1970年6月発売
ろまん燈籠ろまん燈籠
「兄妹五人あって、みんなロマンスが好きだった」。退屈になると家族が集まり、“物語”の連作を始めるのが習わしという風変わりな一家、入江家。兄妹の個性的なキャラクターと、順々に語られる物語世界とが重層的に響きあうユニークな家族小説「愛と美について」ほか、「ろまん灯篭」「秋風記」など、バラエティに富んだ秀作、計七篇を収録。
怪奇クラブ怪奇クラブ
罪とエクスタシーの作家アーサー・マッケン。イギリス怪奇小説の黄金期を代表する彼の作品は、いずれも妖しいまでの白光に包まれている。本書には、白い粉薬を飲んだがために肉体が溶けてしまう青年を描いた「白い粉薬のはなし」をはじめ、円環をなす一連の奇譚を集めた表題作に、“聖杯”をテーマにすえ、怪奇小説のひとつの終点をも暗示する「大いなる来復」を併せて収録した。
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