1965年8月発売
青春はうるわし 他三篇青春はうるわし 他三篇
表題作のほかに「秋の徒歩旅行」「少年時代から」「ラテン語学校生」の3篇をおさめる。これらは地理的にも心の上でも若きヘッセの「ふるさともの」といもいうべき作品であり、郷土にたいする深い愛とその片隅に生きる細やかな魂たちのあこがれや悩みや悦びが清澄なリリシズムで描きだされている。
アドルフアドルフ
これをしも恋愛小説というべきであろうか。発端の1章を別とすれば続く2章だけが恋と誘惑にあてられ、残る7章はすべて男が恋を獲たあとの倦怠と、断とうとして断てぬ恋のくびきの下でのもがきを描いている。いわば恋愛という「人生の花」の花弁の一つ一つを引きむしり、精細に解剖しようというのだ。近代心理小説の先駆をなす作。
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