1988年発売
「僕は殺し屋になりたい。高校生という役割を演る(ロールプレイ)のはもうごめんだ」陽奥峯士は思った。三週間前、全てがロールプレイに過ぎないことに気付いてから、学校にいくのは止めた。担任がやって来るのも、母親がおろおろするのも、それぞれの人間の役割だからそうするだけ。現実とは、都市のすべてのエネルギと物質と情報を管理する、都市中枢制御体・クォードラムが与えてくれた虚像にすぎない。果せるかな、そんな峯士の願いは聞き入れられた…。発狂し壊れてく「未来都市」を描き出す、鮮烈サイバーシティ・ファンタジー!
女子高校生連続殺人事件が都内各所で頻発するある日、向陽学園高校ではミニ新入生コンテストが催された。1年生の朝生萌は女子プロ並みの肉体を誇る小暮小鈴といっしょに参加した。彼女たちのお目当ては泉麻沙樹、生徒会長で全女生徒憧れのプリンスだ。最初に誰を選んで彼がダンスを誘うか?時葉ヒカルはじめ美少女たちの目は、完全ハート型…妍を競っている最中、神秘的な美貌で人気のある仁科瞭子が血まみれの死体で発見され、同時に萌は瞭子の体にのり移る異常体験に見舞われた。その夜、闇の奥から“声”が、寝室から出るように萌を招き寄せた…!?書下し長篇コミック伝奇アクション。
バンコックで宝石商を営む元日本大使館員、津上啓助は商用で訪れたロンドンで殺人事件に巻き込まれた。タイに戻り、宝石の買い付けに行った北部国境地帯でも武装集団に襲われる。その頃、タイ国内での軍事政権打倒運動が起こっていた。この一連の事件の背後に巨大な罠が…。タイ、ビルマなど東南アジアを中心に、ロンドン、東京を結ぶ国際的スケールの謀略アクション巨篇。
2年来の世界的な異常気象による飢餓と貧困は死者300名を超える東京大暴動をもたらした。そんな不穏な状況下で、確実に信者を増やしている組織があった。〈コムレ協会〉である。巨人津荒羅の復活による世界の「立替え立直し」を説く協会の開祖・古牟礼マキは実質的な指導者・生島郷治を片腕に、太古の黄金時代「古牟礼御世」の再建を目指すのだが…。《復活篇》に続く近未来SF長篇、待望の第2弾。
松永丈太郎、かつて敏腕記者、今、しがない探偵。そんな彼に儲け話が舞いこんだ。依頼主は政界に絶大な力を持つ服部宗十郎、調査相手は大学生片瀬直人。楽な仕事と高を括っていたが、偶然、片瀬の凄じい武技を目撃、加えて服部の失脚を狙う現職総理の密命で、内閣調査室まで動きだしたー。1200年、連綿と続く服部一族の権力の秘密は何か?片瀬の正体は?一撃必殺の拳法が炸裂する超伝奇アクション。
長州征伐前夜の幕末の江戸。幕府典獄・石出帯刀らは、伝馬町大牢から獄門寸前の元大船頭本荘長太夫をひそかに破獄させた。長太夫に影のようにつき従う幕府お庭番。果たして帯刀らの狙いは何か?新興開港地横浜の異人館に逃れた長太夫らは、数万両の大金とともにシャンハイに向かった。博多商人、俳諧宗匠、遊び人と次々と姿を変えて謎を追う鞍馬天狗も、蒸気船であとを追うが…。痛快時代長篇。
鞍馬天狗の追及を逃れてシャンハイへと向かった本荘長太夫は、はじめて破獄の真相を知った。長州征伐のためシャンハイで軍艦を買付け、日本に回航させようと目論んだのだ。だが、この企みは失敗に終り、長太夫は奇兵隊隊士篠塚多七郎のつてで長州へと向かった。一方、鞍馬天狗も西郷隆盛の密命をうけ、京から長州戦争の真只中へ。ようやく巡り会った長太夫と天狗の巖流島の対決。痛快時代長篇完結篇。
