1990年7月1日発売
坂倫彦は息を呑み、思わず後ずさりした。雪に覆われた山麓に、翼を広げると2メートル半はある空の王者・大鷲が、彼を威嚇したのだ。が、大鷲は右脚から血を噴き苦しんでいた。助けを求めなければ、と振り向いたとき、倫彦は再び戦慄した。背後に、ぞっとするほど美しい少女が立っていたのだ。今や絶滅に瀕する大鷲との交流と、蠱惑的な少女との運命的な出会い。そしてやがて二人を襲う悲劇。都会の若者が愛と勇気に目覚める姿を描く、感動のアドヴェンチャー・ロマン。
「海部俊樹は総理という名の閣僚だよ。いつでも首のすげ替えはできる」ポスト海部のシナリオは、各派閥の思惑入り乱れ、着々と進む。安倍晋太郎は竹下登との“約束”に望みをつなぐ。渡辺美智雄は宿願の渡辺派旗揚げで一歩前進。宮沢喜一も、首領金丸信にすり寄る。しかし、金丸の秘蔵っ子・小沢一郎をはじめ、人気の高い橋本龍太郎、「理念」を旗印とする石原慎太郎も虎視眈々と下剋上を狙う。が、粘る海部…。自民党知将たちの覇権の攻防を描く待望の政界野望長編小説。
繊細で激しく官能的な女たち。人びとの記憶の中で慕われ続ける女主人公ジューンを中心に、恋敵の二家族キャシュポー家とラマルチヌ家三代にわたる物語。アメリカ先住民チペワ族の女性作家アードリックによる「愛と魂の治癒術」。流麗で洗練されたものがたり。
「眠そうですね、ケリングさん?」ビターソーンがこちらを見て微笑んだ。マダムの御殿と呼ばれる風変われな美術館、そこで開かれる演奏会へとやってきたのだが、暖かい4月の午後、自然に心も緩んでしまう。けれど微笑み返したその瞬間、眼の前を何か黒いものがよぎった。孔雀と警備員が同時に悲鳴を上げる。今のは…人間?セーラはまたもや事件の渦中にあった。シリーズ第3弾。
〈ドラゴン・ウォーリアーズ〉は、実際にゲームをプレイするゲームマスターやプレイヤーの身になって繁雑さを軽減し、よりリアルでスピーディなロールプレイができるように工夫された、究極のRPGです。本書は戦士階級のためのルールをまとめた「戦士編」です。
ファンタジーRPGの華、それはなんといっても魔法です。稲妻を放ち、炎を吐き、人をカエルに変え、空中に浮遊し…。多彩な魔法があればこそ、変化に富んだロールプレイが楽しめるというもの。本書は、100種を越える魔法と、ふたつの職業についてのルールを収めた、究極のRPG〈ドラゴン・ウォーリアーズ〉ルールブックの「魔法使い編」です。
音澄陶磁の御曹子・忠行の結婚披露宴にどこからか忍びこんだ黒猫が、卓上に飛び乗り不気味な鳴き声をあげた。その騒ぎで祖父であり会長の甲六はショック死、続いて甲六の次男も急死、音澄家には次々と凶事が起こる。音澄家に陶磁会社を乗っ取られた自勝院家の恨みは今も消えず、復讐の呪詛を黒猫に吹き込んでいるという。一連の惨事は怪猫の仕業か。死者の血を舐め魔性と化した黒猫が人を襲う。現代に甦る化猫ミステリー。
祖国再興の悲願のもと、ドルーア帝国軍との戦いを続けるアリティカ王国の王子マルス。その日、レフカンティの砦へ進軍中のマルスは不意に目まいを覚え、そのまま気を失った。-意識を取り戻したマルスの眼前に広がる荒れ果てた原野。そこは、遥か数千年前の昔、地上から一夜にしてその全土を消し去ったと言う〈幻の王国〉フェルトニアだった。魔道士グラモンドに支配されたその世界では、時空を越えた陰謀が着々と進められていた。腰に一振りの剣、体一つで異世界に放り出されたマルスは、立ちはだかる4つの城塞へ向けて、今、戦いの第一歩を踏み出す。
かつて理想郷の栄えた地に、突如来襲したミロク帝。彼は、民衆をあざむき、殺りくと征服によって、またたく間に強大な金剛国を築きあげた。そのころ、日修羅の村に、並外れた霊気を発する手足のない赤ん坊が流れついた。マダラと名づけられ、たくましく成長した少年の前に、金剛国の魍鬼軍が現れる。命を犠牲にマダラを守ったタタラは、出生の秘密を告げて息を引きとった。マダラの体の一部を分け持つ、魍鬼八大将軍を倒し、奪われた肉体を取りもどした時、秘められたマダラのチャクラエネルギーは覚醒するという。妖帝ミロクを倒し、マダラは神の国の王となれるか。
忍びの里にとんでもない知らせが飛びこんだ。お城の殿様が、謎の怪僧「大妖僧」に連れ去られてしまったのだ。その背後には、伝説の「大魔獣」復活の怖るべきもくろみが隠されている。それをくいとめるたった一つの方法は、「仁仏の曼陀羅」にあるらしのだが、その秘密に気づいたさくら姫も、一陣の風とともにさらわれてしまった。こうなったら頼りになるのはじゃじゃ丸だけ。忍びの分銅を武器に、大妖僧の隠諜をうち砕くため、颯爽と旅に出た。まずは、味方の妖怪なまず太夫をさがし、手掛かりをつかまなければ…。謎が謎を呼び、忍法乱れ飛ぶ、妖魔退治第2弾。
ひょんなことから、エンマ大王に育てられた桃太郎。ある日、エンマ大王にお使いを頼まれ、希望の都に来てみれば、なんとそこは日本ではなく、まるでヨーロッパかアメリカかというような国になっていた。しかも桃太郎をつけ狙う影。その名も“西洋おとぎ話軍団”。また、その軍団をあやつる雪の女王の正体とは。かくして、桃太郎対西洋おとぎ話軍団との戦いが始まった。西洋童話。おとぎ話のキヤラクターたちが、よそおいも新たに登場。はたして桃太郎は、西洋化を阻止し、歴史を元にもどすことができるのか。
ダームの塔で強敵ダルク・ファクトとの死闘を終えた勇者アドルはまばゆい光に包まれて、天空の国イースへと運ばれていく。しかし、そのアドルと一緒にイースに運ばれてきた少年がいた。ユーロ・ランドルフ。流れ者の武器商人である。アドルの持つ銀の武具を狙ってダームの塔まで追いかけてきたユーロもまた、アドルとともに光に包み込まれたのであった。そしてイースに到着したユーロはさっそくアドルになりすまし、勇者にまつりあげられる。伝説の国イースを舞台に、運命に導かれた2人の冒険が始まった。