出版社 : 集英社
草原に生まれ、大地を駈け、かつてない規模の国を築いたチンギス・カンが、最後の戦場に立つ。 圧巻の最終章! チンギスは病床にある長子ジョチのもとを訪れたのち、草原へと向かう帰還の途につく。西夏領内に入ったチンギスは、ある城にただならぬ気配を感じた。それは黒水城と呼ばれ、砂漠に囲まれており、ウキという謎の人物が主とされていた。一方、チンギスから受けた傷を山中で癒すマルガーシに、カルアシンから見事な剣が手渡される。贈り主は明かされなかったが、マルガーシは戦に向けて隊の修練を重ねていく。アウラガの宮殿に戻ったチンギスは、ソルタホーンから国を揺るがす一大事を告げられた。突如生じた戦いに、チンギスは将軍だけでなくボオルチュも帯同させるーー。 「チンギス紀」全17巻、ついに完結。 【著者略歴】 北方謙三(きたかた けんぞう) 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』(全15巻)で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章。16年「大水滸伝」シリーズ(全51巻)で第64回菊池寛賞を受賞。『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)ほか、著書多数。
週刊ヤングジャンプの大人気作品『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』初のノベライズ作品が登場! 恋太郎が24時間で彼女たちと個別デートしたり、記憶喪失になったり、さらには凪乃が宇宙人に乗っ取られたり、巨大ロボットが襲来してみんなで立ち向かったりと、小説でしか読めないエピソードが満載! さらにカバー、ピンナップ、挿絵は野澤先生描き下ろしという必見の内容です!
芥川賞受賞第一作。 公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。 郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。「じんしんばいばい」と感じたから。友人には欠席の真意を伝えられずにいて……結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。 【著者略歴】 高瀬隼子(たかせ・じゅんこ) 1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。2021年『水たまりで息をする』で第165回芥川賞候補に。2022年『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川賞を受賞。
TVアニメ化も決定!「週刊少年ジャンプ」連載中の大人気諜報家族コメディが初の小説化! 中学時代の凶一郎が活躍したり、四怨と嫌五がプロゲーマーのスパイと対決したり、六美と七悪が料理選手権に出場したりなどなど、小説でしか読むことのできない物語を全5編収録! さらに、カバーイラスト、両面ピンナップ、挿絵は権平先生描き下ろしという豪華仕様です! 【目次】 生徒会長・夜桜凶一郎 マジカル四怨のコスプレ大作戦 スパイ料理選手権 ドキドキ★お化け屋敷への潜入! 殺香の夜桜さんち観察日記 【著者略歴】 権平ひつじ(ごんだいら・ひつじ) 第43回JUMPトレジャー新人漫画賞にて『IBIS』で佳作受賞。2019年より「週刊少年ジャンプ」にて『夜桜さんちの大作戦』連載。そのほかの作品に『ポロの留学記』など。 電気泳動(でんき・えいどう) 第7回ジャンプホラー小説大賞にて『今週の死亡者を発表します』で銀賞受賞。
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。 「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…! 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。 謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。 『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 【リバーシブル・カバー仕様】 恩田陸によるミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』作中で、幻の作家・飯合梓の唯一の著作として登場する『夜果つるところ』。 『鈍色〜』の核となる小説を完全単行本化した本書のカバー、恩田陸版/飯合梓版を自由にかけかえ可能なリバーシブル仕様でお届けします! 【著者略歴】 恩田陸(おんだ・りく) 1964年生まれ、宮城県出身。92年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に選出された『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞と本屋大賞を受賞。ミステリ、ホラー、SFなど、ジャンルを越えて多彩な執筆活動を展開する。他の著書に、『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』『愚かな薔薇』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』など多数。
