1990年9月1日発売
世界最大のサッカー大会、ワールドカップ。開催国のアメリカは大方の予想を覆して決勝にまで駒を進めていた。だがそんな折りも折り、プロ・ティームのオーナーが競技場内で殺されるという事件が発生する。死体の頭部にはスパイクの跡。スポーツ記者マークは恋人を嫌疑から救うため、真犯人究明に乗りだすが…。あのペレがサッカーへの情熱を謳いあげた、異色のスポーツミステリ。
因習の村に伝わる奇妙な子守唄、その歌詞どおりの連続殺人劇が、通称八馬鹿村と呼ばれる山間の寒村に繰り広げられる。キチガイじゃが、とつぶやく老人、獄門寺や病院坂…横溝正史の作品を彷彿とさせる世界を舞台に、トリックの冴えをみせる「本歌取り」推理長編。ミステリ・ファンの絶賛を浴びた岩崎正吾の処女作であり、ここに「探偵の四季」4部作の幕が切って落とされる。
ジゼルは墓の中で目覚めた。どうやら霊魂だけの存在になってしまったらしい。でも天国に行けないのは、運命的に夫につなぎとめられているせい?夫は神経を病んだビジネスマン。そして自分を殺した男…。一方、癌に倒れ一旦昇天したものの、娘のことを気に病んだ母親は、救いの手をさしのべようと下界に舞い戻るが…。鬼才が、ユーモラスに、かつ辛辣に描く驚異の現代小説。
宇宙人たちによって、中世西欧社会そのままの惑星トランへ送りこまれたアメリカ人傭兵たち。現代兵器で地方王国ドラントスを平定した隊長リックは、今やこの国を統べる大貴族だった。だが惑星全土の政情は不安、緊張状態が増す中、狂僧フラドスが率いる大軍団がトラントスに迫る。死をも恐れず、ドラントスに関わるすべてを抹殺せんとする軍団を相手にリックたちの攻防はなるか。
ヴィースの戦いに勝利をおさめたドラントス・ローマ連合軍。だがこのとき、北方の『五つの王国』でも不穏な動きが起こっていた。名将ストリモン王子率いるタ=メルテモス軍が、ついにドラントス北部の国境を越えたのだ。そして戦いのさなか、リックの妻にしてチェルム領の女領主ティララが、敵の手におちた。アメリカ・ミリタリーSFの第一人者が放つ、人気シリーズ第3弾。
オカルト集団アラクネーの、〈目醒めの時〉が近づいていた。ついにダン・ブレイディはアラクネーの本拠地へと足を踏み入れる。町の名はハースト・アンダー。ここが彼の1年におよぶ闘いの最後の場所となるはずだ・・・。アラクネーに連れ去られたダンの2人の子供は無事奪還なるか?アラクネーが造営を進めてきた〈迷宮〉とは?そして,目醒める者は誰?オカルト知識を縦横無尽に駆使して描いたアクション・シリーズ,堂々完結。
星屑岬には、悲しい恋の伝説があるの。今は天国に行ってしまった、大好きなおばあちゃまに聞いたお話。そして、お話のあとにかならず「いづみ、早く16になりなさい」っていわれたけど、どうして?16歳の誕生日を前に、この言葉のナゾをとくために、海辺の街の駅に降りたわたしの前に、星彦・夏彦という名の兄弟が…。
廊下側の席にいるわたしにとって、山場健実くんの座る窓際は、パラダイス。高校入学以来、カンペキに片思いで、しゃべることもできないでいるけど…。夏休み直前、親友の咲子と、カレのやってるバンド・アークエッツのステージを見て大決心。健実くんを好きな気持ち、ギラつく太陽なんかに負けない!なのに…。
「ショート・ショート」32本一挙大公開!!横田順弥氏の奇才、いや鬼才横溢ぶりをとくとご覧じろ。よくまあ、こんなストーリーが作れるものだ、とあきれながらも、思わずひきずり込まれること請合い。なにしろ「荘戸翔人氏の短い人生」と題して、アッという間に9篇のショート・ショートを作ってしまう達人なのです。さあ、覚悟をきめてお読み下さい。
