出版社 : PHP研究所
敵は、豊臣秀吉。守れ、天空の城を! 織田信長の後継者となるも、恋い焦がれてきたお市を手に入れることができなかった秀吉は、怒りの矛先を、お市の自害を止められなかった津田七龍太に向け、その処刑を黒田官兵衛に命じる。 一方、徳川家康の支援を仰ぐべく、真冬の立山連峰越えに挑む猛将・佐々成政の前に、囚われていたはずの内ケ嶋の姫が現われ……。 秀吉・家康らが虎視眈々と狙うなか、美しき里の平穏を願う領主・内ケ嶋氏理は、真宗勢力と手を携え、飛騨白川郷の独立をめざす。「天離る地」の小国は生き残れるのか。 戦いの時は刻々と迫っていた。押し寄せる豊臣軍を迎え撃つそのとき、驚天動地の出来事がーー。 一夜にして消えた「幻の帰雲城」をめぐる壮大なスケールの物語であり、戦国時代の飛騨に注目した傑作長編小説。
本当の幸せってなんだろう? お金、結婚、仕事のやりがい……。 一人の青年の、夢のような不思議な体験を通して、人間にとっての幸せとはなにかを問う。 数々の女性との出会いと別れ、手に入れたお金で三郎という青年はなにを思い、なにを手に入れ、なにを失ったのか。 若いときに誰もが感じる焦燥感ともがき苦しみ。その中でかすかに感じる可能性や希望に向かって進んだ先にあるものはなにか。 読みやすい文章で、人間とって大切なものを思い出させてくれる著者渾身の小説です。
自分にも劇的な未来が待っている。 そう信じられなくなったのは、いつからだろうーー。 16歳にして小説すばる新人賞史上最年少受賞を果たした鮮烈なデビュー作、『星に願いを、そして手を。』から三年。 現役京大生となった若き才能が、“青春の難題″に立ち向かう! 読了後、静かな感動と勇気が押し寄せる、「救い」の物語。 【あらすじ】 仕事も恋愛も惰性の日々を過ごしているOLの遥。ある日遥は、無名のアーティストの曲がYouTube上で「バズって」いるのを見つける。その曲にとてつもない引力を感じた遥だったが、数日後、そのアーティストの公式サイトで、「2018年10月23日、Vo霧野十太逝去。27歳」の文字を目にする。なぜ1年も前に亡くなった無名のアーティストの曲が、今更注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのかーー。 一人の天才音楽青年と、彼が作った「ある曲」を軸に、夢と理想、そして現実とのはざまで藻掻く6人の人生を描き切った、著者渾身の青春小説。
平凡で幸せな家庭に育ちながらも、突然の交通事故で両親を一度に失ってしまった、稲野朗・昭・幸の三兄弟。そんな彼らを助けるべく、ほとんど面識がなかった母方の祖母が家にやってくる。その暮らしの中で兄弟たちは、祖母と母の不仲の理由や父の出生の秘密など、これまで知らなかった家族の裏側を少しずつ知っていくのだが…。中・高・大学生の三兄弟の成長と、家族の絆を描いた、感涙必至のハートフルストーリー。
東京の地下鉄廃線跡に、潜む集団の目的とは? 著者が初めて挑む「鉄道」ミステリー。 鉄道マニアの公務員、小日向はある日、趣味が高じて、廃駅となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで思いがけず出会ったのは、地下空間で暮らす謎の集団。身柄を拘束された小日向に、彼らは政府の「ある事情」により、地下で生活していると明かす。その地下空間で起こる殺人事件。彼らを互いにマークする捜査一課と公安の対立も絡み、小日向は事件に巻き込まれていく。 著者デビュー10周年記念、12ヶ月連続刊行企画第2弾。
可愛らしくもときに怖ろしい、江戸の猫が勢揃い! 守り神としての猫、事件を目撃する猫……いま読んでおきたい女性時代作家が描く珠玉のアンソロジー お店の守り神である木彫りの猫がなくなり、その行方を捜す「猫神さま」(西條奈加)、長屋で一番偉い猫の“サバ”が、夫婦の揉め事を解決する「包丁騒動」(田牧大和)、臆病な火消しの男へ按摩が与えた猫頭巾に込められた恐るべき謎「だるま猫」(宮部みゆき)など、愛らしくも摩訶不思議な存在である江戸の猫にまつわる短編六作を収録。 令和を代表する女性時代作家の共演による珠玉のアンソロジー。
