1989年6月発売
フランス大革命に19年先立つ1770年、美しく愛らしいオーストリアの王女が、わずか14歳でフランス王太子に嫁いだ。待ち受ける運命の罠を知る筈もなく…。ヴェルサイユの薔薇と咲き誇り、奔放に王国に君臨したマリー・アントワネットをめぐる宮廷の陰謀、夫ルイ16世との秘話、数々のスキャンダル、真実の恋人フェルゼン伯の登場…。しかし王制打倒を叫ぶ革命の波は既にうち寄せていた。
1789年7月14日、蜂起した市民はバスチーユ監獄を解放、ヴェルサイユに向けて行進をはじめた。そして、それは栄華をきわめたマリー・アントワネットの没落の始まりだった。フェルゼン伯や友人の、必死の救出作戦もむなしく…。わずか38歳で断頭台に散った悲劇の王妃の波瀾の生涯を受惜こめて描きながら、フランス大革命の光と影の真相に迫る、歴史伝記文学の巨匠の世界的な代表傑作。
葵祭りに華やぐ京の街。だがそんな折り、『ジュウニヒトエの男』という奇妙なダイイング・メッセージを残し、女子大生が殴殺された。被害者の水原奈美は京南大学の学生…。キャサリンは恋人・浜口一郎と捜査に乗り出した。しかし、死の直前に奈美が訪ねた桃山城から、なんと新たな女性の絞殺死体が!?連続殺人の謎を解く鍵、『ジュウニヒトエの男』とは、はたして何者か?難事件解決に名探偵キャサリンの推理がきらめく!密室、アリバイくずし、暗号…、トリックの魅力を満載した好評、名探偵キャサリン傑作集第5弾。
大東宣伝企画制作部課長の青崎常弘は、大阪本社から支社長として乗り込んできたやり手、杉原の影響でゴルフを始めた。練習を重ね、自信を持って会社のコンペに参加した青崎だったが、失敗の連続で惨めなデビュー戦となった。その上、パーティでも大失態を犯し、杉原支社長の怒りをかってしまった。ゴルフを始めてから仕事もうまく行かず、後から始めた女房にも負けて、性格まで卑屈になってしまった青崎。ゴルフをやめようかと悩む青崎は、練習場で自分より下手くそな飯合に出会うが…。中堅宣伝マンに突然振りかかったゴルフ珍騒動。たかがゴルフ、されどゴルフ!悲喜こもごも、哀歓あふれる新サラリーマン小説秀作。書下ろし渾身作。
維新を動かした英才たち、高杉晋作や伊藤博文に、大きな影響を与えた松下村塾。その塾長・松陰とは、どんな人物だったのか。三十歳の、短い燃焼度の高いその生涯を描き、思想と行動を浮き彫りにする。
掏摸の亀造、元博徒の三四郎、そして元刑事の源吉は、あてのない旅を続けていた。ある日、亀造が中国人の男から財布を掏ったところ、中には諜報戦の鍵を握る機密文書が隠されていた。各国の諜報部員が入り乱れての機密文書争奪戦が始まった!レイプの嵐吹き荒れる長編ハード・アクション小説の痛快作。
「どんな卑劣な手段を使っても、あなたを叩きのめす!」野望に燃える若き挑戦者早川吾郎は、新聞・TVを牛耳る“マスコミの帝王”五味大造に宣戦布告した!五味の愛娘に接近し、その背後に隠された疑惑に迫る早川。反撃に転ずる五味との死闘!頭脳と権力の虚々実々な闘いに、謎とサスペンスを織り込んで描く傑作悪漢小説。
レイプから助けてくれたはずの男の手が、いつしか女の白い肌にのびて…。美しい未亡人、赤垣美晴はレッド・ウイドウ相談室のカウンセラーだが、実は特別秘密捜査官。愛用の拳銃片手に官能的な肢体と明哲な頭脳で事件に挑む。エロティシズムとサスペンス渦巻く13編を収めた。大好評官能ミステリーシリーズ第4弾。
あたし、タンテイ学院を卒業、探偵事務所に勤めるセクシー・タンテイ。所長はS・ホームズばりの男前だけど女嫌いみたい。ところが恩師の学院長が殺された。さあ犯人をあげなくちゃ。とたん、女の尻を追う光輪坊ケイジ、忍法処女破りの白雲斎、名器を備えた人造美人研究家が現われて…。あたしの処女のほうはどうなるの?
「会長が頭を撃たれて即死!」の情報が吉備組の事務所を動転させた。吉備兼造はハワイから恋人を招き、東京見物の最中だった。襲撃者は宿敵槌田組の猛者たち。当然、復讐戦が練られたが、警察の監視は厳しい。すると槌田組長が前親分の墓参で熊本へ飛ぶという。吉備組の蒲田啓一は搭乗員の服で空港へ潜入!手に汗握る力作を精選。
波乱の半生を送り、ペリーの麻薬王にのし上がった男、カルロス・オルテガ。今、組織の暗殺団に追われ、逃亡の身である彼の手中には、重大な秘密が明かす日記があった…。一方、ボストンで新聞社を営むドーソンは、ドライブ中、死体を埋葬する男たちと遭遇、銃弾をうけ失神する。だが、翌日現場で発見された死体は唇と鼻を切りとられ、彼が目撃した白髪の男とは別人であった…。-南米とボストンを舞台に展開する麻薬軍団の恐るべき陰謀。
飛行機事故から九死に一生を得たカトリーナは久しぶりにニューヨークに戻ってきた。そこに突然、別れた夫のデイヴィッドが現われた。なぜあなたが…?そういえば墜落するときデイヴィーに会いたいと書いた覚えがある。でも、あれは初恋の人のこと。この横暴な前夫のことではないわ。売れない役者から、今やお昼のメロドラマの主人公として全米の恋人となったデイヴィッドはセクシーに眉を上げてみせた。
「こいつをしつけてほしいんだ」息子からプレゼントされた犬を連れケンネルを訪れたマットは、いたずらっぽく微笑んだ。ブロンドの髪にブルーの瞳のケンネルの経営者マージョは、不思議と彼に惹かれてゆく。しかし何度となく夫に裏切られ、やっと嬢と2人静かに暮らしていけるようになった彼女は、自分の心の揺らめきに戸惑うのだった。