1990年6月1日発売
凶悪犯罪が蔓延する近末来のデトロイト。その腐敗を助長させているのが、悪の権化ケインの率いる麻薬組織だった。彼らを殲滅し、市の治安を回復させるべく、サイボーグ警官ロボコップは戦いつづける。が、折りしも、ロボコップを生み出した巨大企業オムニ社がデトロイト市全体の支配を画策。やがて彼らの謀略とケインの野望が交錯したとき、ロボコップの行手にはかつてない強大な敵が現われた。痛快無比のSFハード・アクション。
ホイスラーはコーヒー・バー〈ジェントリー〉の窓ぎわにすわり、通りにたむろする娼婦、男娼、ポン引き、アル中たち、そして彼らを目当てに集まってくるさまざまな人間たちの非喜劇を見守っていた。そんなある日、〈ジェントリー〉に現われた謎めいた女からのボディガードの依頼をひき受けたホイスラーは、TV界の錯綜した人間関係と、その裏にひそむ愛憎のドラマへとひきよせられていく…。
男のシンデレラはなぜ消えていったか。性や暴力に関わる話はどのように書きかえられたか。グリム童話の成立過程をつぶさに検証し、さらに民衆の苛酷な現実とも対照しながら、グリム兄弟が意識的・無意識的に隠蔽しようとした民話の強靭な生命力を復元する。
男色、小児愛、老人愛、近親相姦、獣姦、屍体愛、スカトロジー、嗜虐、フェティシスムと、強靱な構想力によって、人間の深層にひそむ性の異常を描きつくしたサド文学の代表作。ロマン主義の先駆、フロイト及びシュルレアリスムの祖として位置づけられるサドの形而上学の原点となった大作の完全翻訳。
神出鬼没の男キング・マクレインがまたしても姿を消した。ビッグ・ブラック河の土手に、帽子をぽつんと残して-。「黄金の林檎」を求めてさすらうキング、妻スノーディと双子の息子、町はずれの森でキングと交わる人妻たち、そしてその落とし子…。20世紀初頭から40年、ミシシッピ州の田舎町モルガナを舞台に繰りひろげられる奇妙な生の営み。現代アメリカ屈指の物語作家による南部文学の傑作。
1900年、夏。孤独と貧窮のなか、パリの安ホテルの一室で、オスカー・ワイルドはひたすら日記を書きつづけた。華やかな栄光と恐るべき破減に彩られた自らの運命をいまいちど甦らせるために-。人生の終局に立ち、地獄をみた男ワイルドがここに遺そうとしたものはいったい何か?爛熟の19世紀末を代表する作家の、死にいたる最後の日々を、濃密に、鮮やかに描ききった傑作小説。サマセット・モーム賞受賞作。
あれからさらに30年余年。だけどやっぱり時は今。お互い“世界一”となったカッタくんとマケタくん。二人の30年分の糸は、交わり、絡み、こんがらがり、米・ソ・日・中の首脳をも巻き込んで、いっきょ現実のラスト・シーンへ。