出版社 : PHP研究所
240万「いいね!」をInstagramで集めた著者の、心を癒し元気にしてくれるエッセイ! この本は、韓国で2017 年に刊行されて以来、ロングヒットを続けています。 著者は“エピソードを読む女” の名で知られ、SNS で絶大な人気を誇り、計120万人以上ものフォロワーを獲得しているアーティスト。 本書には、この世に存在するだけで美しい、ありのままの自分を認めて大切にするためのメッセージが紹介されています。つらい記憶や心のモヤモヤ、悲しみや怒りといったネガティブな感情までをも丁寧に振り返り、正直に表現した文章は、「私のことみたい」「自分でもよくわからなかった気持ちを言語化してくれた」という読者の共感を得ました。 仕事や恋愛、人間関係に疲れたとき、人生に行き詰まったとき……。くじけそうな日にそっと背中を押して、もう一度がんばる勇気をくれる言葉が、この本にはぎっしり詰まっています。
過去、生徒間の事件を解決したことからメディアに取り上げられ、「鉄腕先生」と呼ばれて、コメンテーターとしても活躍する教師・湯川。彼はある日、自分が女生徒とホテルで密会したという週刊誌報道が流れていることを知る。 さらに、「ディープフェイク(AIによる画像合成技術)」で精巧につくられた、湯川が生徒に暴力を振るっている動画もネット上に拡散。出勤停止、テレビ番組の降板、さらに妻子が家を出ていく中、ネット上では湯川に対する大炎上が巻き起こる。果たして、湯川を陥れようとしているのは誰なのか。 そんななか、湯川の働く学校ではさらなる事件が起きーー。 誰にでも、あなたにも起こるかもしれない。 一人の「普通」の人間が追い詰められ、仕事、家庭、社会的信用……全てを失っていくさまをリアルに描きつつ、昨今のSNSでの炎上や匿名による誹謗中傷、メディアの報道のあり方などの問題に切り込んだ傑作サスペンス小説!
一族の闇、怨念、陰謀が渦巻く宮廷ーー 藤原道長の娘にして、一条天皇の后・彰子。 父に利用されるだけだった内気な少女は、いかにして怨霊が跋扈する朝廷に平穏をもたらす「国母」となったのか。 『天地明察』『光圀伝』の著者が、“平安のゴッドマザー”の感動の生涯を描く。 わずか十二歳で入内した、藤原道長の娘・彰子。父に言われるがままに宮中に入り、一条天皇を迎える最初の夜、彼女は一条天皇の初めての男児誕生の報を聞く。男児を産んだのは、藤原定子。夫である一条天皇は、優しく彰子に接するが、彼が真に愛した女性・定子の存在は、つねに彰子に付きまとう。 「透明な存在になって消えてしまいたい」--父・道長によって華やかに整えられた宮中で心を閉ざし、孤独を深める彰子であったが、一人の幼子によって、彼女の世界は大きく変わった。 定子の崩御により遺された子、敦康。道長の思惑により、十四歳の彰子がその子の母親代わりとして定められたのだ。戸惑いながらも幼い敦康を腕に抱き、母になる決意を固めた彰子は、愛する者を守るため、自らの人生を取り戻すために戦い始めるーー。 平安王朝を新たな視点からドラマチックに描いた著者渾身の傑作長編。
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。 そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。 兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。 妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。 正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。 そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というものでーー。 『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作! 相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。