歴史・時代小説ベスト10(週刊朝日/2017年)第1位 歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞 本屋が選ぶ時代小説大賞2位 白村江の戦いの“真の勝者”とはーー 東アジアを舞台にした歴史大河小説がついに文庫化! 六六〇年、唐・新羅連合軍によって百済は滅亡、王とその一族は長安に送られた。 遺された王族は倭国へ亡命していた豊璋ただ一人ーー。 新羅の金春秋、高句麗の泉蓋蘇文、倭の蘇我入鹿、葛城皇子(のちの天智天皇)……各国の思惑は入り乱れ、東アジアは激動の時代を迎える。 大化の改新、朝鮮半島の動乱、そして白村江の戦いへと連なる歴史の裏でうごめいていた陰謀とは。 圧倒的スケールで描かれた感動必至の長編小説。
夜ごと枕元に現れる鍵束と、繰り返し見る悪夢に悩まされている大学生の遠野晴貴。困った末に彼が辿り着いたのは、「不思議現象を解決してくれる」と噂の骨董店。そこは、同じ大学に通う、美人だが無愛想な女子大生・月城環が営む店だった。彼女は、鍵束の正体を突き止めるため、「午前三時」にお店に来るよう晴貴に告げるが…?孤独に苦しむ男女の成長を描いた、号泣必至の現代ファンタジー。文庫書き下ろし。
かなりや荘で暮らすことになった茜音は、元漫画家の幽霊・玲司や編集者・美月にその才能を見出され、漫画家をめざすことに。そして新しく創刊される漫画雑誌の「新人賞」を巡り、茜音と美月のコンビに好敵手たちも現れそうで…。そんな折、かなりや荘に怪しい新住人がやってきて、事件が起こる!?傷ついたひとたちが立ち上がる姿を優しく描く人気シリーズ、待望の第二弾。書き下ろし番外編も収録。
戊辰戦争の際、官軍と奥羽列藩同盟の間で武装中立を目指した長岡藩家老・河井継之助は、「英雄」として語られることが多い。しかし、彼は本当にそうだったのかーー。藩を救うために諸国を巡った若き日、妻・すがとの絆、会津藩家老・秋月悌次郎や仙台藩隠密・細谷十太夫、そして武器商人エドワード・スネルとの親交を通して、動乱の時代を峻烈に生き抜いた人間・河井継之助の、真の姿に迫る感動の長編小説。
おいしくも切ない味がする、江戸の料理をめしあがれ 蕪汁、桜餅、鮎の塩焼き……いま話題の女性時代作家による絶品アンソロジー 岡っ引きの茂七が、謎めいた稲荷屋台の親父が出す料理をきっかけに事件の真相に迫る「お勢殺し」(宮部みゆき)、菓子屋の跡取り息子なのに、菓子作りが下手な栄吉の葛藤と成長を描いた「餡子は甘いか」(畠中恵)、風邪で寝込んだお勝が本当に食べたかったものとは何かを探る「鮎売り」(坂井希久子)など、江戸の料理や菓子をめぐる短編六作を収録した、思わずお腹がすいてくる時代小説アンソロジー。
第七回京都本大賞受賞で話題のあやかし警察小説シリーズ、待望の第三弾! 伝説の太刀に封印されし「亡霊」が放たれた時、清水寺での激闘が幕を開けるーー。 化け物や神仏に関する事件を専門に扱う警察組織「京都府警あやかし課」の隊員・古賀大のもとに、ある大男が現れた。その男の正体は、源義経に仕えたかの有名な豪傑「弁慶」。謎の僧兵集団に追われる弁慶の警護を請け負った大達だったが、その過程で『義経記』の裏に隠された衝撃の事実が明らかとなって……。 大達は、強大な敵から弁慶を守り切れるのか? 今冬一番熱いお仕事現代ファンタジー。 文庫オリジナル。
冬枯れの中、真っ先に咲く花とならんーー 新5,000円札の肖像で話題! 津田塾大学の創設者・津田梅子と、その父・津田仙の波瀾の生涯を描いた感動作 佐倉藩士として生まれた津田仙は、幕府通詞として福沢諭吉らとともにアメリカへ派遣されるなど将来を目されていたが、幕府瓦解後は西洋野菜の栽培などを手掛けながら、日本の農業の改革を志していた。自身の夢を託すべく、男子の誕生を待ち望むも、生まれたのは女の子で、仙は子供の名前も付けないほど落胆する。やがて、仙は開拓使長官・黒田清隆に呼び出され、出仕することに。そこで女子留学生を渡米させる計画を聞いた仙は、聡明さの片鱗を見せていた、わずか6歳の娘・梅子を推薦する。 日本初の女子留学生として、最年少で渡米し、17歳で帰国した津田梅子だったが、すでに日本語を忘れており、日米の文化の違いや周囲との軋轢、そして父との葛藤に悩むことになる。 山川捨松や伊藤博文らと交流を結びながら、苦闘の末、女子教育の先駆けとなった津田梅子と、その父の人生を描いた感動の歴史小説。
