1990年7月1日発売
外界から孤絶したチベット奥地の寺で、クリストファーはようやく息子の姿を目のあたりにした。が、寺の中に渦巻くのは、仏陀の化身といわれる少年を利用したザミャーチンの巨大な謀略。彼の魔手から逃れるべく、クリストファーはくだんの少年のや美しいチベット娘、そして息子を連れて決死の脱出をはかるが…。神秘の異教が支配する未開の地に展開される逃亡と追跡ー『熱砂に聖都を探せ』の著者が放つ伝奇冒険アクションの粋。
夜のケネディ空港で非常事態が勃発した。謎のテロ・グループの手で航空管制機能を完全に麻痺させられたのだ。犯人側の要求は服役中の同志7名の釈放。ニューヨーク市警・対テロリスト課の警部マローンは事態の収拾に傾注する。が、折悪しく猛吹雪に見舞われる中、上空で着陸を控えた何機もの旅客機は燃料切れによる墜落の時が目前。しかも乗客のひとりはマローンの愛娘だった。『マンハッタン殲滅計画』の俊英が描く大型サスペンス。
その孤独な殺人者は内なる妄念に衝き動かされ、次々と若い女を惨殺していた。ある時は路上で。またある時は被害者の部屋で。“詩人”と呼ばれるその男はいつも彼の最愛の女性を殺すのだったー。一方この殺人者を追い求めるロイド・ホプキンズはロス市警強盗殺人課の部長刑事。仲間から“ブレーン(頭脳)”と呼ばれる天才肌で、異常なほどの正義感をもつ男だった。そのホプキンズの直感が犯人は一種の天才であると告げていた。天才対天才の闘いが始まった直後、ホプキンズに市警の上層部から圧力がかかった。上司からも部下からも見放され、〈静かな狂気〉と化したホプキンズは、ひとりロサンジェルスの街を駆けめぐり、〈激しい狂気〉である“詩人”を追いつめる。ロイド・ホプキンズ・シリーズ第1弾。
ロス市警の警官ハーゾグが失踪して3週間が過ぎた。勤続13年の模範的な警官で変装を得意とし、単身で市内の各署によく駆り出されていた。同僚のロイド・ホプキンズ部長刑事はハーゾグの部屋に泊まり込み独自の捜査を開始するが、しばらくして奇妙な事実をつきとめる。ハーゾグは6人の市警警官の資料をとりよせ、彼らの言動をさぐっていたのだった。しかもリストの6人目には「ロイド・ホプキンズ強盗殺人課」とあった。何のためなのか。一方同じ頃、小さな酒屋で3人が射殺される強盗事件が発生し、ホプキンズの興味をひく。この凶悪事件と警官失踪を結ぶ糸とは…。鬼才J・エルロイが放つ新警官小説ロイド・ホプキンズ・シリーズ第2弾。
人間がミクロサイズまで縮小されるようになった時代…。K大学の若き医師山里凡太郎は、密かに憧れている小百合の体内に潜入、癌の手術をすることになった。無事手術を終えた凡太郎たちだったが、ヒョンなことから思いがけないところへ紛れこんでしまい…。一読抱腹絶倒傑作ユーモア小説集。
九州・福岡市近郊の住宅外で、英語塾教師の刺殺体が、丁寧に夜具の中に横たえられた状態で発見された。事件は、犯人のものと思われる遺留品から、前科もちのある男が浮び上り、早期解決が予想された。だが、福岡県警の白井刑事たちは、その容疑者と目された男が、同じ手口によって兵庫ですでに殺されているのをやがて知る。しかも、それと相前後して、滋賀県警からは類似事件発生の報が…。書下ろし長篇警察小説。
日本一といわれる名人鮎師光本に友釣りの手ほどきを受け、持ち前の旺盛な探求心で短期間に秘術を身に付けたサラリーマンの中村の頭に、一瞬、セセラギの音とともにひらめいたものは-。「才能も人間性も頂点に達していながら、活かす場所のない定年退職者」を集めて「国際社会で通用する心ゆたかな人材をつくる釣り理想郷」の夢が-。
ゴールデン・フライヤーズと呼ばれる美しい湖畔の村で起こった世にも奇径な事件。名門マーダイクス家とフェルトラム家の因縁めいた争いと悲劇的な結末。-『月長石』のウィルキー・コリンズとともに当代随一の人気作家であったレ・ファニュの幻の名作径奇小説。本邦初訳。
「ほとんどなにも信じない代わりに偏見もない」と自負するハロルド・ライト一家は、陰惨な殺人事件があったため誰も買い手のつかない豪邸を格安の条件で手に入れるが…。(「猫は跳ぶ」)コナン・ドイル,H・G・ウエルズ、コンラッドら9人の作家が腕によりをかけてお届けする、とっておきのコワーイ話のオンパレード。
母の捻挫の手当てをしているぼくの視界には、パンスト越しに、母の愛液が染みだしたピンクのパンティが見えていた。思わず手をのばしたぼくの指先きに、柔らかい部分と“ムチュ!”という音とともにねばった蜜の感触が伝わってくる。ぼくは、“アッ”という間もなく、Gパンのなかに放っていた-。