1987年9月発売
あたし、法子。イギリスから帰国したばかりのラグビー大好き少女。転入した高校で、さっそくラグビー部へ入部しようとしたら、キャプテンはなんと幼なじみの誠だった。ファースト・キスの約束までした仲だけど「女の子の入部はダメ」と拒否されちゃった。でもそんなことでめげるあたしじゃない。誠を脅迫(!?)して、入部テストにこぎつけた。さあ恋に、ラグビーに、青空に向かって試合開始!
ファイアー・クラッカーって女の子バンド知ってる?ふふ、知ってるワケないか。それって美土里や芽里が作ったロック・バンドなのね。でも、高校生としてはナカナカ、って自信もあるの。だって、サウンド・キッズの中西って人から、スカウトされたのよ!だけど現実って厳しい。中西さんが会社を辞めちゃったり、芽里がバンドを抜けると言いだしたり…。でも美土里はくじけないわ!
君子と隣家のボロンコ刑事とは帰宅の途中、首が切断されている奇怪な事件にであった。殺されたのは、動物園園長の田代。この街では、動物園をつぶして大学設立の資金にしようという動きがある。そのため、君子の通う秋葉学院高等部の生徒を中心に反対運動がはじまったのだ。やがて、第2の事件ー今度は田代の息子の邦雄が殺された。彼が書いた「あいはしる」という5文字のナゾは…?
サニーヒルコーポの12階と11階に住む、花紅子と重はライバル。というのも、ふたりはそろって我生が好きなんだ。目下、熾烈な三角関係大戦争を展開中なんだけど、3人の恋ゴコロはちぐはぐ、もどかしいだけ…。そんなある日、謎めいた美人、あざみさんが越してきた。花紅子と重は新たな恋敵の出現かと焦るのだが、実は、あざみさんの出現はなんと、とんでもない事件の発端だった…。
須田進一との結婚を4カ月後に控えた中野真理子。ある日、彼女は高校時代の自分の日記を発見する。何気なく読んでいると、将来を予知した個所があって、そこには恐しいことが書いてあった。何と婚約者が真理子を殺すというのだ!不安に怯える彼女は進一のことを調べ始めるが…。
ニューナチズムの国際的地下組織は、武器にエイズ・ウィルスを使用して、アジア人抹殺の大陰謀を企てた。まずソウルオリンピックをエイズ汚染による、悪魔の祭典にしようと、作戦「ヌバ」が発動された…。敢然と戦う日本先住民の地下組織「巫女集団」や「地下爆弾」グループ。アジアを舞台に繰り広げる、近未来ミステリー小説。
暗闇から妖艶な娼婦の白い首を絞めあげる手。女の悲鳴とともに踊り出るフクロウ姿の殺人鬼。残虐な殺人鬼アーヴィング・ウォーレスをモデルにしたミュージカルは、公演開幕まであと1週間に迫っていた。ところが、娼婦役のアリシアが稽古で足首を捻挫してしまった。衣裳係のベティを伴い、病院に向かう。この病院にはナントあのウォーレスが収容されていたのだ。病院を後にしたふたりの前を黒猫が横切った。不吉な事が起こらねばいいのだが…。夜も更け、外は豪雨になっていた。リハーサルが行われているロフトに戻ったふたりを待ちうけていたのは殺人鬼だった…。今年度最優秀恐怖映画賞に輝くホラー映画の完全小説化。
「写真撮っちくれんか」-撮影処に現れたのは蓬髪、羊羹色の紋服に、よれよれの袴の坂本龍馬その人だった。時は幕末・明治、舞台は日本の玄関口・長崎。以来彦馬の周囲には、時の重要人物をめぐる事件がつぎつぎと発生する。手掛かりは写真!風雲怒涛の時代絵巻を背景に、日本で初めてのプロ・カメラマン上野彦馬がミステリーに挑む、異色の連作時代推理小説集。
経営難に苦しむ呉服商角屋は隣家からの出火で、店舗と仕入れたばかりの商品を一夜にして失った。父・吉兵衛は縊死し、2人の兄は頼りにならず、膨大な借財を返すため18歳の花江は料亭“たちばな”に住み込んだ。名の通った料亭とはいえ、上客のためには女の世話もする。奉行所の役人や、かつての許婚者が、花江を買いにやってくる…。肉体を超えた凄絶なまでの男女の愛を描く長編小説。
デンマーク4人、ノルウェー3人、スウェーデン4人、アイスランド3人、フィンランド4人-。青年の孤独と女性への憧れ、性の解放と人間の解放、濃密なエロスの世界、神の不在と魂の希求、戦争の深い傷痕、厳しい自然のなかの狩漁や漁撈の生活…ノーベル賞受賞作家をふくむ傑作集。巻末に編者による「現代北欧文学の概観と解説」を付す。
人生、夕方があれば朝も来る-15歳で家出をした健治は、旅館の下働きから日露戦争軍夫へ、北海道のタコ部屋から三越百貨店の宮中係へと、波瀾の道を歩む。そして信仰を得た彼がたどりついたのは、人の垢を洗うクリーニング業だった。-日本で初めてのドライ・クリーニングの開発、厳しい時代の信仰への圧力との戦い。苦難はなお続いた…。天が与えた職業とは何か!?クリーニングの〔白洋舎〕を興した五十嵐健治の生涯に、事業と信仰の根源を描く!
