壮大な迷宮を包蔵するメタ小説ウンベルト・エコの「バラの名前」に踏み入るための“アリアードネの糸”。
失ったものは、たくさんある。たとえば気に入ってたサンダル。子供の時のクマのぬいぐるみ。そして、たくさんの言葉。うっとりする気分と、ときめきの混じった恋人の視線。2:02。それを見つけに、私は目覚める。
通り過ぎて行く時間にさよならのキス、もう後戻りはできないから…。フェアウェル キス。
ぼくと君のココロは、気まぐれな夏の夕立、頬を濡らす涙。6月の篠突く雨。波立ちの下で命を育み、すべての感情を支配し たおやかに流れてゆくMI・ZU…『み・ず』。
狂気と正気の交叉する幻想的な表題作「蟹の町」をはじめ、デビュー作「雪洞にて」など四篇を収録。内海文学の原点ともいえる作品集。
幸福とは、家庭とは何なのか。老女の目を通し問う話題作。第6回織田作之助賞受賞。
ゴールデン・スクロール名誉賞1982年、ロサンジェルスサターン賞1984年、ロサンジェルスグーテンベルグ特別賞1986年、パリテトラドラマ・ド・オロ賞1987年、ミラノ受賞。