出版社 : 飛天出版
勤王攘夷に揺れる幕末京の町で、土佐勤王攘夷派の首領・武市半平太を慕い、勤王の敵であると言われれば何のためらいもなく殺人剣を振い“人斬り以蔵”と怖れられた男。激動する日本の波に揉まれながらも、志士たちとは異質の生涯を終えた暗殺者。人斬りは正義であり天誅だとひたすら信じ、罪悪感も私利私欲もなく四十数人を斬った以蔵の非情な剣が京に舞う。
これから裁く。神に代わって、警察に代わって、検事に代わって、俺が裁く。俺を人間と思うなよ。俺は深い悲しみの果て、言いようもない憎しみをこの胸に膨らませることができた。その憎しみが、俺を野獣にした。地獄の鬼にした。
一介の秘書課のOLから破格の昇進で課長に抜擢された有美。彼女に新しく与えられた仕事は、その日本人離れしたプロポーションと、過去にソープランドにいた経験を生かして、会社の不利となる秘密情報を調査、潰すことだった。美女の股間の黒い繁みと、中高年向きのソープ・テクに狙った獲物はうめきとともに企業秘密を洩らす。だが彼女の前に強烈なライバルが。
人間の世界で、地位も名誉も豊かな生活も金で買える。しかし健康だけは無理である。アメリカの大財閥、フランク・モーガンの悩みもそのことだった。彼の使命は財閥発展の為に、より多くの血族を増すこと。だが彼にはもうその力が無い。かくて、若さを保ち、男を維持する為に、財力を駆使して精力食を求める、おかしくも苦しい世界冒険旅行が始まったが…。
ガソリンが混入された石油ストーブで焼死した香原周一郎。容疑者として香原家の家庭教師、笹山克典が犯行否認のまま逮捕された。逮捕理由は目撃証言と周一郎の妻と笹山との不倫。事件は罪状否認のまま公判に持ち込まれた。罪名は『現住建物放火ならびに殺人』。冤罪と確信した若林弁護人は、目撃証人の偽証を突き崩すべく、法廷での鋭い反対尋問を始めた…。