株で大損、妻を担保にアメリカへ…… それでも、この男はすごかった! 奇想天外なアイデアと並外れた行動力、そして内助の功と多彩な仲間たちーー “別府観光の父”と呼ばれた男の、感動の生涯を描く力作長編。 明治維新の五年前、伊予国(愛媛県)宇和島に生まれた油屋熊八は、大阪で経済記者をするかたわら株で大儲けし、一時は「油屋将軍」と呼ばれるほどだった。だが日清日露の戦争後に読みを誤り、財産を失う。妻のユキの助けもあり、熊八は再起を懸けてアメリカへ行くも、思うような成果は得られなかった。 しかし四十八歳の時、大分県別府で宿屋を始めたときから、熊八の第二の人生がスタートする。 これまで日本になかったような温泉観光地をーー地元の反対、資金不足など、様々な困難に遭うも、「万事オーライ」の精神で乗り越え、仲間や妻とともに別府を日本一へと導くまでの奮闘を描いた感動の長編小説。
神田旅籠町の一角で、素麺箱に古本を並べ、商売をする男がいた。その名は藤岡屋由蔵ー古本販売を隠れ蓑に売っていたのは、裏が取れた噂や風聞の類。買いに来るのは、各藩の留守居役や奉行所の役人であった。そんな由蔵のもとに、ある日、幕府天文方の役人が逃げ込んで来るが、シーボルト事件に絡むその騒動で、由蔵の手下が命を落とす。手下の理不尽な死を許すことができない由蔵は、真実を暴くため、動き始めるのだが…。気鋭の作家が描く傑作歴史小説。
幸道光り子。1973年、尼崎の長屋「さつき文化」で生まれる。 幼なじみで母子家庭に育った江口明、作家志望で繊細な西条司、父親が「京野不動産」社長である京野麗奈らとともに青春時代を過ごした彼女は、貧しい家庭で生まれ育ったため、堅実に生計を立てられる銀行員を目指していた。そんな光り子に転機が訪れる。きっかけとなったのは、1995年のあの大地震だったーー。 月刊『PHP』連載時、どんな人の人生にも起こりえる苦しみ、辛さを前向きに乗り越えていく光り子の姿に、たくさんの読者の方から応援の声をいただいた長編小説。浄土真宗のお坊さん兼作家の最高傑作です。猫の「3号」の存在と、「仏説阿弥陀経」の次の言葉が、強く印象に残る小説です。 「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光(しょうしきしょうこう おうしきおうこう しゃくしきしゃっこう びゃくしきびゃっこう)」解釈:老人も、若者も、男性も、女性も、裕福な人も、貧しい人も、すべては光り輝く。
民主主義は、国を豊かにし、明るい未来をもたらすのか。軍事政権下の東南アジアの国・メコンから日本に留学したピーター・オハラは、大学で政治活動に情熱を注ぐ犬養渉と知り合う。祖国メコンを民主化するため、父・ジミーが大統領選に出馬することを知ったピーターは、父の選挙を応援するため、渉とともに帰国する。一方、人々の期待を一身に背負い、ジミーが帰国するがー
「なぜ、朝敵と言われなければならないのか。我らに何の罪があるというのか」 幕末、火中の栗を拾うようなものと言われながらも、京都守護職を拝命した会津藩主・松平容保の弟である桑名藩主の松平定敬は、京都所司代として、兄と共に徳川家のために尽くそうとする。 しかし、十五代将軍・徳川慶喜は大政奉還後、戊辰戦争が起こると容保、定敬を連れて江戸へ戻り、ひたすら新政府に恭順。慶喜に裏切られる形となった定敬らは、恭順を認めてもらうには邪魔な存在として遠ざけられてしまう。 一方、上方に近い桑名藩は藩主不在の中、新政府に恭順することを決める。藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣と共に江戸を離れることに……。 朝敵とされ、帰るところも失い、越後、箱館、そして上海にまで流浪した男は、何を感じ、何を想っていたのかーー。 新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞受賞作家が、哀しみを心に宿しつつ、転戦していく松平定敬の姿を感動的に描く歴史小説。
愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壼を抱え、心が凍てつき暗い家に引きこもる妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。その日から心に仄かな灯が生まれた…。
弁護士生命を絶たれかねない窮地に立たされた男が打った妙手とはーー。 四年前、殺人罪に問われた女性の無罪判決を勝ち取り、脚光を浴びた弁護士の大石中也。医療過誤の裁判で、彼は依頼人である原告・長瀬の尋問に向け、準備を整えていた。しかし当日、時間になっても長瀬が法廷に現れず、大石は裁判官や相手の弁護士に頭を下げる破目に。大石が原告の自宅を訪ねると、そこにいた「長瀬」は、昨日まで打ち合わせをしていた原告とは似ても似つかぬ、全くの別人だった。弁護士生命さえ危うい事態に、真相究明に乗り出した大石だったが……。 現役弁護士にして、『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作家が、「法の裏側」と「司法の闇」を抉る! 驚愕のリーガル・サスペンス。