西陣にある「なごみ植物店」で、「植物の探偵」をしている実菜と、京都府立植物園の新米職員で彼女を慕う神苗が、植物にまつわる謎を解く物語、完結編。 十日間にわたって盛大に催す予定だった北野大茶湯を、豊臣秀吉がわずか一日で中止にした理由とは? 「和の植物の博物館」を作りたいという実菜に、彼女の祖父、ダイゴ種苗社長が出した資金援助の条件は、その真相を探ること。はたして実菜と神苗は答えを見つけられるのか? 実菜と姉・花弥の幼馴染、華道次期家元の雪伸が幼い頃、亡くなった祖父と共に見た、一面赤紫と薄紅に染まった山はどこにあるのか? 中学生のミノルの友達、久美の母の実家から出てきた明治時代の籠。そのなかには布と種と和歌「昼白く 夜には黒き うらみの実 くわくわ言うて ここに納めん」が入っていた。呪いの箱ではないかと恐れる久美の両親。この箱はいったいなんなのか? でたらめな住所から届いた葡萄とリスが描かれた掛け軸。それを見て妻が涙を流したという。掛け軸の送り主は一体誰か? など、京都の四季を背景に、植物にまつわる謎を描いた優しい連作ミステリー、ついに完結。 文庫書き下ろし。
古い洋館アパート、かなりや荘。そこには心に傷を抱えた人々が集まるというー。雪のクリスマスイブの夜、母親が失踪し、家を追い出された茜音は、不思議な偶然からかなりや荘に辿り着いた。絵を描くことが大好きだった茜音は、その才能を住人の一人の元漫画編集者に注目される。さらに彼女の部屋に、若くして亡くなった天才漫画家の幽霊・玲司が現れて…。優しく力強い、回復と救済の物語、シリーズ第一弾。
ドラマ化原作本! 『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』の著者、渾身の新境地 父が創業した会社で若くして役員となった鹿子小穂は、父がヘッドハンターを介して招聘した大槻によって会社を追い出されてしまう。 そんな小穂を拾ったのは、奇しくもヘッドハンティング会社だった。 新米ヘッドハンター・小穂は、一流の経営者らに接触するなかで、仕事や経営とは何か、そして人情の機微を学んでいくーー。 緊迫感溢れるミステリーで人気の著者が新境地に挑んだ、予測不能&感涙のビジネス小説。
ドラマ化原作本! 『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』の著者、渾身の新境地 「私が死ぬ前に、後継社長を見つけてほしい」「プロジェクトチームのメンバーを丸ごと引き抜いてほしい」--。 新人ヘッドハンターとして働く鹿子小穂は、様々な難題に苦闘しながらも、ヘッドハンティングの仕事にやり甲斐を見出していく。 そんなある日、小穂のもとに父の会社が経営危機に陥っているとの報せが届く。 ある人物が怪しい動きをしていることに気づいた小穂は、会社を救うべく起死回生の一手を打とうとするが……。 一気読み必至のエンターテインメント小説。
シリーズ待望の第2弾! 「食堂のおばちゃん」で人気の著者、最新刊 幸せは食と共にあり。ほかほかおでんをめしあがれ。 もらい火によって全焼するも、ふたたび四谷のしんみち通りで開店したおでん屋「めぐみ食堂」。 女将の恵は元・人気占い師だったがその力を失い、今は“男女の縁”が見えるように。 常連客の悩み相談に乗るうちに、結婚相談所や婚活パーティー、マッチングアプリを巡る思わぬ騒動に巻き込まれて……。 あん肝の赤ワイン煮、白菜と鱈のグラタン等の名物料理も楽しめる、人気シリーズ第2弾。 文庫書き下ろし。
建仁寺の「雲龍図」を描いたことで知られる海北友松(かいほう・ゆうしょう)は遅咲きの絵師だが、山水図屏風、竹林七賢図、花卉図屏風、寒山拾得・三酸図屏風など、すばらしい作品を遺している。 しかしそこに至る道は、決して平坦ではなかった。 近江の浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師の道を選び取った友松は、明智光秀の片腕・斎藤利三と出会い、友情を育んでいく。 その利三が仕える光秀が信長に叛旗を翻す。本能寺の変ーー。しかしその天下は長く続かなかった。利三の運命は……。 武人の魂を捨てきれなかった友松は、そのとき何を考え、どんな行動をしたのか。 苦悩の末、晩年にその才能を花開かせ、安土・桃山時代の巨匠・狩野永徳と並び称されるまでになった男の生涯を描く傑作歴史小説。 著者・葉室麟が、デビュー前から書きたかった人物を、円熟の筆で描き上げている。 解説は、作家の澤田瞳子氏。