1988年10月1日発売
お好み焼き『ペーパー・ムーン』はパートさんがお休みしてるんで、商店街の福引きの当番が割り当てられた日は、あたし、奈々子と耕介くん、マスターの三人は大変。急いでるのに遅刻して怒られ、苦手のネギで指切って、ついでに階段でコケてカワイイ女子高生を踏んづけてしまった。そしてその女子高生が大富豪の柿の木御殿のお嬢さまで、耕介くんを恋人にしたいと、あたしにライバル宣言をした。
失恋の痛手を忘れるため、自分の道を見つけるため、美也子はロンドンに留学中。優しいホスト・ファミリーや陽気な仲間に囲まれ、いそがしいけれどにぎやかな毎日だ。ある日、大事な試験に失敗して落ちこむ美也子のもとへ、日本からの電話が届く。相手は瞬。美也子の想いがかなわなかったひと。その瞬が、夏休みを利用してロンドンに遊びにくるという…。好評『恋のむこうにオフロード』の続編。
七生は中三、努力のかいあって成績はいい。が、運動だけはダメ。まったく泳げない七生に、保健の先生は「このままでは、赤点をつけるわよ」と脅かす。七生のもう一つの悩みは、どんなに努力しても、クラスメイトの伊戸川君を抜けないことだ。七生は友達のテルコと塾に行くことにした。ところが、その塾には伊戸川君がいた。もっと驚いたのは塾の先生。-水泳を教える塾なんてあるの?
あたし、八彦沢リサ。16歳。リサって呼んでね。ふつうの女の子のつもりだけど、食欲だけは誰にも負けない!って特技があるの。今日も“青山グルメガルーズ”の仲間、歌子やめぐと、おいしいもの屋さんめぐり。というのもね、学園のアイドル・東山薫くんの好みの女の子が「ポッチャリしたタイプ」っていうじゃない。彼好みの女の子になって彼の愛を、とガンバってたのだけど…。
おれ、城西潤、18歳。渋谷学院大学一年生。実は好きな女の子がいて。名前は、真田慧子。同じ刑法クラスの子。明るくて気まぐれで、ミステリアス。だから恋人同士になりたいのに、彼女にはその気はないみたい。非常に残念ですけど。-でもクラスの仲間、慧子や詩織たちとスキーに行くことになって…。恋する男の子の心をのぞいてみたい女の子は必読!やさしく哀しく甘やかな青春物語。
OL探偵の花子クン、今回は体当りの突撃精神でナント、ソープランドに潜入しちゃったのだ。ドッキリするような行動をしても、とってもかわいい花子クンに、刑事たちもついウットリ。ストーリーは東京の名所案内も兼ねていて、新東京も、旧東京も一読すればすっかりのみこめちゃうのだ。花子は鎌倉住いの新東京人だが、古い東京の良さにもふれてみようと頑張っちゃう。果してシリーズ第2回の花子探偵の活躍ぶりとは?
仮釈放を十日後に控えて、模範囚・西崎洋平が高崎の刑務所から脱走した。おなじみ、神奈川県警広域捜査班の新人類刑事・五月千春は、その謎を追って、愛車MGで九州・熊本へ飛ぶ。ところが、同じ西崎を追う警視庁のエリート女刑事・錦由多加が現われて…。
燃えるアフガン!愛に生きるか、大義に死ぬか?パリに暮らす美しい女性ジェーンは愛した男がCIAのスパイだったことに心を傷つけられ、フランス人医師と結婚した。ふたりはアフガニスタンの医療奉仕に出発する。ソ連軍の侵攻に必死の抵抗をするゲリラの村が新しい仕事場であった。戦闘が激化したある日、ジェーンは信じられない光景に出くわす。夫がひそかに会っていた人物はソ連KGBの情報員だったことがわかり…。アフガン戦争の戦火の陰に、ケン・フォレットが愛と死を見つめる傑作。
フランスで行われた重賞レースで進路妨害をした騎手ラミレスは失格になった。馬主のモローは激高し、マネージャーのライにラミレスを処分するように命じた。ラミレスを受び出したライは,馬主の意向を伝えたが,逆上したラミレスはナイフを抜いて、「おまえと女房を殺してやる」と捨て台詞を残し立ち去った。数週間後、ラミレスの死体が発見され、ライに疑いがかかる…。
「触ってもいい?こんな風に触ってもいい?こうしても?あたしに撫でられて、気持悪くない?よかったら、あたしに好きなことしていいわよ…」ブエノスアイレスの刑務所の中で生まれた、テロリストとホモセクシュアルの、妖しいまでに美しい愛。アルゼンチンの作家、マヌエル・ブイグの野心作。映画化では、ウィリアム・ハートが、その名演技で〈アカデミー主演男優賞〉を受賞して、世界の話題をさらったものである。
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か?そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか?
犯罪的な暗い過去を持つ自動車整備工の雪森厚夫(49才)は、病める神経に苦悩している女子大生池端和香子(24才)に愛情を抱きはじめた。1969年1月、彼女はT大生の恋人守屋牧彦の影響で大学紛争に参加、牧彦はT大学を占拠し、機動隊や和香子の父池端教授と戦い敗退した。’69年2月、雪森と和香子は、新幹線爆破事件の容疑者として逮捕された。悪魔的な捏造で引き裂かれる魂を描く。
恐ろしい冤罪に耐える和香子と雪森を救うため、奔走する若き弁護士阿久津純。1969年2月11日の二人のアリバイが立証され、無罪の判決に至るまでに10年近くの年月が流れた。和香子は述懐するー監獄の現実は監視し管理し命令し密告し人間を家畜みたいに取り扱うと。今、和香子は雪森の故郷北海道根室に彼を追う。この土地で二人で生きるために…。人間の魂の救済と愛を描く力作長編。
「ジョン・レノン対火星人」のサインを出されたバッターはいったいどうすればいいのだろか?打つ?一球待つ?その奇妙な三塁コーチャーが死んでしまった現在では、わたしたちには確かめる術がないのであるーというわけで、頭の中がスプラッタしちゃった「すばらしい日本の戦争」を救うべく、T・Oとわたしの奮闘が始まった。世界初の三島賞作家が贈る60年代3部作完結編。
いたるところでブルドーザーがうなりをあげ、ついでに若者の頭の中も工事中だった東京、60年代。サルトルを片手に女の子をくどき、路地裏でチンピラと乱闘、就職試験トレーニングの合い間に火炎ビンを投げていたあの頃。唐十郎、三島由紀夫、安西水丸など数百人の実名オールスター・キャストで、オリンピックと安田講堂の東京を再現する、嵐山光三郎初の自伝的大河青春小説。
結婚したガープは3編の小説を発表し幸福な毎日を送るが、妻ヘレンの浮気に端を発した自動車事故で1人の子供を喪い、ガープ夫妻も重傷を負う。女性に対する暴力をテーマに、傷ついた心と体を癒しつつ書いた小説は全米にセンセーションを巻き起こした。一躍ベストセラー作家となったガープは悲劇的結末への道を歩み出していたー。現代をコミカルに描く、アーヴィングの代表作。