1987年11月1日発売
越後新発田藩士の加納喬四郎は、父代わりだった兄主膳が青柳伊織に斬られて死んだため、藩を逐電した伊織を追って仇討ちの旅に出た。だが、江戸での浪人暮らしをつづけるうちいつしか仇討ちの気持ちを失っていた喬四郎が遭遇した一つの怪事件とは?それは謎の怪人物“将監”にひきいられる黒頭巾の一党を相手にまわす不思議な事件であった。喬四郎が捜す仇敵の青柳伊織は高田玄蕃と名を変え、18歳の娘小夜と深川の長屋で暮らしていたが、将監一党につけねらわれて市之介という侍とともに殺され、小夜も黒頭巾の手で捕われ、石牢の中に入れられてしまった。玄蕃に恩をうけた怪盗速足の小吉が小夜を助け、また喬四郎も小夜のため将監を追った。-将監の正体ははたして何者であったか!
“迷路の町”と呼ばれる一角の居酒屋に、浪人者が屯していた。その中に、鷹羽十四郎がいた!十四郎は将来を約束されている前途有為な青年武士であったが、なぜか無頼浪人の群れに身を投じていた。新妻とも別れた十四郎の身体に秘められている謎とは…。追っ手に後をつけられ逃走中のさよを救ってくれたのは、居酒屋の浪人たちであった。彼らの中にいた十四郎の姿がさよの胸に強く残った。執拗にさよを追う黒装束の忍者群を逃がれる火炎の中で、さよは帛紗包みを十四郎の手に預けた。それは、わが国土の一部をロシア国に売り渡さんとたくらむ陰謀者の面々の連判状であった。松前藩内の騒動にまき込まれた鷹羽十四郎の活躍やいかに…遠山金四郎も登場する伝奇時代長編の野心作!
2年前に家を出奔し、都会の夜に蠢いていた青年利根洋二は、ある日、父がバーのホステスと投宿した熱海の旅館で、客死したことを知った。死因は中高年を突然襲うというポックリ病であった。「あの父が…」死因に疑惑を抱いた洋二は真相を探るべく、さっそく調査を開始した。やがて浮かび上がる、死ぬ直前の父の不審な行動。そして仕掛けられた恐るべき罠に気づく洋二だったが…。大都会の孤独と若者の虚無を描いた傑作長編ハードボイルド!
テレビ視聴者2千万人に目撃されて、アイドル歌手の幡木すすむが生放送中に爆殺された。密室の照明室から、犯人はC地点という謎の言葉を残して消えた。ドル箱スターを失った赤根プロの女社長紀美子が自ら調査に乗り出した矢先、もう一人の所属スター大迫裕志が浜名湖畔のホテルで爆死した。空白の120秒間に起きた完全密室殺人であった…。本確推理復権の旗手が放つ、会心の長編本格推理!
世界的人気のロックグループ〈ホラーバンド〉の東京公演中に、リーダーのミッキーが首を刎ねられて殺された。2日前には同バンドの公演中に、浮浪者の源さんが会場で殺されている。二つの事件に共通項はあるのか?目茶苦茶警部補の南条寿太郎は、なぜかホテトル嬢の香と組んで犯人捜査に乗り出した。が、2人を嘲笑うかのように、バンドのメンバーが次々と殺されていった。怒りに燃える南条の、見るももどかしい捜査から浮かび上がったものは…。抱腹絶倒のギャグ満載で贈る“お笑い警部シリーズ”第3弾!
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
富士王朝人や神国維新革命残党と激しい闘いを終え、大都市にまぎれてひっそりと生きる鬼谷鉄雄こと妖界魔王の前に、右翼の男が現れた。龍盛会の中島孝正会長の代理であった。用件は、暗殺団を撲滅してくれという。その暗殺団とは、妖界魔王のかつての仲間“血の鷲”の凄腕残党で構成され、東京で開催されるサミットの出席5カ国首脳をターゲットにしているという。暗殺が成功すれば、日本が混乱の底に陥ることは必至。束の間の安息から、妖界魔王は再び闘いの日々へと突入していった…。寒地獄から甦った妖界魔王の、官能とバイオレンスに彩られた超伝奇ストーリー!