あなたを知ることは、あなたという人を選んだわたしを知ること。 多民族国家の生きた声を掬う在豪作家が贈る、力強くみずみずしい《越境青春小説》。 父の転勤にともない12歳でオーストラリアに移住し、現地の大学生となった安藤真人。憧れていたはずの演劇の道ではなく就職を選ぼうとしていたところ、デザイン科でマリオネットを制作しているアビーと出会い、人形劇の世界に誘われる。日本人としてのアイデンティティの問題に苦しんできた真人のように、「同じアルメニア人と結婚を」と刷り込まれてきたアビーもまた、出自について葛藤を抱えていた。互いを知りたい、相手に触れたい。しかし、境遇が似通うからこそ、抱える背景の微妙な差が、猛烈な「分かりあえなさ」を生み……。 話題の既刊『Masato』『Matt』につらなる、「アンドウマサト三部作」最終章! 【著者略歴】 岩城けい(いわき・けい) 1971年大阪府生まれ。大学卒業後、オーストラリアに渡り就職。2013年に『さようなら、オレンジ』で太宰治賞を受賞しデビュー。14年に同作で大江健三郎賞、17年に『Masato』で坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に『ジャパン・トリップ』『Matt』『サンクチュアリ』『サウンド・ポスト』がある。
きっかけはファウルフライ。いったいなんの因果で、何事も起らない筈の世界にこうも様々な面倒が次から次に生れるのか。母に連れられていったお屋敷で、朱音と朱里という二人の神秘的な姉妹に出会った。母はなぜ「俺」を姉妹に会わせたのか。それは、母の姉である福子から聞いた、自分の出生にまつわる信じられないような秘密と、朱音たちの母の故郷である「流れる島」にまつわる悲しい神話に結びついていたー。
1999年。ひとりの男がエジプトを発った。ホル・ホース……。かつて〈DIO〉の配下であり、〈皇帝〉と呼ばれたスタンド使い。 現在、探偵業を営む彼の目的は、〈DIO〉が飼っていた一羽の鳥だった。 ボインゴの予知が示した地・日本へ向かったホル・ホースは、ひとりの少年、東方仗助と出会うことになるーー。 これは、なくしたものを探し求めている者たちの物語である。 『恥知らずのパープルヘイズ』の上遠野浩平先生が描く、ジョジョ第3部と第4部の狭間の物語!! カバーイラストは荒木飛呂彦先生描きおろし!!
2023年6月16日に日本全国劇場で公開&Netflix全世界配信の、『ブラッククローバー』初の劇場版を最速ノベライズ! 原作では明かされなかった魔法帝の物語。 復活した4人の最凶の魔法帝と「帝剣」、彼らの目的は王国の破壊ーー。 クローバー王国最大の危機にアスタは。そして、アスタが夢見る魔法帝とはーー。 魔法帝への道を歩むアスタの前に現れたのは、最凶と恐れられ封印されていた先代魔法帝コンラートと3人の歴代魔法帝。 「帝剣」と共に復活した彼らの目的はクローバー王国の殲滅。 「魔法帝を夢見る少年」VS「歴代魔法帝」。 魔法帝を巡り、全魔法騎士団を巻き込んだ激闘が開始されたーー! 原作・総監修・キャラクター原案を田畠裕基がつとめる劇場版を、映画脚本をつとめたジョニー音田本人がノベライズ! 映画視聴者も必見の一冊!
「今から一年後、あなたは婚約破棄されます」 公爵令嬢アスタリスクはある日突然、平民の男ギャレットから婚約破棄を予言される。 最初は信じないアスタリスク。 だが、ギャレットの予言通りに婚約者の第二王子フラットと男爵令嬢フィーネが親密になっていくことに驚き、信じることを決めた。 バッドエンドを回避するべく会うようになる二人。気が付けば、ギャレットはアスタリスクの「専属執事」と呼ばれるように。 そして、迎えた婚約破棄の日。 二人は万全の準備で「いべんと」に挑むが、果たして……? 「悪役令嬢」×「専属執事」 身分違いの恋の行方はいかに!?
転生先はーー未プレイの乙女ゲーム!? 平凡な子爵令嬢エルナは、学園の入学式に乙女ゲーム「虹色パラダイス」の世界に転生したと気付く。 だが「虹パラ」をプレイしたことがないエルナの持つ情報は、パッケージイラストと友人の感想のみ。 地味で平穏に暮らしたいのに、現実はままならない。 ヒロインらしき美少女と親友になり、メイン攻略対象らしき美貌の王子に「名前を呼んでほしい」と追いかけられ、周囲の嫉妬をかわす日々。 果てはエルナが刺繍したハンカチを巡って、誘拐騒動に巻き込まれ!? 刺繍好きの平凡令嬢×美しすぎる鈍感王子の焦れ焦れラブファンタジー、開幕!!
ーー私が大聖女だなんて、嘘でしょう? 大聖女が司る大時計台が崇められる世界。 公爵令嬢ヴェロニカは今代の大聖女に認められ「大聖女候補」として、大嫌いな王太子デレックと婚約することに。 婚約解消の条件は、十八歳までに大聖女の能力を開花させること。 幼馴染エドゼルの協力のもと日々努力するが、うまくいかない。 そんな中、男爵令嬢フローラが本当の大聖女であり、エドゼルと婚約するとの噂を耳にする。 途方に暮れるヴェロニカ。 だが、十八歳目前の学園卒業パーティで、デレックから突然告げられる。 「お前との婚約を破棄する!」 新たな運命の歯車が回り出すーー!
