出版社 : 青弓社
抑圧された環境下でも協働して人間らしく生き延びようとしたアフリカン・アメリカンの歴史を、児童文学を手がかりにしてたどる。奴隷制度や人種差別の痛苦を描きながらも、そこから逆説的に浮かび上がる命の強さに焦点を当て、現代を生きる子どもに新たな視点と励ましを与える児童文学のポテンシャルを描き出す。
惑星アトランタに住む少女ラーラは、宇宙ヨットレース中に遭難。銀河辺境にはじき飛ばされた。救助を待つ間、近くにあった地球表面に降りて少年・少女と交流する。アトランタ星の科学力を使って自分を地球人であるかのように錯覚させながら、「外国人留学生」として日本の高校生活を体験した。淡い恋や友情を重ねたひと夏の貴重な経験を経て宇宙へと帰っていくラーラ。「あれ?ラーラっていたよね?何だったんだろう」一九七〇年代の社会状況描写とSFが交わるファンタジー。
生きる勇気と知恵、豊かな感性を養うヒントにあふれた童話・児童文学100作品をピックアップ。「想像力」「家族」「友達」「勇気」などのジャンルから、幼年ー低学年、中学年、高学年と年齢に合った読みたい/読ませたい童話作品がすぐに見つかる楽しいガイド。
ホームズという未解決事件を解き明かせ!事件簿に登場する「ソア橋」の難問や「マザリンの宝石」に迫り、ホームズの聖地であるスイスを巡礼し、ボーイスカウトや当時の首相などの文化・政治状況にも言及して、いまもなお多くの謎に包まれているホームズの不思議な世界を深く読み込む。
書きたい気持ちが童話を生み出す力になる! アイデアの出し方や登場人物の描き分け、ストーリーの進め方などを、名作童話や小説、コントなどを具体例にして解説し、童話を組み立てるためのコツを余すところなくふんだんに伝授する。さあ、童話を書こう! まえがき 第1章 人称と文体 旅立ち 一人称と三人称 敬体と常体 第2章 アイデアは無限に 身近なものから 客と噺家 歌詞もメロディーも 一枚の絵 ヘンリー・ダーガー マリー・ローランサン 第3章 登場人物の魅力 個性をはっきり 性格を活用 キャラクターの奥行き 相関関係 第4章 背景の設定 舞台背景と時代背景 生活背景 異世界と現実世界 第5章 構成と構造 起承転結 三つの“リ” 枠のなか 第6章 ストーリーの進め方 展開法と帰納法 話の続き プロップのカード 第7章 小道具の活用法 パイプにリンゴに塗り薬 銃と帽子とカーネーション 白テン・トランク・録音機 ウサギの着ぐるみ・ぬいぐるみ 第8章 タイトルのつけ方 タイトル グレード 連作 第9章 パロディーとオマージュ 『ふたりのロッテ』 「蜘蛛の糸」 『シンデレラ』 『椿姫』 第10章 テーマとラスト テーマは背骨 ラストの余韻 楽園に あとがき
事件簿の奥の奥まで読み込み、その背景にある歴史や文化を語り尽くす。さらに、事件簿の地を訪ね、映像作品で名探偵の活躍を堪能。新しい発見と論旨に基づく項目でホームズの世界の醍醐味を解説する、物語をますます楽しむための事典。
事件簿と事件簿を照合して矛盾を解明し、事件簿当時のイギリスの歴史・地理・文化・社会状況に合致しているかどうかを検証して既存のホームズ学のミスも正した103項目を解説する。
イギリスで名探偵の推理を推理する!古都ウインチェスターで発生した三つの事件現場に足を運んで「ソア橋」の真相に迫り、「椈屋敷」の場所を探し出し、消えた競走馬を追って、最初の事件の屋敷を推定する記録簿。
村上春樹の主要作品のうち『ノルウェイの森』と『ねじまき鳥クロニクル』を取り上げ、2つの物語に私たちが生きている現実世界の痕跡を読み取っていく。記憶・他者・身体というキーワードから、恐怖に満ちたこの世界を生き延びるスタイルを模索する。 物語をめぐる物語、としての小説 第1部 記憶・他者・身体ーー『ノルウェイの森』と自己物語の困難 序 章 自己物語の氾濫/困難 第1章 想起(の物語)の失敗 1 記憶のための物語/証言のための物語 2 共有された死者の記憶 3 物語の座礁と語りの再編成 4 第一の企図の放棄 5 物語の破綻と残された問い 第2章 身体/他者ーー自己物語とそのさまざまな困難 1 自己物語の困難 2 他者とともにあることの困難ーー「永沢」と「ハツミ」 3 身体を生きることの困難ーー「レイコ」 4 重要な共演者の死 第3章 「直子」--沈黙する身体 1 病いの語り 2 行き違う物語 3 「再入場への恐れ」と「待望者」の誤謬 4 神話化する身体/夢想化する記憶 5 証言の失敗 第4章 「緑」--語り続ける身体 1 語り手としての「緑」 2 物語を受け取ることの困難 3 作り話、あるいは嘘つきの戦略 4 境界画定のゲーム 5 コンティンジェント・セルフ 終 章 忘却の忘却としての物語 1 生存の論理/死者の物語 2 忘却としての語り直し 3 ループする語り 4 浮上し続けるものとの闘い 第2部 災厄の痕跡ーー日常性をめぐる問いとしての『ねじまき鳥クロニクル』 序 章 日常性への問い 第1章 他者の同一性=正体をめぐる物語 1 他者の徴候ーー「泥棒かささぎ編」 2 横滑りする問いーー「予言する鳥編」 3 他者に物語(名)を与える物語ーー「鳥刺し男編」 4 他者性の寓意としての「電話の女」 5 他者の行方 第2章 偶発的身体 1 身体が呼び起こす物語 2 身体とその二つの状態 3 身体をめぐる権力とその二つの顔 4 変身 5 闘争の二つの文法 6 身体・権力・日常性 第3章 飽和する記憶 1 戦後の物語/戦時の記憶 2 挿入される戦場の記憶 3 戦時の記憶とその両義性 4 無の贈与/記憶の贈与 5 開かれた物語/飽和する記憶 6 時を損なう者/時を繕う者 7 可能なる起源 8 〈起源〉への降下 9 記憶/時間/生命 10 災厄の記憶と再生への賭け 終 章 恐怖の持続 そして、物語は続く あとがき