夢の中で物ノ怪にレイプされつづけた女の胎内に生命が宿った。それは次第に意志をもちはじめ、胎内から女をコントロールしてゆく。女は新鮮な生肉を欲しがり、さらに自らの手脚をも食べ尽くした…。-お食べ、たんとお食べ。大きくなるんだよ。わが子が腹腔の肉を食らう振動、肉の千切れるブツブツという響きが彼女の胴を揺する。それは、ついに女の下腹を食い破り、この世に現れ出た-!デーモンの子の誕生である。
ジャック・サリヴァンー人呼んでザ・スペシャリスト。武器の扱いに関しては他を寄せ付けない殺しのプロフェッショナルである。依頼があれば、どこへでも飛んで行く。だが、どんな要請も引け受ける、というわけではない。殺すに値すると判断した者だけを狙う、というポリシーが彼にはあった。今回の使命は、うじ虫のようなアフリカの元独裁者だった!
本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加え、松野一夫画伯による初出時の挿絵を残らず収録した。
生まれ故郷「地球」を求めて大宇宙をさまよう、さすらいの渡り者アール・デュマレストは、地球座標の手掛かりを握るタマ・シュノートを捜し、ライカンの奥地へと足を踏み入れた。一方、デュマレストに復讐を誓うカロウム家の当主ミルザもまた、彼を追い、シュノートの館へ向かう…。やがてシュノートが地球座標の情報提供と引き換えにデュマレストに持ち出したのは、惑星カスケードの秘境探索への同行であった。生命の謎を秘めた、そのリザムと呼ばれる秘境からいまだかつて生還したものはいない…。
地球帝国諜報員マグダ・ローン。彼女の同僚であり、かつての夫、ピーターが調査活動中に消息を絶った。彼の身を案じるマグダのもとに、ある日、驚くべき知らせがもたらされる。ピーターは、アーデス家の長男キリルと間違われ、悪名高きヘラーズの山賊ル・マルに人質として捕えられているというのだ。マグダは、単身、冬のヘラーズに向かうが…。
フレンド探偵社の社長・浅村志摩男は、20年ぶりに郷里の下関市で開かれた高校の同期会に出席した。2次会、3次会と流れ、4次会のスナックに落ち着いたのは、東京から行った浅村、野間、鳥居と地元の石原夫妻、鈴木の6人。翌日、同メンバーは、フランス料理店に集まって、昼食をとり、東京組は、各々別途、帰路についた。宇部から空路帰京した浅村を待っていたのは悲報だった。数時間前に別れた野間が、新幹線の車内の洗面所で、背中から刺身包丁で心臓をひと突きにされ、殺されたというのだ。計画殺人か、通り魔的犯行か…!(『ひかり10号殺人事件』より)-次々と話題作を発表している著者が新たに放つ探偵ミステリー!
万延元年(1860)江戸城桜田門外の変-大老井伊直弼の暗殺が元側用人伊吹源太郎の運命を一変する。事変後1カ月余。彦根藩首脳の命令が密かに源太郎に下されたのだ。殿の敵は彼奴なり。「水戸城へ潜入いたし、水戸斉昭様の首級をしかと申しうけてまいれ。」源太郎は勇躍する。源太郎は殿かたみの短銃を懐に、桜田門外で彼に替わって死んだ供目付の妻加代と行をともにする。折りも折り、斉昭は、警戒厳重な水戸城下を離れ潮来のあやめを見に出かけるという…。-桜田門外の変その後の歴史の暗部に挑戦する傑作長編時代小説巨編!
トラベル・ミステリ花ざかりの現在、“鉄道”の郷愁をそそられる読者に贈るアンソロジー。本格推理の第一人者、鮎川哲也のセレクトで、有名作家のみならず、主として異色な鉄道小説を収録。ミステリを愛する編者の独自な選択から生まれた傑作作品集である。