転生して孤児となり、崖っぷちの中で生きてきた少女・ナイ。 ある日、彼女は聖女に選ばれ、二度目の人生が一変することになる。 後ろ盾となった公爵の計らいで、貴族の子女が多く通う王立学院の入試を受け、見事合格したナイは、何故か普通科ではなく、特進科に進むことに! そのクラスにいるのは、王子さまに公爵令嬢、近衛騎士団長の息子など高位貴族の子女ばかりで…!ここは乙女ゲームの世界ですか!? と困惑するナイだが、もう一人の特進科に入った平民の少女が、王子たちを「攻略」し始めて…!? 婚約者のいる貴族との許されざる恋に、クラスは徐々に修羅場と化し、愛しい幼なじみ達と平和に暮らしたいナイにとっては大迷惑で…。 乙女ゲームのような世界に“転生者”が二人いる!?トラブルだらけの乙女ゲー異世界学園生活!
「会社の不利益になる人間を採る」 不当な辞令に憤る人事部採用チームの小野は、会社への密かな復讐を始めるーー。 (株)Kエンジニアリングの人事部で働く小野は、不当な辞令への恨みから、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う。彼女が導き出した選考方法は、顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶというものだった。自身が辿り着いた評価軸をもとに業務に邁進していくが、黄金比の「縁」が手繰り寄せたのは、会社の思わぬ真実だった……。 ボディ・ビルを描いた『我が友、スミス』で鮮烈なデビューを果たした著者が、本作では「就活」に隠された人間の本音を鋭く描く! 【著者プロフィール】 石田夏穂(いしだ・かほ) 1991年埼玉県生まれ。東京工業大学工学部卒。2021年「我が友、スミス」が第45回すばる文学賞佳作となり、デビュー。同作は第166回芥川龍之介賞候補にもなる。他の著書に『ケチる貴方』がある。
憲法は改正され、20歳以上の国民から合計1000人の「国民議員」がランダムに選出され、総理大臣は直接選挙で選ばれる。議会はオンラインで行われ、年間報酬500万円、任期は4年。議員活動は全てオープンになり、国民は常に確認、監視できるようになっていた。突然議員に選ばれた大学生の混乱、議員の不正を監視する機関の危うさ、一気に権限が大きくなった官僚…そして、現首相と旧体制に固執する現都知事らの政権争いの行方は。
謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。 撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜〜』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜〜』を読み返した梢は、ある違和感を覚えてーー 【著者略歴】 恩田陸(おんだ・りく) 一九六四年生まれ、宮城県出身。九二年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に選出された『六番目の小夜子』でデビュー。二〇〇五年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、〇六年『ユージニア』で日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、〇七年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、一七年『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞と本屋大賞を受賞。ミステリ、ホラー、SFなど、ジャンルを越えて多彩な執筆活動を展開する。他の著書に、『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』『愚かな薔薇』『なんとかしなくちゃ。青雲編』など多数。
1983年5月、『優しいサヨクのための嬉遊曲』から40年。 いつまでも自分が主役だと思うなよ。 毀誉褒貶を顧みない作風で時代を駆け抜けた作家による、 デビュー40周年記念の自伝的父子小説。 第一部「父親の変わり身」 第二部「親バカでない親はいない」 第三部「運命なんて愛したくない」 第四部「後のことはおまえに任せた」 時は1991年、島田雅彦30歳。バブルは崩壊したとは言え、執筆の他にも世界中を旅する仕事が続く中、妻の妊娠が判明する。夫は、子育てに適した新居を探し、子どもの名前を考える。「永遠に実現しない希望」を意味する弥勒菩薩からミロクと名付け、生後間もない頃から世界中へと連れ回し、家族の記憶はいつも旅の記憶。自由奔放に子どもを育てたいと思いながらも、お受験へ。入園式当日に朝帰りをしたのは、父だったからか、作家だったからか。息子が生まれ、世界が一変したはずの作家による自伝的父子小説。 【著者略歴】 1961年3月、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。在学中の83年に『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、08年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞、16年『虚人の星』で毎日出版文化賞、19年『君が異端だった頃』で読売文学賞〔小説賞〕を受賞。主な著書に『徒然王子』『悪貨』『英雄はそこにいる』『傾国子女』『ニッチを探して』『暗黒寓話集』『カタストロフ・マニア』『人類最年長』『スノードロップ』『スーパーエンジェル』『パンとサーカス』など多数。 現在、法政大学国際文化学部教授。