ドラマの撮影中に起こるさまざまな事件やトラブルを鮮やかに解決するベテラン俳優の南雲。-そこにはある秘密が隠されていた。名演技に潜む「罪」と「罰」-『教場』の著者が、芸能界に生きるものたちの“業”を描いた連作短編ミステリー。
ベストセラー「書店ガール」シリーズの著者が描く、慟哭のミステリー 書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが……。 出版・書店業界の裏事情を巧みに盛り込んだ、著者渾身の長編小説。
「下意上達」の組織作り、世界初の児童手当、理想の藩校の創設ー何よりも「人」を大事にしたすごい名君がいた!ベストセラー『小説上杉鷹山』の著者が描く、鷹山の兄にして高鍋藩第七代藩主・秋月種茂(鶴山)の生涯とは。
新書『応仁の乱』がベストセラーになって以降、関心が集まっている「足利氏」は、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも注目された。 本書は、戦国を語る上で欠かせない「足利氏」をテーマに、7名の歴史時代作家が書き下ろした短篇小説を収録したアンソロジー。 著者は、2020年上半期の直木賞を受賞した川越宗一をはじめ、大人気シリーズ「口入屋用心棒」の著者の鈴木英治、2020年の中山義秀文学賞を受賞した木下昌輝など、ベテランから新進気鋭まで、実力派ばかり。 これまで戦国史を語る上で、メインで書かれることがなかった「足利氏」を軸に、この時代の画期となる出来事を時系列で描いていくことによって、“もう一つの戦国史”が浮かび上がる。 ■目次 第一話 早見 俊◎嘉吉(かきつ)の狐ーー古河(こが)公方家誕生 第二話 川越宗一◎清き流れの源へーー堀越(ほりごえ)公方滅亡 第三話 鈴木英治◎天の定めーー国府台(こうのだい)合戦 第四話 荒山 徹◎宿縁ーー河越夜合戦 第五話 木下昌輝◎螺旋(らせん)の龍ーー足利義輝弑逆(しいぎゃく) 第六話 秋山香乃◎大禍時(おおまがとき)--織田信長謀殺 第七話 谷津矢車◎凪(なぎ)の世ーー喜連川(きつれがわ)藩誕生 コラム 喜連川足利氏を訪ねてーー栃木県さくら市歴史散歩 収録作品は、いずれも書き下ろし!
心に鬼を棲まわせた“独眼竜”伊達政宗の周囲には、かくも、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいたーー。 我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、そして真田信繁(幸村)の娘・阿梅……伊達の女性を主人公にした連作短編集。 母・義姫ーー毒を盛ったのは母だと疑っておいでなのでしょう 妻・愛姫ーー濡れ衣を着せられたまま、殿が平気でおられるとは思いませなんだ 保姆・片倉喜多ーー本当のことを言ってはならぬ。言えば、政宗の心は折れる 娘・五郎八姫ーー私は優しくなどありませんぬ。父・政宗を気に掛ける母を見て育ちましたゆえ 真田家・阿梅ーー黙っていたこと、ご容赦くださいませ。ですが、お知りにならぬほうがよかったのです 伊達政宗の言動等から生まれたとされる「伊達男」。伊達といえば、男ぶりばかりが注目されるが、実は女性こそが素晴らしかった! 各短編で描かれる五人の女性の生きざまを通して、伊達政宗の真の姿も浮かび上がってくる。 『会津執権の栄誉』で直木賞にノミネートされた著者、新境地の最新刊。
飛騨の“幻の城”に織田信長の魔の手がーー。 戦国武将が喉から手が出るほど欲しいものは、金銀と、鉄炮火薬に欠かせない塩硝。それらは飛騨の「天離る地」で豊富に産するという。 宝の眠る里を我が物にしようと企む、織田・上杉・本願寺……。そんななか、天下布武へ邁進する織田信長によって白川郷に送り込まれたのが、津田七龍太である。天才軍師・竹中半兵衛の愛弟子だ。 “天空の城”とも言われる帰雲城に拠って、白川郷を治めるのは内ケ嶋氏理。氏理には、野生的な魅力あふれる娘・紗雪がいた。美しき山河と麗しき人々に魅せられた七龍太は、領民の平穏な生活を守るため、内ケ嶋の最強の姫武者・紗雪とともに立ち上がる。 そこには、七龍太の出生に関わる、思いがけない出逢いも待っていた。 『剣豪将軍義輝』『風魔』の著者、渾身の「戦国エンタテインメント」。