個人が秘密を持つこともままならないような小さな海浜の町イーストウィック。そんな町にふつりあいな大邸宅。そこに大都会ニューヨークから移り住んできたいわくありげで魅力的な中年の独身男。男の出現に色めきたつ3人の魔女。魔女といっても、あの腰の曲がった鈎鼻を突き出した老婆ではない。30代の女盛りの知的で美しい女たちである。いずれも離婚して、自由な生活をおくっている。そうした環境に1人の男が飛び込んでくることで、物語はドラマチックに展開してゆく-。
大人の世界に目覚める思春期の少年たち。彼らを取巻く堕落した社会。自己の衝撃的な体験を見事に昇華させ絶讃を博したラテンアメリカ文学の旗手、’63年の傑作。厳格な規律の士官学校で起こった試験問題盗難事件-密告、いじめ、軍事教練中の射殺…暴行、飲酒、喫煙、盗み、ばくち、カンニングなど、鬱屈しつつも虚勢を張った粗暴な振舞いをする少年たち。弱肉強食の悲情な世界での彼らの成長過程を通して、腐敗、堕落、暴力、不正、偽善にあえぐ現実社会を告発する!
ゴルバチョフ書記長が出席予定の地下鉄新路線開通式で爆破事件が発生、直後に「犯人はファウスト」という密告電話があるが…。書記長の推進する“改革”運動に対する根強い反感を背景に現代ソ連の病巣を暴く話題作。
金髪に縁取られた整った顔、すらりとした身体、そして溢れる知性-そんなサラ・ウイッティカーに、ホープは一目惚れしてしまった。ただ、サラは精神病院にはいっていた…依頼人サラは、ホープに病院から出して欲しいと訴えた。母親、弁護士、精神科医の共謀で入院させられたのだという。サラの正気を信じたホープは、さっそく調査を始めた。そのころ、ホープの友人ブルーム刑事は、河から上がった女性の死体の身許を調べていた。喉に銃創があり、舌を切られた死体の顔は判別不能で、刑事達は唯一の手掛りである赤いドレスを持って聞き込みを始めたが…やがて、事件は思わぬ方向へ展開を見せ始めた!グリム童話を下敷きに練りに練ったプロット、秀れた人物造型-ますます人気上昇、巨匠マクベインが腕の冴えを見せる“殺人”民話シリーズ第五作。
働き者の平凡なトラック運転手と思われていたポール・マイヤーズは、深夜誰に頼まれ、何を運んでいたのか?運転中、崖から転落死したと思われたポールが、何者かの仕掛けた爆発物で命を絶たれたと知ったピナクル保険は調査員デイヴ・ブランドステッターに事件の背景を探るよう依頼した。彼はまず、保険金を請求した未亡人アンジェラに話を聞きに出かけた。彼女は、夫の仕事については何も知らないという。が、そういう彼女の顔は何者かに殴られ、怯えた様子だった。ポール殺しの容疑者はあがってはいた。シレンシオ・ルイス-チンピラグループのもとリーダー格で、ポールの証言により強盗の罪が確定し、保釈になったばかりの男だ。彼の意趣返しかもしれないが、その行方は杳として知れなかった。そのうち、妙な事実があきらかになった。ポールに仕事を紹介した運転手オシーも、やはり変死を遂げていたのだ。しかも、オシーの死亡診断書を書いた人物は偽医者らしい。その上、オシーの妻子も何者かに怯えて逃げ出していた。事件関係者を脅かす謎の人物とは何者なのか?そして、真夜中のトラック便に絡む怪事件の意外きわまる真相とは?