1988年1月18日発売
アブー・ヌワースは8世紀から9世紀にかけてアッバス朝イスラム帝国の最盛期に活躍し、酒の詩人として知られる。現世の最高の快楽としてこよなく酒を愛した詩人は酒のすべてを詩によみこんだ。その詩は平明で機知と諧謔に富み今もアラブ世界で広く愛誦されている。残された1000余の詩篇から飲酒詩を中心に62篇を選訳。
伊東卓也は19歳。大学受験に二度失敗してガソリンスタンドで働いている。ある日、祖父の平輔から海外旅行に出かけるので、運転手として同行するように言われる。平輔は、50年も会っていない弟の錬兵をチリのサンチャゴに訪ね、そのあと卓也の両親のいるアトランタをめざそうというのだ。明治生まれの祖父と19歳の孫の旅が始まる。出会いと惜別、老境と夢。人と人との触れ合いを通して、人生のすばらしさを語る長編小説。
ロサンジェルス近郊の小都市ハンティントン・ビーチで酒屋が襲撃され、警官は犯人を射殺した。しかし襲撃犯は銃を持っておらず、警察は窮地に立たされた。だがこれはある巨大な陰謀の発端にすぎなかった。その陰謀の名は〈ベイルファイア〉。たった1人のテロリストが全市の機能を麻痺させ、壊滅させようというのだ。そして、警官が次々と惨殺される。その狙いは?謀略小説と警察小説をみごとに融合した新鋭の第1級ベストセラー・サスペンス!
ニューヨークで開かれている米ソ軍縮会談の席から、ソ連の科学者ラビノビッチが亡命を図った。「軍縮会談をふっとばす重大な情報がある」ラビノビッチはこう言ったが、その中身を明かす前に、KGSに彼の身柄を奪還された。重大な情報とは何か?米国の影の巨大情報機関DIAのロスとライルは、ことの真相を探るべく調査に乗りだした。だが、KGBは彼らの動きをしつように妨害。ついには2人の生命を狙うべく、殺し屋をさしむけたのだった…。
米国の巨大情報機関DISのエージェント、ロスとライルはKGBに復讐を誓った。謎を解く鍵はアフガニスタンにある。そこで行われる〈SCIMITAR〉プロジェクトがポイントだーそう確信したロスとライルは、アフガニスタンへ潜入。ソ連の謀略の証拠を掴むべく、決死の探査行が始まった。だが、ここにもKGBの手はのびていて、危機が次々と二人に襲いかかった…。米ソ軍縮会談の驚くべき裏面を雄大なスケールで活写する、本格軍事情報小説!
ロンドン近郊ヴァーカスター市の大聖堂から16世紀の誤植聖書「ラティマー・マーシー」が盗まれた。折しも、当地で催されるアート・フェスティヴァルのためにやって来た劇作家マルトラヴァースは自分の推理力を試す絶好の機会とみて調査に乗り出した。ところがその矢先、彼の演劇仲間で当地を訪れていた女優ダイアナ・ポーターが姿を消したのだ。しばらく後、彼女の手首とおぼしきものが発見された…。1986年度CWA最優秀新人賞受賞作品!