1989年2月発売
八ケ岳山麓にある猪狩家の別荘で不可解な惨劇が相ついだ。17歳の静香は密室でシャンデリアから逆さづりで殺され、母親は足跡ひとつない新雪の中、絞死体で発見された。静香の家庭教師・徹のSOSで駆けつけた名探偵・信濃がたどりついた無惨な真相とは?衝劇の処女作「長い家の殺人」に続く渾身の本格推理第2弾。
『八犬伝』の伏姫、『番町皿屋敷』のお菊、三ツ目小僧ー。物語、伝説、夢、フォークロアなドを鮮やかな媒介として、“秩序”“制度”からはぐれ、はずれた生や、愛たちを問う、“新しい時代”の女性作家・津島佑子の果敢な力業。時代が生んだ“生”の新たな意味を問う中篇連作集。
うわべは優雅な村人であった亡父の形見の六連発の拳銃。母の心臓に、雷に打たれたようにある六つの小さい深い穴。さりげない筆致と深く暖かな語りのうちに、生きていることの根に、静かな声援をおくる三浦哲郎の鮮やかな短篇連作の世界。野間文芸賞受賞。
巨大なコンクリート団地のそばにポツンと残された小山が、実は首塚であり、偶然にも滝口入道、「平家物語」へと話は進展し、作者自身の大病から首塚の主・馬加康胤と地名の由来となる痛快な物語。
恋さがし、いい男さがしの旅にもちょっぴり疲れてしまった我らが星子サン。そろそろ宙太との結婚を本気で考えはじめたその矢先、「美空宙太氏の正体をあばく旅に、あなたをご招待します」という謎の手紙とともに届いた1枚の指定席券。目的地・仙台で待つ、宙太の恐ろしい血の秘密とは?恐怖の殺人事件の中で、今ひとつひとつの謎が明らかになる。
バレンタイン直前の夜、南子の自宅に泥棒が入った。盗られたものは何もない。犯人も侵入経路もわからないまま迎えた2月14日。憧れの清水先輩にフラれ、さんざんの南子の前で毒入りチョコレート殺人事件が起こった。ああ、呪われた男女相愛の日。おなじみ探偵クラブの面々に北野+明石刑事コンビ、そして、ちょっとE男の達也クンを加えて、爆笑ドタバタ大捜査の始まり始まり!
校内スキー大会で滑降の三連覇を狙うぽぷらに、新聞部の美少女・霜山さんが密着取材。彼女、“P・N”ってイニシャルの入ったセーターまで編んでるらしい。いっぽう、わたしにも、女生徒にモテモテの三浦君が「ケーキの作り方を教えてほしい」って大接近。でも彼は今度のスキー大会で、ぽぷらのライバル。しかもこともあろうに遼とも三角関係?そんな、ねじれにねじれた関係が大会当日…。
そのひとから初めて手紙がきたのは2年前、あたしが小学5年生の夏休み。『とつぜん、すみません。…いつも、あなたのことを心にかけています…』そんな文面で、『倉島水帆様』あてさきは、たしかにあたし。だけど、差出人の住所も名前もない。それからも何通も届いたそのひとからの手紙。その、あたしに対するやさしさ、思いやりに心うたれあたしはそのひとに恋してしまったのです。
あたし、吉田日和。琢磨とカップルになれて初めての夏を迎えたの。一応受験生だけど、せっかくの夏だもの、明るく青春しなくちゃねーのはずだったのに、近頃出るのはため息ばかり。琢磨はバンドに夢中でちっともかまってくれないし、好青年・八木橋くんの優しいアプローチは少しずつ心を揺らしてくみたい。あたし、このまま琢磨とすれ違っていっちゃうの?「きらきら星をあげよう」の続編。