作者コナン=ドイルの生誕150年を迎え人気が高まっている名探偵シャーロック・ホームズ。ホームズを愛してやまないシャーロキアンたちが「ライヘンバッハの滝」「レストレード警部」など、101の項目からホームズ学の世界へと誘う魅惑の最新キーワード事典。
ホームズよりも、実はワトスンの方がヒーロー?! 犯罪の謎解き、ホームズとワトスンの友情物語、心理小説、などいくつもの醍醐味を楽しむことができ、19世紀末から20世紀初頭のイギリスの社会史・文化史も身につく教養小説としてのホームズ物語を精読する。 まえがき 第1章 偉大なる変人、シャーロック・ホームズ 1 ホームズとワトスンの幸運な出会い 2 ホームズの非凡な観察力と推理力 3 ホームズの知識 4 ホームズと化学実験 5 非情な真理探究者ホームズ 6 性格の二面性 7 演出家兼俳優ホームズ 8 ホームズの優越感 9 ホームズの誠実さ 10 ホームズの情熱 11 ホームズの腕力 12 そのほかの側面 第2章 ホームズを超えるヒーロー、ワトスン 1 ワトスンこそ真のヒーロー 2 ホームズの名パートナー 3 医師としてのワトスン 4 ワトスンの文学的才能 5 ワトスンの「空間/数的」能力 6 ワトスンと女性 7 ワトスンの性格・特徴 8 ワトスンの負傷 9 ワトスンの洗礼名 10 ワトスンの生い立ち 第3章 ホームズ物語に出てくる繊維製品とファッション 1 イギリスの繊維産業の推移と主な繊維製品 1・1 毛織物 1・2 絹織物 1・3 毛皮と革 1・4 植物性繊維の織物 2 ホームズ物語に出てくる男性のファッション 2・1 フロックコート 2・2 モーニングコート 2・3 正装・夜会服 2・4 略式礼服 2・5 スーツ 2・6 チョッキ 2・7 ズボン 2・8 シャツ、カラー、カフス 2・9 ネクタイ 2・10 靴下 2・11 ゲートル・スパッツ 2・12 靴、スリッパ 2・13 帽子 2・14 手袋 2・15 コート類 2・16 ガウン、部屋着 2・17 その他のファッション 3 ホームズ物語に出てくる女性のファッション 3・1 ドレス類 3・2 マント・コート類 3・3 襟巻き・肩掛け類 3・4 靴 3・5 帽子 3・6 ヴェール 3・7 手袋 第4章 ロンドン同時多発テロをホームズが推理する 1 事件の概要 2 ホームズの助言1 3 ホームズの助言2 4 ホームズの助言3 5 ホームズの助言4 6 些細なものの重要性ーーホームズの信条 7 ホームズの見解ーー事件の真相 8 エピローグ 第5章 パスティーシューー消えた軍艦 1 シャーロック・ホームズの助言 1・1 ヴィラール、ホームズを訪ねる 1・2 ヴィラール、事件の詳細を語る 1・3 ホームズ、ヴィラールに助言する 2 ヴィラールの報告 2・1 ヴィラール、シンガポールへ乗り込む 2・2 ヴィラール、積み荷の搬入ルートを調べる 2・3 ヴィラール、事件の核心をつかむ 3 ホームズの推理 4 事件の真相 【付録】 現在、書店で手に入るホームズ全集[二〇〇八年春現在] あとがき
蔵書印を押して所有欲を満たす男は彼女の体にもベタベタと…、債権者に追われた社長は本の一ページに刷り込まれて安らかな顔で…、本の洪水に押し流された男は、どこを捜しても影さえ見つからなかった…。本を愛し、本に淫し、本に魂を奪われたビブリオマニアの生態を描く古本幻想奇譚集。
ワトスンの遺稿から、ホームズ空白の3年間の物語をとうとう発見! なんと、ホームズはダライ・ラマと会っていた! 「聖域の殺人」や「雪男の謎」などオリエント情緒あふれる冒険の数々に思わず手に汗をにぎる──。翻訳を擬したパロディー小説の傑作。 凡例 ホームズの移動経路 用語解説 1 入国 2 ツァロン氏との出会い 3 消えたヤクの群れ 4 危機一髪 5 ダライ・ラマの失踪 6 狙われた密書 7 ダライ・ラマに謁見 8 聖域の殺人 9 高僧の脱獄 10 ダライ・ラマを護る 11 雪男の謎 12 さらば、チベット! 訳者あとがき
誰も深く愛することなく独りっきりで生きてきたアンジェラがようやく誠実な男ブルースターに巡り会った。「ああ、私の恋愛が始まるんだわ!」思いきってキスをしたのだが…。黒い残像を灼きつける表題作ほか、軽妙な味わいのミステリー・アンソロジー。
渦巻く欲望の名前をまだ知らない日、記憶に襞を刻むひとつの出来事が起こる。唐突に逝った姉の真実。レディの手袋とキスの取り引き。親切な老紳士の豹変。父への小さな復讐…。少女/少年たちは、夢の言葉をたずさえて大人になる。清冽な残響をのこす少女少年小説全10篇。