出版社 : BookWay
あらすじ 十年以上前、妻と子供二人を交通事故で失った結城俊郎。 寂しさを癒してくれたキャバクラの女性美羽と、数年付き合って事件を忘れる事が出来たが、別れがやって来る。 その後、定年で思い出の地に旅に行こうと東北旅行のツアーに参加する俊郎。 高速道路での事故に巻き込まれ、幸い俊郎は無傷だったが、念の為検査に運ばれた病院で・・・。 過去の楽しかった思い出と現実の恐怖、複雑に絡み合う登場人物。 運送屋の事務員水田朋子の失踪から、事件は複雑になってくる。 彼女が送った一枚の短い脅迫状が、過去の悪夢を蘇らせて、予期せぬ方向に進む。 次々と人が殺されて、仙台、高山、姫路と場所を変えて事件が発生。 管轄の異なる警察で起る事件が総て一本の線で繋がった時、遠い昔の・・・。
志摩と大阪を舞台にした物語だが、国家自滅の危機に直面して、人口問題、経済、日銀の政策にも鋭く踏み込んでいる。一方、地震対応の建築技術、水害、津波用建築物とともに町の在り方、国家の在り方についても提言している。本書は『恋のおばんざい ─天下国家への手紙─』の姉妹作である。 現在の市場原理主義マーケットは、個人投資家の短期売買、空売りファンド、ヘッジファンド、証券会社の自己売買等強制的空売りで、経済をデフレへ、そして、一方の投機筋は出来高が少なく、仕掛けやすい日本の市場で、自己の利益のために、株をしていない人まで道連れに、個人や国の資産まで低下させ、好き放題にしている。
〔本文より〕 初めて会って以来一途に思い続け、一時も由布子のことが心から離れなかった…。 〈男子みんなが憧れているあの高嶺の花の由布子が、あのお姫様が、何と、この自分を本当に思っていてくれている。ああ、こんな幸せ、本当にあるのだろうか? 夢ではないだろうか?〉 足が地から浮き上がり、のぼせ上がって有頂天に…。自分のために世界がある…。もう何も怖いものは無い。何でも出来るような不思議な力が湧いてくる。…美しいヒロインを恋人に持つ映画の主人公になったような気分でもある。 どんな言葉を使っても表現し尽くせない心情。決して大袈裟ではない。 こんな満ち足りた幸せが訪れ…高揚する気分になれることも人生にはあるものなのだ…しかも教室で…授業中に…こんな気持ちになれるなんて…学校へ行くのがこれほど楽しいとは…。 晶彦は生まれて初めて、天にも舞い上がるような幸せ感に包まれた。そして、いつまでもこんな気持ちでいられたら…と、祈る思いである。 (中略) 恋うひとに 思われている 幸夢心 (中略) 駅に近付いて、晶彦はハッと一人の女子学生の姿に心を奪われ、視線が彼女を追った。その姿はうららかな陽光を浴びて、人混みとともに駅の中へと消えて行った。晶彦は視線を逸らさず、ただその場に佇んでいた。 出張のことで頭がいっぱいで、一時潜んでいた由布子の存在が、ひょっこり晶彦の心に戻って来た。あの笑顔、明るい声、仕草、そして、教室での彼女など、数々のシーンが、次々と輝き始め、あの至福のステージが蘇ってきたのである。 「どうなさったのですか」 肩を叩く優しい女性の声が聞こえた。 「いえ、何も」 そう応えたものの、同じ所に佇んだまま思いの外、時間は経過していて、目は涙で潤んでいた。最高に幸せな思い出は、最高の辛さにも変わるのである。 いつしか新幹線の窓際のシートに座っていた。晶彦は顔を窓の方を向けている。涙が溢れ出て止まらない。晶彦はまだ、あの至福のステージの中にいた。由布子は咲き始めた花のように、瑞々しいまま微笑んでいる。しかし現実の晶彦の側に、彼女はいないのだ。 髪がたや 似た後ろ影 心を突き なお治まらぬ 鼓動… と、まで詠んだ。しかし、後が定まらない。 悲しくて、切なくて、そして、儚く、空しい思いが入り乱れ、愛しさが止めどなく込み上げてきて、渦を巻いているのである。
スキー場の山荘はオイルショックのため未完成で、内外装はおろか床は土のまま木くずが散乱している。そんな中で男女は出会い、二人は楽しみを見つけ、正月休みを過ごす。男は大阪、女は名古屋。付き合ううち恋人の親が経営する会社や家が窮地に陥り、男は全てを捨て名古屋に駆けつける。命を賭け、恋人のため会社の再生に尽くす。会社再生後、恋人の兄に会社を託して一人会社を去り自分の道へ進んでいくが、無理を重ねた男は病に倒れ、人生は思わぬ展開へ…。
