふね・えま) 1974年札幌市生まれ、帯広市在住。作家、歌人。歌集に『たんぽるぽる』『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』、小説に『タラチネ・ドリーム・マイン』『バージンパンケーキ国分寺』『プラトニック・プラネッツ』『幸せになりやがれ』『恋シタイヨウ系』『凍土二人行黒スープ付き』『パラダイスィー8』『ナニュークたちの星座』、現代語訳書に『BLセレクション1 竹取物語 伊勢物語』がある。
直木賞受賞第一作! すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。 「あなたは知らない」……私を「きちんと」愛してくれる婚約者が帰ってくる前に、浅野さんと無理やり身体を離して自宅までタクシーでとばす夜明け。ただひたすらに「この人」が欲しいなんて、これまでの人生で経験したことがない。 「俺だけが知らない」……月に一、二回会う関係の瞳さんは、家に男の人がいる。絶対に俺を傷つけない、優しく笑うだけの彼女を前にすると、女の人はどれくらい浮気相手に優しいものなのか、思考がとまる。 同じ部屋で同じ時を過ごしていながら、絶望的なまでに違う二人の心をそれぞれの視点から描いた1対の作品。他の収録作品に「足跡」「蛇猫奇譚」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」など。 【著者略歴】 島本理生(しまもと・りお) 1983年生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。2018年『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞受賞。『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『よだかの片想い』『イノセント』『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』など著書多数。
堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。 そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。 放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。 爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕! 【著者プロフィール】 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ) 1978年岐阜県生まれ。大学卒業後、書店員勤務の傍ら小説を執筆。 2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門) 奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。 2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。 2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。 『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ三つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。
昭和八年、東京。 江戸歌舞伎の大作者、三代目桜木治助の孫でありながら現在は早稲田大学に奉職する桜木治郎は、その知識と確かな審美眼で歌舞伎役者や裏方から厚い信頼を集めていた。 四月。築地小劇場で女優となった親戚の娘・澪子の行く末を案じる実家からの懇願により、木挽座で陸軍軍人・磯田との見合いの席が設けられる。舞台では歌舞伎界の「女帝」荻野沢之丞が見事に舞う中、澪子は真向いの席の男女に、ある違和感を抱いた。 翌日、木挽座そばで男女の惨殺死体が発見される。遺体は右翼結社「征西会」大幹部・小宮山正憲と芸妓の照世美だった。二人が最後に目撃された木挽座を捜索するため、治郎は警察から協力を要請され、事件に巻き込まれていく。 澪子もまた、自身が目撃した二人の奇妙な様子を治郎と磯田に打ち明け、それぞれの立場から事件の真相に迫っていくことにーー。 戦争へと歴史の歯車が大きく動いた昭和八年を鮮烈に描き出す、圧巻の歌舞伎ミステリー! 【著者略歴】 松井今朝子 まつい・けさこ 1953年京都市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了。 歌舞伎の企画制作に携わった後、故・武智鉄二氏に師事し、歌舞伎の脚色・演出を手掛ける。 1997年『東洲しゃらくさし』で小説デビュー。同年『仲蔵狂乱』で時代小説大賞、2007年『吉原手引き草』で直木賞を受賞。 『師父の遺言』『縁は異なもの 麹町常楽庵 月並の記』『料理通異聞』など著書多数。