1986年9月発売
黒の環状線黒の環状線
アメリカ留学中に奇妙な翳りを身につけて帰国した婚約者の日野夏彦を迎えて、千沙子は不安を覚えた。やがて恩師の教授が密室状態で殺され、助教授のポストを手に入れた夏彦に嫌疑がかかった。一旦は容疑は晴れたものの、続いて第2、第3の殺人事件が発生、そこに夏彦が絡んでいる匂いを感じた時、千沙子の不安は怯えへと変わった。未来の夫は殺人者なのか?アリバイ崩しと密室トリックに挑む長篇本格推理。
忙しい花嫁忙しい花嫁
この物語のヒロイン、塚川亜由美。私立大の文学部に通う二年生、少々あわてんぼうの19歳の娘である。彼女はクラブ活動の先輩・田村の結婚披露宴に招かれたが、どうも様子がおかしいのだ。花婿の田村は暗い顔をしているし、その上、当の田村が「そっくりだが、花嫁は別の女だ」と謎の一言を残し、ヨーロッパへ、ハネムーンに旅立った。その後、田村は行方不明に…。そして第一の殺人がー。サスペンスあふれる長編ユーモア推理。
さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記
都を落ちのびて瀬戸内海を転戦する平家一門の衰亡を、戦陣にあって心身ともに成長して行くなま若い公達の日記形式で描出した「さざなみ軍記」。土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。他にSFタイムスリップ小説の先駆とも言うべき「二つの話」を収める著者会心の歴史名作集。
漆黒の霧の中で漆黒の霧の中で
竪川に上った不審な水死人の素姓を洗って、聞きこみを続ける伊之助の前にくり広げられる江戸の町人たちの人生模様ー。そして、闇に跳梁する謎の殺人鬼による、第二、第三の殺人ー。伊之助の孤独な探索は、大店の主人や寺僧たちの悪と欲の世界を明るみに出すが…。元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助を主人公とする、絶妙の大江戸ハードボイルド。シリーズ第二弾。
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