本書は『国家の存続・人生方程式』の姉妹作である。 〔本文より〕 「何年か前、私の田舎に橋だらけ、道だらけ、という具合に立派な橋や道を作りまくって。各家の前まで。そして、たまにしか利用しない山道まで舗装をした。更には、米の減反を進める中、農地の改良までして、立派なインフラを整え、あげくの果て、過疎化や耕作放棄地となるのですが、これを日本中に作って大きな借金の一つにもなっています。このようなことは予想できたはずなのに、政治家は票獲得のため、行政担当者は怠慢と言うしかありません。馬鹿を通り越しています。地方の住民は自分たちが税をあまり納めていないのに、便利さを自治体へ要求する。今でも言えることですが、国中そのような考えの人が多い。自ら行動するのでなく、してもらえる、してほしいと思っている。何か改造するとなると、総論賛成でも、自分に関係した不利益なことになると反対になる」 (中略) 校門を入ると和子は幸成の腕に抱きつくようにして歩きだした。 「少し離れてよ。あなたは綺麗だし、私にくっついていたら、それに、この派手なペアのリュックのアップリケは目に付きすぎる」 「うちはかまわないえ」 「私は学校を首になるよ」 「丁度良いんじゃない。うちのお養子はんになれば」 「しかし、性急な話だね」 「うちも、お父はんも幸成はんを気に入っているし」 「でも、すぐには決められないよ」 「うちのこと嫌い?」 「好きだよ」 「うち、デパートでお会いした時、一目惚れしたんえ」 「和子さんにはかなわないな。あなたにかかったら私もたじたじだな」 「そうよ。もう覚悟しなさい」 「養子になっても、これじゃお尻に敷かれっぱなしになるね」 「座り心地の良い座布団になっておくれやす」 「ああ、熱が出てきた」 「ふふふふ、ああ可笑しい」 和子は楽しくてたまらないのである。
(1)津波や水災害と高層ビルの長周期地震動対策(海岸部・山間地・都市部) Measures against long-periodo ground motion of high-rise buildings due to Tunami and flood damage.(Near sea, Villages of mountainous area, City area) (2)教育のシステムを根底から変えて、コスト削減、効率化、教育レベルを上げる By doing change the education basic system, cost reduction increase efficiency education level up. (3)人口減少、医療費、政府の無駄使いについて Cause of population decline, Medical bills, Useless of government expenses. (4)株式市場の改革 Stock market reform.
金井花梨は十年以上前、夫の圭太がスナックのママと浮気をし、内緒で貢いでいることを知り離婚した。 その為、スナック通いをする男たちを軽蔑していたのだが、生活の為にやむを得ずスナックで働くことになってしまう。 子どもは兄と妹の二人いるが、長男の方は夫に引き取られ、病気がちで身体の弱い妹の方は引き取って育てている。 花梨が務めるスナック梨花には、文具店チェーン社長の大藪、建設会社社長の渡辺、役所の課長補佐佐伯らが花梨目当てに通っているが、花梨は、彼らは常連客なので適当に相手をしているが、全く恋愛感情は持てない。 もっとも、大藪も渡辺も妻帯者で、佐伯はバツイチだが、梨花には最近通い出したばかりである。 離婚や夜の仕事を通して、自分と接する人たちの本当の気持ちは何? 自分の信念が正しいのか? 別れた夫圭太とその両親との複雑な関係と駆け引き、自分の気持ちとの葛藤に苦しむ花梨の姿を描く作品。
