1989年発売
オクスラン・ステーションへようこそ。ここは何かに憑かれた町。-ちょうどひと月前、シドはオクスランに帰ってきた。めくるめくようなヨーロッパ旅行だった。それにひきかえ、この町の刺激のなさと言ったら。相変わらず眠っているようだし事件も起こらない。ただ、両親や兄たちの様子がちょっと変なのが、気にはなるけど…。そんなある日、一台のリムジンが彼女を轢き殺そうとした!ついに、オクスランが目覚めた。シリーズ第三弾。
「そんな馬鹿な」クーリッジは愕然とした。全世界の情報を収集、分析する究極の謀報機関〈図書館〉。館員の一人クーリッジは、秘密漏洩防止のため仲間の監視を命じられてたのだが、ある日、〈ドクター〉と呼ばれる館員が外部と通じていることに気づく。アメリカ合衆国の最高機密を知りつくした12名のアナリストー彼らの中に裏切者がいるというのか?現代スパイ小説と国際謀略小説の妙味が渾然となった、衝撃の超大作登場。
東ドイツの国境地帯。ソビエト連邦が始めた駐留軍隊の増強は、エスカレートの一途をたどっていた。高まる東西間の緊張。切迫する第三次世界大作勃発の危機。だがこのときのために、〈図書館〉はひとつの切札を用意していた…!一方クーリッジは、紆余曲折のあげく、ついに〈ドクター〉の正体を突き止めるに至ったが、そのために絶体絶命の窮地に立たされてしまう。はたして彼の運命はーそして全世界は、どうなってしまうのか。
森の国シャンバラーは、死の冷気に包まれていた。数年前に襲った天変地異のため、水の恵みも人々の往来も遮断され、国が滅びようとしていたのだ。死の床にあったセフィロト王は、いまわのきわに遺言を残した。「如意宝珠を探し出し、谷に投げ込め。それしか国を救う手立てはない」この遺言を耳にした第2王子は、祖国を救うために立ち上がった。黒魔術を自在に操る偉大な魔道士でもある王子は、その名をメスロンといった。スーパーアドベンチャーゲーム。
1920年の夏のある日、英国ヨークシャの田舎の小駅に一人の若者が降り立つ。村の教会の壁画修復にやってきた彼、バーキンは、第一次大戦で心に深い傷を負っていた。静かな村でも主人公のひと夏の経験を柔らかな筆致で描き心にしみる名作。ガーディアン賞受賞作品。
「ああ、奥さんの、名器だ。すごいですねえ、よく締まる。しかもザラつきがいい」といいながら医師の御主人、さらに深く入れてくる。主人も、医師の奥さんも、ベッドの上に起き直って、こっちをじっと眺めている。-初体験のスワッピングに戸惑いながらも、甘美な官能に痺れる人妻を濃艶な筆致で描く。
昼下がりの喫茶店に一人いた悦子は、突然見えざる触手に体をまさぐられ、思わず絶頂の呻きをあげそうになった。TVディレクターの本郷はその奇妙な事件を追ううち、超能力者の存在に突きあたる。やがてこのエスパーの奪い合いで、新興宗教勢力と自衛隊の暗闘が始まったが、実は背後に極東全体の情勢すら左右しかねない秘密が隠されていたのだ。
ボクの名前は坂本勇作。夏休みを利用してアメリカのペンフレンド、アリサ・ミルフィードを訪れているんだ。ところがある日、ボクたちの乗っていた遊覧飛行機が、進化した恐竜人の支配するパラレルワールドにワープしてしまった!近くの村に住む親切な恐竜人に助けられたものの、その夜「ハンター」と名のるなぞの集団に襲われる。アリサのパパをはじめほとんどの人間はさらわれてしまったが、ボクとアリサはたまたま通りかかった恐竜人の勇者ゴメシスに助けられた。アリサのパパたちを救い出すため、ボクは恐竜界の旅に出ることを決心するのだった。
ベトナム帰還兵ジェイムズ・ウォーカーは、かつての上官で現在は米陸軍情報部大佐“J”の策謀で、メイン州の刑務所に収容されていた。奇襲突撃隊員としてベトコンに恐れられた彼は、あまりにも危険な存在だったからだ。ある日、刑務所にまで“J”の黒い牙が迫っているのを察知したウォーカーは、脱走して山岳地帯にたてこもる。包囲する地元警察。なんとしても彼を抹殺せんとする米陸軍。ウォーカーの“たった一人の戦争”が始まった!
