1966年4月発売
わるいやつら 上わるいやつら 上
“どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ”医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。穴埋めの金は、女から絞り取ればいい…。色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。
イワンのばか 他八篇(民話集)イワンのばか 他八篇(民話集)
ここに収められた「イワンのばかとそのふたりの兄弟」はじめ9篇の民話には、愛すべきロシアの大地のにおいがする。そして民話の素朴な美しさの中に厳しい試練に耐えぬいたトルストイ(1828-1910)の思想の深みがのぞいている。ロマン・ロランが「芸術以上の芸術」「永遠なるもの」と絶讃し、作者自身全著作中もっとも重きをおいた作品。
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