1959年発売
大尉の娘大尉の娘
プーシキン晩年の散文小説の最高峰。実直な大尉、その娘で、表面は控え目ながら内に烈々たる献身愛と揺るがぬ聡明さを秘めた少女マリヤ、素朴で愛すべき老忠僕ー。おおらかな古典的風格をそなえたこの作品は、プガチョーフの叛乱に取材した歴史小説的側面と二つの家族の生活記録的な側面の渾然たる融合体を形づくっている。
デミアンデミアン
デミアンは、夢想的でありながら現実的な意志をいだき、輝く星のような霊気と秘めた生気とをもっている謎めいた青年像である。「人間の使命はおのれにもどることだ」という命題を展開したこの小説は、第1次大戦直後の精神の危機を脱したヘッセ(1877-1962)が、世界とおのれ自身の転換期にうちたてたみごとな記念碑ともいうべき作品である。
レーン最後の事件レーン最後の事件
サム警部のもとに現われた七色のひげの男が預けていった手紙の謎は? シェークスピアの古文書をめぐる学者たちの争いは、やがて発展して、美人のペーシェンスを窮地におとしいれ、聾者の名探偵レーンを巻きこむ。謎また謎の不思議な事件つづき。失踪した警官の運命は? ロス名義の名作4編の最後を飾る、ドルリー・レーン最後の名推理。
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