1983年12月発売
釣女 -花房一平捕物夜話ー釣女 -花房一平捕物夜話ー
遠山金四郎景晋の配下、花房一平は不正を取り締まるため京へ上った。清水寺から町を眺めていると…。表題作他、殺人事件のカラクリに挑む一平の活躍を描いた作品集。(解説・伊東昌輝)
艶書艶書
宵節句の宴で七重は隣家の出三郎の袂に艶書を入れる。しかし、部屋住みでうだつがあがらないと思っている出三郎には、それが誰からのものかわからないまま、七重は他家へ嫁してゆく。廻り道をしてしか実らぬ恋を描く『艶書』。愛する男を立ち直らせるために、自ら愛着を断つ女心のかなしさを謳った『憎いあん畜生』。著者が娯楽小説として初めて世に問うた『だだら団兵衛』など全11編。
胡蝶の夢 4胡蝶の夢 4
瓦解する幕府の海陸軍軍医総裁となった松本良順は、官軍の来襲とともに江戸を脱出し会津に向かう。他方、ともにポンペ医学を学んだ関寛斎も、官軍野戦病院長として会津に進軍し良順と対峙する。そして、激動のなかで何らなすところなく死んでゆく伊之助。徳川政権の崩壊を、権力者ではなく、蘭学という時代を先取りした学問を学んだ若者たちの眼を通して重層的に映し出した歴史長編。
PREV1NEXT