1989年発売
イギリス植民地時代のスリランカ。コーヒー園主の娘アレックサは、射撃と乗馬が得意なお転婆娘に育っていた。男性の目を常に意識するような、しとやかなレディになどなりたくもないアレックサだが、18歳の誕生日は明日にせまっていた。誕生日には、総督邸で開かれるパーティで、社交界にデビューすることになっている。しかし、夜になって美しい月が輝きはじめると、持ち前の冒険心が顔を出し、こっそり海へと抜け出した。ニンフのように波とたわむれるアレックサだったが、つかのまの夢をやぶるようにあらわれた見知らぬ男に、生まれて初めて唇を奪われてしまった。
夫、ジョン卿の死をきっかけに、ひとりロンドンへと旅立ったアレックサ。目的はただひとつ、母と自分を捨てさった実の父、ニューベリー侯爵とその母、アデリーナへの復讐だった。だが、実の娘とも知らず誘惑の手をのべてくるニューベリー、そして権力を握るためなら手段を選ばない母アデリーナの虚飾に満ちた姿に、アレックサは、憎しみと共に深い孤独をもおぼえるようになっていった。そんなある日、かつて激しい愛をかわしたあのニコラスが、突然アレックサの前にあらわれた。
南北朝争の世に文芸の心を持して生きる兼好法師はきびしく己を律しながらも、また夢みる法師でもあった。あやしく揺れる幻の女人は延政門院一条であり、苛烈な政治家として知られる足利直義との間にも不思議に相通う心の微妙な共鳴があった。異色歴史小説。
男にとって女は美しい一匹の蛾なのかもしれない…。ふとしたはずみで、教え子の女子大生に手を出した大学助教授。それが、転落の始まりだった。-日常生活の奥にひそむ人間心理の危うさを華麗なタッチで描く、サスペンス・ロマン。
訓練中の米空母を鳥の大群が襲った。乗組員は全滅、最新鋭の見えざる戦闘爆撃機が行方不明に。シリーズの棹尾を飾るにふさわしくレモとチウンが凄絶な戦いをくりひろげる。
突然、背中に銃が突きつけられた。今のわたしには、こういうことをされる謂れはない。幸いプロともいえない男だったから、諜報部仕込みの技で叩き伏せ、ポケットを探った。出てきたのは曰くありげな手紙が一通。意味は判じかねたが、銃を持った男を送りこむ輩をこのままににしておけない!陽光きらめくイタリアに展開する哀感のハードボイルド。
その年のイギリスは最悪だった。政治や経済は破綻の一途をたどり、絶望的ムードが国全体を覆っていた。このままでは、ソヴイエトが介入してくるのも時間の問題だ。それだけは阻止しなくてはならない。先手を打つのだ。イギリスを武力制圧せよ!アメリカ合衆国大統領の命令が下った。かくして、イギリスを内乱状態に陥れるために、秘密工作部隊が潜入を開始した。だが、この謀略劇の裏にはさらに…。迫真の近未来サスペンス。
ジェフ・コクレインは10歳になる一人娘を連れ、ゴーストハンティングを職業として生計を立ててきた。怪奇現象が頻発するピットハーストの農場に招かれた彼は、調査を進めるうち、人知れず穿たれた謎の坑道を発見する。開けてはならぬ暗黒の神殿に足を踏み入れた彼らを襲う、アラクネーの恐怖ーやがて彼はダン・ブレイディと合流し、この神殿攻略に乗り出すが…。だがその頃、ジェフの娘にもアラクネーの魔手が及ぼうとしていた。
平家討伐の謀議に加わったという罪で鬼界ヶ島に流されたはずの俊寛が、姿を変えて京の都に現れた-自分を裏切り陥れた七人の人間に次々と怨念の刃を向ける“復讐のファンタジー”。
あたし、ミッキー。好奇心おうせいで、事件大好きの高校2年生。ボーイフレンドもいっぱいいて、けっこうモテるんだ。でも、ほんとうに好きなのは、白桐学園のプリンス・ヒロスケくん。大変!ヒロスケくんが行方不明!ぜったいあたしが、ヒロスケくんをさがし出す。
山之内さくら、ちょっとボーイッシュな女のこ。女のこのあいだでファン・クラブつくられちゃって、ちょっとショック。学校のコンピュータのミスで、あたしの成績がオール5だって。センセーにはうたがわれ、もうムカつく。あたし、探偵になって、ぜったい犯人つかまえる。
あたし、由利奈。フェンシング部ではちょっとスターだった。でも、文化祭の企画で、あこがれの森村遊樹をキズつけてしまい、すべてを忘れるため、高原のお菓子の家みたいなペンションに逃げてきた。このペンションちょっとヘン!なにかおこりそう…!?遊樹さん、助けて!!