1990年5月1日発売
マイケルとナンシーは、ハーヴァード大学でいちばんハッピーな恋人たち。マイケルは建築家をめざし、ナンシーは暗い過去をのりこえて絵にめぐりあい、それぞれの勉強に励んでいた。ふたりの未来はなんの曇りもなく、愛の約束は永遠につづくように思えた。そして、結婚式の日…あの事故がおきた。ふたりを分かつ死よりも恐ろしい事故が。その日からすべてが変わり、ふたりはまったく別の人生を歩きはじめた。そして…。人を愛したことのある人すべてに、ダニエル・スティールが贈るラブ・ストーリィ。
出世を夢見て二本松城下から江戸入りした二人の若侍国枝喬太郎と高力信吾が、浅草奥山の見世物やれつけ小屋で、示源流動場主阿弥亀九郎、師範代進藤典膳らの一行に難くせをつけられた危ういところを、南蛮秘薬のねむり粉を撒いて助けてくれたのは、小唄師匠のお艶とその手先の仙太郎であった。日本橋の丸見屋伝兵衛から借りた二十両の返済を迫られ困っているお艶を救うべく、喬太郎は仙太郎とともに賭場に出かけたが博奕に負けてしまった。喬太郎はそこで浪人小山田陣十郎と出会った。徳川を倒す陰謀をめぐらす怪人物が乗っている回天丸に陣十郎に案内されていった喬太郎の運命は。一方、信吾は長屋でおきよと過ごしていたが、阿弥道場の面々に可憐なおきよを暴力をもって奪い去られていた。
将軍直属の「御庭番」とは。八代将軍吉宗が創設した「御庭番」の家筋に生まれた川村修就。将軍直属の監察官として不正摘発や情報を収集。その見識が認められて、新潟湊における抜荷探索の密命が修就に下った。気鋭が放つ渾身の長篇力作。
新潟湊に潜入し、薩摩藩の抜荷を摘発、新潟上知を実現させた修就に初代新潟奉行の命が…。従来知られていなかった御庭番の諸史料を駆使して激動の時代を生きた御庭番の波瀾の半生を描く歴史巨篇。
原子爆弾の惨害を正面にすえ、人間の愛欲の最も深い場所から戦争を批判するという困難な作業に挑み、全世界に衝撃を与えた映画『二十四時間の情事』の映画の母胎となったシナリオとダイアローグを収録した本書は不思議な魅力をたたえた作品となっている。
りっぱな産着に包まれたまま捨てられていた少年レミは、ヴィタリス老人と三匹の犬と一匹の猿からなる旅芸人一座に売りとばされた。しかし、少年は、優しく苦労人である老人と共に、フランスの各地を旅してゆくうちに、さまざまな人生の教訓を得、強くたくましく成長していく。時代を超えて読みつがれ、マローの名を今に残すことになった名作の完訳版。
仕事がら超常現象の類は信じないハリーだったが、今回興行先のペンシルヴァニアの田舎町でおかしな男に出会った。最近幽霊に悩まされているので調べてみてはくれないか、というのだ。だれかの悪戯かと思いきや、男は翌日、本当にビルから身を投げてしまった。幽霊に怯えて自殺?冗談じゃない!奇術師ハリーの活躍を描く軽快なシリーズ第1弾。
逮捕されれば、即座に処刑されるのはわかっていた。スペイン人民戦線の英雄ホアキン・カベッサも、いまでは国家的犯罪者にすぎない。独裁者フランコは彼の首をほしがっている。しかし彼は帰ってきた。14年にもわたる逃亡生活の果て、母は、妹は無事生きのびているのだろうか?それだけを確かめたかった。つかまったとしても、脱獄してみせる。おれは、ロシアの収容所すら脱走したのだから…。
カベッサはスペイン官憲の手に落ちた。だがそのとき、彼の命を救う人物が現れた。CIAの人間だった。命を救うかわりに、ある計画に手を貸せというのだ。やむなく承諾したカベッサは、タンジールにある隠れ家に連れていかれる。そしてそこで彼が見たものは、なんと、クレムリン全体の精巧な模型だった…。時に1953年。灼熱のスペインから厳寒のロシアへ、歴史のうねりに巻きこまれた孤独な男の、最後の闘いが始まろうとしていた。
享保の改革を主導し、名君の誉れ高い徳川吉宗。-貨幣経済の発展に伴う幕府財政難の危機に、その辣腕を発揮し、幕藩体制の安定強化に貢献した功績は大きい。だが、一方には、時流に抗う彼の改革政治に対する批判があるのも事実である。いったい吉宗とはどのような人物だったのか?将軍の「器」とはいかなるものなのか?吉宗の生涯を克明に辿り、その素顔を描いた著者渾身の作。
東京から京都を訪れた渡部悟・小田育美の若いカップルが、東山の将軍塚で若い女性の殺人死体を発見した。匿名で警察に通報したが、育美から贈られたイニシャル入りのライターを悟はその場所に落したことに気がついた。犯人と疑われることを恐れた二人は、自力で事件の解決にあたることを決意し、手始めに将軍塚にことを書いた論文を掲載したことのある「歴史散策」編集部を訪ねると、寄稿家の大学助教授・東野総一郎と出会い、三人で犯人探しをすることになった。その後、鳴動伝説のある吉備津、湯田中で若い女性の殺人事件が続発した…。
昭和女子学園中等部の3年生で風紀委員…これがあたし、香取久美子。優等生でマジメと思われているけど、あたしだって、ホントは恋したい。友だちの亜美は浩二くんを、あたしは直也くんを好きになったけど、カレをめぐって、不良ぶってるクラスメートの加代と大波乱。恋する気持ちが、あたしを変えていく…。