近未来のアメリカ。そこでは選抜された十四歳から十六歳までの少年100人を集めて毎年五月に〈ロングウォーク〉という競技が行われていた。アメリカ・カナダの国境から出発し、コース上をただひたすら南へ歩くだけという単純な競技だ。だが、歩行速度が時速四マイル以下になると警告を受け、一時間に三回以上警告を受けると射殺される。この競技にはゴールはない。最後の一人になるまで、つまり九九人が殺されるまで、昼も夜もなく競技はつづくのだ。体力と精神力の限界と闘いながら、少年たちは一人また一人と脱落し、射殺されていく。彼らは歩きながら、境遇を語り、冗談を交わし、おたがいを励ましあう。この絶望的な極限状況で最後まで生き残るのははたして誰なのかー。死と直面する少年たちの苦闘を描いた、鬼才キングの問題作、ついに登場。
SIS長官ケネス・オーブリーは二年ほど前からKGB副議長カプースティンとヨーロッパ各地で秘密裡に接触を重ねていた。カプースティンから亡命の希望がよせられ、二人はその条件や手はずを話し合っていたのだ。接触は組織を離れた個人的なもので、カプースティンはつねに独り、オーブリーのほうも工作員のハイドを随行させただけだった。ところが、話も煮詰まった冬のウィーンでの接触で、KGBの副議長は不意に亡命の意志を翻した。その直後、オーブリーはソ連のスパイとしてバビントン率いるM15に逮捕されてしまう。〈涙のしずく〉というコードネームを持つソ連のスパイである、というのが彼に着せられた容疑だった。あやういところで、逮捕をまぬがれた部下のハイドは、敵味方の両組織から命をねらわれながら、オーブリー逮捕の手懸りを求め、救出にのりだした。
オーブリー逮捕劇の真相とは?ウィーンのKGB駐在官を拉致したハイドは、その男から驚くべき人物の名前を聞き出した。ペトルーニン。オーブリーのために大失態を演じ、アフガニスタンに左遷されたKGBの大佐だ。今回の〈涙のしずく〉作戦はペトルーニンが考案した謀略だというのだ。KGB上層部は彼をアフガニスタンへ追いやりながらも、その計画だけは取り上げ、いまそれを実行に移したのだ。だが、計画の全貌は発案者のペトルーニン本人から聞き出さなければならない。ハイドは宿敵を求めて単身、戦乱のアフガニスタンへ飛んだ。繊細な野獣に変身した工作員ハイドが、駆け、吠え、襲い、逃げ、殺し、恐怖に身を震わせ、苦痛に身をよじり、ウィーン、アフガニスタン、チェコスロヴァキアと、地獄のなかを疾走する。
右大臣兼家の第二夫人で、本朝三美人の一人といわれた道綱の母は、夫の愛を独占出来ぬ一夫多妻の世で、日夜懊悩する。染め物・和歌・散文と多芸多才な、平安女流作家の謎の生涯を描いた書き下ろし長編歴史小説。
派闘争いに巻き込まれ、背任の濡衣を着せられて、大日本商事を辞めたエリートサラリーマン・谷沢。身の潔白を証明し、真相を究明する谷沢が、事件の鍵を握りながらも謎の失踪を遂げた元上司・佐々木の行方を追ううちに辿りついたのは、意外にも新興宗教団体〈浄霊九竜教〉の存在だった。しかも、調べを進めるにつれ教団の背後には麻薬とセックスを餌にした、とてつもない野望が浮び上ってきたのだ。谷沢は、教団本部に囚われているらしい佐々木の救出を決意。ひとり内部に潜入する。だが、そこで谷沢が眼にしたものは…。書下ろし長篇官能バイオレンス。