1988年10月1日発売
最初の脅迫状にはただ「殺してやる」と記してあった。次に「お前は26日に死ぬ」という予告が届き会社社長は逃げだしたが、特急「にちりん」車内で毒殺された。容疑者には鉄壁のアリバイがある。しかし十津川警部は毒入りジュースの「容器」に突破口があると睨んだ。さまざまな殺意を満載した超A級鉄道推理!
バーゲンの目玉商品は、な、なんと死体と脅迫状!誘拐事件の人質は犯人像について何も語らず。それもそのはず、人質は、な、なんと犬ちゃん!警視庁の名物刑事・香織の迷走ぶりは今度も完壁。あまりの脱線に、娘の理々子がついに乗り出す。超ド級の爆笑エネルギーと大胆トリック、お待たせの逆回転推理第二弾!
キャサリンと恋人の浜口一郎は、京都から2階建て新幹線に乗った。カフェテリアのある個室つき最新鋭車だ。しかし鍵のかかった隣室で証券マンが変死し、連れの若い女は姿をくらました。この新幹線密室殺人につづいて、容疑者の京都ワンルームマンションでも密室殺人が…!キャサリンの鮮やかな四つの推理!
机と椅子がない!からっぽの教室で、コピーの遺書を残し、19歳の圭介は死んだ。窓には錠、ドアには目張り。順也が級友の死の謎を追いつめた時、彼は青春という“密室”の中にたたずむ自分を見つける。周到に張りめぐらされた伏線。たった一日の、三重四重の逆転劇。23歳の処女作にして、これは不朽の名作!
15歳を迎えた年、一三は自ら発心して上京、慶応義塾に入る。作家をこころざすがならず、卒業と同時に三井銀行に就職、だが、そこでの一三は落第サラリーマンでしかなかった。しかし、運命は自ら切り拓くもの、証券会社の支配人職へ勧誘されて彼は断乎決断する。華麗なる財界人への一三の第一歩であった。
想像だにしなかった株価の大暴落は、証券会社支配人の夢を一三から奪いさった。だが、それがかえって好運だったのかも知れない。新たに企画された私鉄建設の話が彼の全途に洋々と開ける。私鉄、デパート、歌劇、映画と庶民の欲望を先取りしたカルチャー商法で“大阪急”を築いた男の明治魂を描く話題作。
結婚をめぐって揺れ動く女心をきめ細かに描き、高雅な香りあふれる短編小説集。忍ぶ恋に悔いのない生き方を想い、密やかな愛のなかで男の優しさを求める女の心情。“幻の辻ケ花”と呼ばれる家康着用の小袖を京都・南禅寺でかつての恋人と共に見る知左子を描く表題作など、現代の女の生き方を問う名品8編。
狂気のテロリスト・グループが、地中海航空のボーイング727をハイジャック。200人の乗客をバスに押し込んでレバノンの砂漠に消えた。「要求が入れられなければ、子供を含む乗客を1時間に1人づつ殺す」。アメリカ大統領は直ちに、直属の極秘部隊(コーディズ・アーミー)を現地へ送った。ウージーが、マグナムが、手榴弾が、最新鋭戦闘機が、ヘリが奏でる地獄の交響曲。
長いあいだ埋もれていた「横山大観」の若き日の傑作が発見された。そのニュースに美大の助手・茂木は愕然とする。数ヵ月前、雪深い秋田の商人宿で、行きずりの男が茂木に見せた絵がそこにあった…。次第に明らかになる12年前の殺人事件の真相は?名探偵・岡部和雄警部の推理が美術界の暗部に迫る。
ローラは、シルバー湖のほとりの払い下げ農地へ引っ越していくとき、すばらしい馬に馬車を引かせた青年アルマンゾに出会った。日々の糧を得るのにも苦労したローラ一家と対照的に、ワイルダー家は、富裕な農場主で納屋に入りきれないほどの家畜をもっていた…。後にローラの夫となったアルマンゾ・ワイルダーの少年時代をつづった物語。
「万人の幸福のために」もっと上等のたばこをつくりたい、そう考えたために国助は専売公社を追われた。ある日、巷の古ぼけた食堂で見知らぬ男に声をかけられ、運河のほとりの秘密たばこ工場に雇われる。そこで次々に奇妙な体験を重ねるが…。表題作「鷹」のほか「珊瑚」「鳴神」を収録。透徹する深遠な幻想と独特の文体のリズムに、痛烈な世相批判を篭める傑作諷刺小説。
霧の深い夜、碓氷峠を走る白いメルセデスが、きまって事故を起こす…。横浜に帰ってきたジロー、ミハル、竜さんの三人組を待っていたのは、避暑地・軽井沢での次の事件だ。なぜ、白いメルセデスばかりが襲われるのか…。事故に誘いこむ赤い尾燈の謎に、逆ハンぐれん隊が挑戦!碓氷峠を舞台に、3人の軽妙なドラテクが霧を裂く。はたして白いメルセデスに隠された秘密とは…。
フィアンセの宙太がいながらも、いまだあきたらずにイイ男さがしのひとり旅を続ける、自称“恋の狩人”星子サン。しかし、今回ばかりはワケあって、宙太とふたり、ブルートレイン『北斗星』で北海道へ旅立つことに。ところが星子、一流ホテルの雰囲気漂う素敵な客室に酔いしれる間もなく、女性の死体を発見。そしてそれが、星子にとって生涯忘れえぬ、つらく悲しい旅の幕開けになろうとは?
「学校には悪い大人がいる」そう言い残して辞めていった後藤先生。あたしたち、何のことかさっぱりわからなかった。ところが次の日の朝、英語の岩根先生が密室状態の音楽室で殺された…。怪しいのは岩根先生とつきあっていたハンサムな森川先生、それにPTAの綿引会長。あたし・南子は早速、事件解明に乗り出した。…でもコアラ先生、犯人について何か知っているんじゃないかしら?
おなじみ聖クレア高校の由季、邦彦、浩一、そして地縛霊の今日子たちは、琵琶湖に面したホテルへ修学旅行に出かけた。もちろん新聞部の連中も一緒である。このホテルには、重症のアトピー患者のサッちゃん親娘と、行方不明の花婿を捜している三人組と、正体不明の暗殺チームがいた。聖クレアのおせっかい焼きの四人は、怪異現象の起こるホテル周辺で、花婿捜しの手伝いで飛び回っていた。
あたし、沖田五月。道場の娘で剣道の達人なの。正義感が人一倍強くて、ケンカっぱやいのが玉にキズだけど。ある日あたしは西麻布のプール・バーで数人のチンピラをたたきのめし、鎌倉の高校に転校させられることになったの。転校当日、カッコいいフェンシング・ボーイ・藤原秋と出会ったのもつかのま。あたしは、すぐにきびしい校則をおしつけようとする体育教師・石本と対立することに…。