この世には我々の知らない世界が多数存在する。 安田美千代は今年六十六歳で初老を迎える。結婚相手は、若い時に惚れて惚れて一緒に成ったイケメンの男。 この男は仕事もしないで浮気をするぐーたら亭主で、早々に子供二人を連れて離婚、スナック夢を経営して、子育てをするが最近は人生の反省が多く、今度生まれ変わったらの言葉が多い。 天上界の画老童子がこれを聞いて望みを叶え様と、美千代はある日突然亡くなってしまう。 同じく釜江勝弘も毎晩酒を飲んで寂しい生活、子供と嫁に逃げられて毎晩愚痴の悪い酒。 ある日、画老童子の同僚安芸津童子が二人でゲームをして勝った方が、五日間の仕事を助ける賭けを始めて、勝弘と美千代を使った人生ゲームを始める。 ある日突然亡くなった二人と周りの人々の混乱、あの世と現世の狭間で幽霊と成って彷徨う二人の、コミカルに生まれ変わる様を描く異色作。
関西の田舎町に住む、富田豊は嫁絹子と一人息子の隆史と幸せな生活を送っていたが、高校生の時に突然発病した隆史の難病の為、家族は離ればなれの生活を余儀なくされる。 やがて一人の生活に成った親子、東京に住む息子の将来を心配する豊、豊の楽しみは毎晩のお酒だった。 妻絹子は看病の心労で他界して寂しい豊、東京から田舎町に人探しに来る老舗和菓子屋の娘、静香に興味を持った。 誰もが認める超美人、静香は豊、隆史に興味を抱く、哀れみはやがて愛情へと変化してゆくのだった。 父と息子を同時に愛してしまう静香の葛藤、行政の不備に苦しむ家族を軸に物語は進みます。 ※難病指定が最近少し緩和されている様です。 主人公が病気に成ったのが、この物語では二〇一四年より約十年前の設定に成っています。
北海道の釧路から田代彩乃、九州から下条香織も同じく、東京の看護学校にやって来た。 二人は仲良しで、学業に頑張ったが、卒業と同時に彩乃は自分の顔を整形して、綺麗に成ろうとして、先輩の児玉愛子に勧められてデリヘルのバイトを始めた。 お金が貯まると整形をして病院を変わる彩乃、看護学校時代とは見違える容姿に変貌していた。 しばらくして、下条の誘いで彩乃はKTT病院に来た。 驚く香織、二人の年齢は三十歳、結婚を焦る二人の前に上場企業の御曹司加納敏也が、スキーの怪我で入院して彩乃を好きに成る。 敏也の家庭は、真面目一筋の家庭で、風俗で働いていた事が暴露されると、破談に成る彩乃は隠すが、デリヘル時代から交際が続いていた橘郁夫とは、バイトを辞めても付き合って六年が経過していた。 露見を恐れた彩乃は、郁夫と決別して敏也と結ばれるが、嫉妬に狂う香織は彩乃の過去を暴こうとする。 その香織の行動に疑問を持った旅館の仲居吉永富子と息子明夫が、知ってしまった事が過去の事件を呼び起こす。 静岡県警、佐山次郎、野平一平、美優の活躍シリーズ
人生は偶然の積み重ね、それも一瞬の瞬きの瞬間に人生が変わる事も屡々、この物語は友人とドライブ中に事故でお金が必要に成り、風俗で短期間アルバイトをした麻由子が、偶然知り合った客に惚れられるが、目的を達成して未練を残さず去って、音信不通に未練を持った男性徹は、人生に失望の毎日、偶然十数年ぶりに麻由子の所在を知った。 麻由子は幸せな結婚をして子供の凜との平和な生活の前に徹が現れる。 過去の風俗嬢のバイトが…… 事件の発生後も偶然が次々と起こり、意外な方向に進む。 小豆島、姫路、和歌山を舞台に偶然が織りなす、緊迫の展開。 本気の男性と風俗で稼ぐ事しか考えていなかった女性の考えの異なりが、事件を複雑にしていく。
現代の普通の大学生である荒木優太は、ある日から、幕末の長州藩に生きる武家の若者として生活する夢を見始める。 その夢は一度や二度ではなく頻繁に見続け、しかも切れ目なく連続しため、本当に幕末で生きているように錯覚するほどだった。 夢の中の生活では、日本は欧米諸国から占領される危険が迫っていた。 荒木はその対策を考える吉田松陰が主宰する松下村塾で学ぶが、松陰が安政の大獄で処刑された後は塾の筆頭格である久坂玄瑞と行動を共にした。 松陰の死後、しばらくは世の動きを静観していた久坂だが、桜田門外の変で時勢が変化し始めるとその波に乗り行動を開始する。 《中略》 幕末の若者がいかに純粋で必死に生きていたか、その心を学び、いつしかそれぞれが成長していく物語。
1744年のある晩のこと、馬に乗った一人の青年がロンドンに到着する。青年ランドルフは、亡き父の手紙を携えて、金貸し業を営む守銭奴スカーヴの屋敷に立ち寄り、娘ヒルダと出会う。 1688年の名誉革命以来、スチュアート再興の夢を抱き抵抗を続けるジャコバイト団の策略、陰謀に翻弄される二人のロマンスの行方は?