俺は私立探偵のジョー・コップ。こいつは全くの偶然だが、もとは警官だ。聖人君子というわけにはいかないが、正義感もほどほどに持っている。ちょっと強もてもするし、ストリート・ファイトもまあ得意なほうだ。そんな俺のところへトラブルの匂いをプンプンさせた女が訪ねてきた。ところが、この女は俺の事務所を出たとたんに、轢かれちまった。-傑作〈死刑執行人シリーズ〉につづく待望の新シリーズ誕生。
冬の午後にさす一条の斜めの光-。大伽藍にひびく重厚なしらべのように光が胸をふたぐ。孤高の詩人エミリー・ディキンスンをモデルにデュラスがつづる、愛することと書くこと、そしてしのびよる死をめぐる物語。最愛の息子への“遺書”とも思えるデュラスの最新ロマン。
本書は映画「ビバ・ラ・ビ」をノベライズしたものである。「ビバ・ラ・ビ」はひとつのミステリーであり、夢である。「ビバ・ラ・ビ」のスペースは晩秋から冬にかけてのパリとその郊外、タイムは私たちの生きている今…。スペースとタイムの設定はあくまで日常の域-しかし、この作品全体の印象はきわめて夢幻的だ。
松井滝彦はフリーのカメラマンである。カメラの仕事をしていると、彼には何かが憑くという感覚にしばしば襲われることがあった。取材先で出会う超自然現象に、現実ともつかない夢ともつかない幽界を漂うことがある。特に、怨念に満ちた過去の男たちと女たちのどろどろした愛欲シーンを垣間見たり、あるいは彼自身が、現実の女か亡霊かもわからないまま、その女との愛欲に取り憑かれ、おぼれてしまうのだった…。ファインダーから覗く異形の世界を余すところなく描く、官能ミステリー。
東京・新宿の超高層ビルに謎の組織「至福教団」が出現して以来、都内で異常な事件が続発した。通り魔殺人、ポルターガイスト、さらには、突然身体が人肉花火のように爆発する超カマイタチ…街は恐怖に怯え、猟奇の世界と化した。果たして、この怪奇現象は至福教団の仕業なのか?そして教団の教義〈土竜の心臓〉とは?教団の正体を暴くため、陸自中央調査隊・陣内と内調・氷室の切れ者二人が手を組んだが…。スーパー猟奇アクション。
博多行きの寝台特急「あさかぜ1号」2人用個室で、現金1千万円を持つ本田徳一郎が毒殺された!連れの女性はなぜか事件直前に、岡山で途中下車していた。この謎の美人・白井マユミに、車中で惹かれた警視庁杉本刑事は、単身、尾行を開始。彼女の乗った「北斗4号」「おおとり」でも第2、第3の殺人が…!3人の被害者の共通項は?死を呼ぶ女-マユミの正体は?異色のトラベル&ラブ・ミステリー秀作!
純白のドレスに、真っ赤なしみがついた。観客が騒ぎだした。オペラの舞台上で、本物の殺人を目撃した孔雀警視は、そのまま怪事件の渦中へ!謎の館に幽閉され、全裸で縛りあげられて、鞭とローソクで…。つぎつぎ起こる奇怪な殺人、そして若き人形師への恋の予感!恋と事件が大好きな、おなじみ笙子の大冒険、第13弾。
丸の内銀行、東京駅前支店に大変な美人がいる。中上川良子、銀行の創業者中上川弥太介翁の孫娘である。一般行員にはアンタッチャブルのこのお嬢様がなんと、関東ではもはやただ一つの賭場を取り仕切る二代目賭博師であった!美人賭博師が男たちをしり目に、次々と起こる難問題に立ち向かう好評“博徒シリーズ”第2弾。
決戦のときは来た!輪廻転生を繰り返し、千数百年に及ぶ呪いとの戦いを続けてきた姫と5鬼。果たして、完全なる勝利を得て富士に封印された仲間の霊を解放することができるのか。強敵に立ち向かう彼らの胸に、初戦での凄惨な敗北が蘇る…。興奮、驚愕、恐怖、官能…すべてが凝縮されて結集。