はるか昔、人々は自在に空を飛び、水に潜り、地を駆けていたという。しかし『ライアとオラキオの戦い』と呼ばれる戦乱が起こり、長く激しい戦の後に、超科学文明の記録も技術も、失われてしまったのだという。それから千年。以前のような科学に守られた暮らしではないにしろ、人々は、平和で、安定した生活を送っていた。だが世界をふたたび暗黒におとしいれようと、秘かに動き始めた邪悪なる影があった。はたして、伝説の戦いの真実とは。真の敵の正体は?失われた時を追って、親子3代にわたる長い旅が今、始まる。
サンフランシスコ市警殺人課のジャック・ケイツは、アイスマンと呼ばれる謎の大物麻薬ディーラーを執念深く追っていた。しかし悪辣な罠のために、2日以内にアイスマンを捕えなければ、ケイツは警官のバッジを失う。一方、刑期を無事終えようとしているレジー・ハモンドは、ケイツにあずけてある50万ドルで新生活を夢見ていた。いま、ケイツは警官の職のために、ハモンドは50万ドルのために、おたがいの助けを必要としていた。
ロシア系ユダヤ人の街“リトル・オデッサ”で育ったケイトは、いまはアラブ・レストランのセクシーな踊り子。ある時、店のオーナーから自宅の留守をあずかるが、奇妙な泥棒にペットの犬を盗まれ、恋人は射殺される。知り合いの刑事に事件の捜査を依頼するが、交換条件はソ連人貿易商に接近すること。ソ連人の正体は?大きな事件の渦がケイトを巻き込んでいく。ニューヨークを舞台に、軽快な筆致で描く都会派ミステリ。
ファンハウスのオーナー、コンラッドは赤ん坊を溺愛していた。異形に生まれついた赤ん坊でも、彼には最愛の息子だった。だが行く末を悲観した妻のエレンが、こともあろうに我が子を殺してしまった。コンラッドは憤怒の果てに、エレンを叩き出した。-いつかエレンにおれと同じ絶望と哀しみを味わわせてやる。いずれエレンに子どもができるだろう。その子をおれが殺してやるのだ…。カーニバルで全国を回りながら、コンラッドはエレンの子どもが現われるのを待ち続けた。何年も何年も待ち、そしてついに、その日はやってきた。エレンの娘エイミーが何も知らずにカーニバルを訪れたのだ。ファンハウスに悲鳴が渦巻き復讐劇の幕は切って落とされた。クーンツ異色ホラーサスペンス登場。
川本首相の別荘に、美貌のロシア人が侵入した。女は来日中のファッション・モデル・ボロゾーワ。総理府特別審理室は彼女をスパイと断定、秘密特務官・九条梨香に追跡を命じた。だが直後から、梨香の身辺は謎の男たちに脅かされ始めた。特別審理室の情報網を駆使し、彼らがキューバのスパイであることを突き止めた梨香は、同時に、ソ連、キューバ両国の目的が、日本の中心的財界人四人の抹殺にあることを知る。計画を阻止し、暗殺計画の裏にある真の目的を暴け!書下ろし長篇官能ハードバイオレンス-秘密特務官・九条梨香シリーズ第三弾。
関東の地方都市で一人の女が絞殺された。県警の敏腕刑事・尾藤と加島は、精密機器会社の工員・大場を逮捕。だが大場は巧妙な手段で留置場を脱走し、尾藤の妻を殺害、失踪してしまった。その後、女性殺しの犯人は別人と判明、捜査は混乱に陥る。なぜ無実の大場が刑事の妻を殺したのか?真相を追う加島は、大場の勤務先〈プレジテント精工〉を探るうち、社内から国家を揺さぶる重要書類が紛失した事実と、それに係わる特殊工作員グループの存在を知る。しかも加島の行く手には警視庁公安部の妨害が…。巨大な謀略の渦に巻き込まれた男の不屈の闘いを描く長篇ハード・ロマン。