1957年発売
九九 法 律 一〇〇 幽 霊 一〇一 ロクスタ 一〇二 ヴァランティーヌ 一〇三 マクシミリヤン 一〇四 ダングラールの署名 一〇五 ペール・ラシェーズの墓地 一〇六 分 配 一〇七 獅 子 窟 一〇八 裁 判 官 一〇九 重罪裁判 一一〇 起 訴 状 一一一 贖 罪 一一二 出 発 一一三 過 去 一一四 ペピーノ 一一五 ルイジ・ヴァンパの献立 一一六 ゆ る し 一一七 十月五日
著 者 よ り 第 一 篇 ある一家族の歴史 第 一 フョードル・カラマーゾフ 第 二 厄 介 払 い 第 三 第二の妻とその子 第 四 三男アリョーシャ 第 五 長 老 第 二 篇 無作法な会合 第 一 到 着 第 二 老いたる道化 第 三 信心深い女の群 第 四 信仰薄き貴婦人 第 五 アーメン、アーメン 第 六 どうしてこんな男が生きてるんだ! 第 七 野心家の神学生 第 八 醜 事 件 第 三 淫蕩なる人々 第 一 下男部屋にて 第 二 リザヴェータ・スメルヂャーシチャヤ 第 三 熱烈なる心の懺悔──詩 第 四 熱烈なる心の懺悔──思い出 第 五 熱烈なる心の懺悔──『まっさかさま』 第 六 スメルヂャコフ 第 七 論 争 第 八 コニヤクを傾けつつ 第 九 淫蕩なる人々 第 十 二 人 の 女 第十一 ここにも亡びたる名誉 第 四 篇 破 裂 第 一 フェラポント 第 二 父のもとにて 第 三 かかり合い 第 四 ホフラコーヷの家にて 第 五 客間における『破裂』 第 六 小屋における『破裂』 第 七 清らかな外気の中で
途方もなく大きな邸宅で開いたお伽話めいた豪華なパーティー。デイジーとの楽しい日々は、束の間の暑い夏の白昼夢のようにはかなく散っていく。『失われた時代』の旗手が描く”夢と愛の悲劇”。
第五篇 Pro et Contra 第一 誓い 第二 ギタアを持てるスメルヂャコフ 第三 兄弟の接近 第四 叛逆 第五 大審問官 第六 取り留めなき憂愁 第七 『賢い人とはちょっと話しても面白い』 第六篇 ロシアの僧侶 第一 ゾシマ長老とその客 第二 故大主教ゾシマ長老の生涯 (A) ゾシマ長老の年若き兄 (B) ゾシマ長老の生涯における聖書の意義 (C) 俗世にありしゾシマ長老の青年期に関する回想──決闘 (D) 謎の客 第三 ゾシマ長老の説話と教訓の中より (E) ロシアの僧侶とその可能なる意義について (F) 主従について 主従は精神上相互に兄弟たり得るか (G) 祈禱 愛 他界との接触 (H) 人は同胞の審判者たり得るか? 最後までの信仰 (I) 地獄 地獄の火 神秘的考察 第七篇 アリョーシャ 第一 腐屍の香 第二 こうした瞬間 第三 一本の葱 第四 ガリラヤのカナ 第八篇 ミ - チ ャ 第一 商人サムソノフ 第二 レガーヴイ 第三 金鉱
第 八 篇 ミ - チ ャ(承前) 第 四 闇 の 中 第 五 とっさの決心 第 六 おれが来たんだ 第 七 争う余地なき元の恋人 第 八 夢 幻 境 第 九 篇 予 審 第 一 官吏ペルホーチンの出世の緒 第 二 警 報 第 三 霊魂の彷徨 受難──一 第 四 受 難──二 第 五 受 難──三 第 六 袋 の 鼠 第 七 ミーチャの大秘密──一笑に附さる 第 八 証人の陳述『餓鬼』 第 九 ミーチャの護送 第 十 篇 少 年 の 群 第 一 コーリャ・クラソートキン 第 二 幼きもの 第 三 生 徒 達 第 四 ジューチカ 第 五 イリューシャの寝床の傍で 第 六 早 熟 第 七 イリューシャ
第十一篇 兄 イ ヷ ン 第 一 グルーシェンカの家で 第 二 病 め る 足 第 三 悪 魔 の 子 第 四 頌歌と秘密 第 五 あなたじゃない 第 六 スメルヂャコフとの最初の面談 第 七 二度目の訪問 第 八 三度目の、最後の面談 第 九 悪魔 イヷンの悪夢 第 十 『それはあいつがいったんだ!』 第十二篇 誤れる裁判 第 一 運命の日 第 二 危険なる証人 第 三 医学鑑定 一フントの胡桃 第 四 幸運の微笑 第 五 不意の椿事 第 六 検事の論告 性格論 第 七 犯罪の径路 第 八 スメルヂャコフ論 第 九 全速力の心理解剖 疾走せるトロイカ 論告の終結 第 十 弁護士の弁論 両刃の刀 第十一 金はなかった 強奪行為もなかった 第十二 それに殺人もなかった 第十三 思想の姦通者 第十四 百姓どもが我を通した 第十三篇 エピローグ 第 一 ミーチャ救済の計画 第 二 噓が真になった瞬間 第 三 イリューシャの埋葬 アリョーシャの別辞
シュヴァリエ・デ・グリューがようやく17歳になったとき、マノンという美しい少女に会う。彼が犯した幾多の怖ろしい行為はただこの恋人の愛を捉えていたいがためであった。マノンがカナダに追放される日、彼もまたその後を追い、怖ろしい冒険の数々を経て、ついにアメリカの大草原の中に愛する女の屍を埋める。この小説はプレヴォ(1697-1763)の自叙伝ともいわれ、18世紀を代表するフランス文学の一つ。
詩人コクトー(1889-1963)の手にかかると、子供の世界も、ギリシア悲劇を思わせる格調の高さをもって、妖しく輝きだす。白い雪の玉で傷ついた少年ポールが、黒い丸薬で自殺するという幻想的な雰囲気のなかに登場する少年少女は、愛し、憎み、夢のように美しく、しかも悲痛な宿命をになって死んでゆく。
第一次大戦のイタリア戦線。アメリカ人中尉ヘンリーは武器を投げ捨て、恋人のイギリス人特志看護婦バークレイとともに非情苛酷な戦場から逃れる。だが、運命は彼らの愛の成就を許さなかった。物語は、余分な修飾語をはぶき、歯切れのよい文体で展開してゆく。前作『日はまた昇る』で得た名声を確固不動のものにした傑作。
戦場を脱出、追跡を逃れて湖上を渡る恋人たち。だが、安住の地を求める彼らに対して運命は非情であった。作者はこの小説を現代の「ロメオとジュリエット」だと言ったというが、戦争と恋愛を主題としたこの小説ほど国境を越えて愛読されているものは稀であって、読後、悲劇の秀作を観おわったような、さわやかなカタルシスを感じさせる。
梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る…。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。花柳界に力強く生きる女性たちを活写した幸田文学を代表する傑作。日本芸術院賞、新潮社文学賞受賞。