小学二年生の真中結衣は、真夜中にトイレに行って外が異様に明るいので、夏に見た花火を思い出して、家の外に出る。 隣家の放火で結衣の家も類焼で家族全員焼死、結衣は児童養護施設に引き取られる。 数年後、個人の養護施設に毎年クリスマスに来る足長叔父さんの息子、近藤悠斗中学二年は結衣に興味を持って、交際を始める。 お金持ちの少年と孤児の温かなラブストーリーが始まる。 養護施設のお兄ちゃん渋谷修平と近藤悠斗、真中結衣の涙と喜びのストーリー、錦帯橋、宮島を舞台に、施設で育った結衣とお金持ちの息子悠斗が楽しい旅と寂しい旅をする。 夢の様な話の始まりです。
地方の火傘神社は町から離れた小さな山の中に在り、正月と祭りの時期を除いては、参拝客が極端に少なく、宮司の松尾は経営の効率と参拝客増加を考えて、縁結びの神様の降臨を願い出た。 本山から降臨の神様は新米の浅宜彦、小さな祠に奉られて参拝客を待つ、正月参拝客が祠を見つけて祈る。 願い事を具体的に願い出た参拝客に、縁を結ぶのが浅宜彦の役割で、大多数の参拝客は、良い人に出会えます様にと祈る。 浅宜彦には良い人と言われても判らない、その中に地元からスターに成った佐用比奈子は具体的に、恋人堤功一に会わせて欲しい、話しがしたいと希望を述べる。 だが、この堤功一には秘密が隠されていた。 新米浅宜彦の縁結びの神としての奮闘と失敗、その中で話しは意外な方向に進む、神様と新人女優の信じられない話が始まる。
昭和五十年代の始めの頃、田宮正造は大学を卒業して通勤を始めた。毎朝乗る満員電車に最近の映画のヒロインに似た短大生に一目惚れをしてしまう。 その女子大生の名前も住所もわからないが週に三度同じ車両で会う。なかなか話す機会のない中、彼女の友人たちとの会話から桜井弘子だと判明する。 好みの男優のコンサートのチケットにラブレターを入れて、気持ちを伝えようとするが天の悪戯か? やがて二十年の歳月が流れて四十五歳の正造が見た現実は? 人は会わずに話さずに何年思い続けられるのだろう? 淡い恋心の青年の恋と愛、ストーキングと恋愛は紙一重の存在か?
始まりは一本の電話からだった。 冴えない専門学校生の主人公は、急な電話で驚いた。 それは、一度も話したこともない美人の クラスメイトからだった。 …デートの誘い。 当日、ガラの悪い連中にからまれる。 謎の美女に助けられる主人公。 強力なカンフー技と特殊閃光弾で彼を救う。 彼女は一体何者なのか? そして、主人公も自分たちの仲間だと話す。 人類を家畜化しようと企む巨大な敵と、 人のチカラを超えた者同士の壮大な闘いは、 始まったばかりだ。
時は天正十七年(1589年)。 豊臣秀吉が小田原城を攻め落とす一年前。 命と引き換えに江戸から小田原北條氏暗殺の陰謀が書かれた密書を持ち帰った者がいた。 その名は「日光」、忍の者だった。 密書に書かれた内容は、 「9月14日品川宿に七名の暗殺者が集合する」 北條氏政は、最後の忍「月光」を向かわせる。 秀吉の陰謀を防ぎ、月光はすべての暗殺者を倒すことが出来るのだろうか? 時代活劇?です。