1991年10月発売
「初めに形ありき!」宇宙における調和は幾何学に基礎があると信じ、天球に数学的な図形を探し求めたヨハネス・ケプラー。本書は、天文学に捧げた彼の半生を追いながら、科学的真理は幻想から生まれることを描いたヒストリオグラフィック(歴史記述的)・メタフィクションである。1981年度英国ガーディアン小説賞受賞作。
“裏切り者を罠に掛けろ!”父親が遺した無念のメモを発見したエリザベスは、意志を変えて巨大企業集団の社長の椅子を継ぐ。金に飢える重役たちは、一人の男を除いて、みな血族だ。自分の名が筆頭に載る暗殺者リストまで相続してしまったエリザベスを待ちかまえているものは?
“裏切り者を罠に掛けろ!”父親が遺した無念のメモを発見したエリザベスは、意志を変えて巨大企業集団の社長の椅子を継ぐ。金に飢える重役たちは、一人の男を除いて、みな血族だ。自分の名が筆頭に載る暗殺者リストまで相続してしまったエリザベスを待ちかまえているものは?
山には、侵しがたい領域がある。計り地れない巨大な生命の存在に恐怖し、平伏することがある。その生命は樹に宿り、大地に潜み、動物に姿を変え、風に隠れ、水に溶けて、愚かな人間の所業を秘かに凝視している。
形勢は変わり、天子を名乗る曹操と、蜀の勢力拡大を恐れた孫権が手を結んだ。孔明、〓@70AA統、徐庶の三軍師は、関羽、張飛に守りを固めさせる。魏に攻め込むは、義兄弟の契りを結んだ趙雲、馬超。勢いに乗った劉備玄徳は、洛陽に向かい、ついに曹操の本拠地、許昌を臨む。迎え撃つは魏の精鋭、許〓@64AD、徐晃、張〓@67FE、張遼。ここに漢王朝の命運を賭けた一大決戦が繰り広げられる。三国志演義を題材にとった壮大な中国版if!幻の名著、周大荒著「反三国志演義」初の小説化。
老船長が空にしたアラク酒の壜の中にボトルシップを作るという話が突然、南の国の小さな湾に碇泊する三本マストのスクーナー船の話になってしまう…あざやかな手品のような逸品『壜(ラ・ボテリヤ)』、盗みに入られてもほうっておく邸の主人と、節度を守って盗む泥棒たちの奇妙な共棲とその破局…『優雅な泥棒たち』、夢の中の青年を探して、少女は時を超える旅に出かけた…美しいファンタジー『蒼い夢』、速度に取り憑かれた人間を笑い、秩序に取り憑かれた国家を諷刺する『生き急ぐ』『秩序の必要性』、死を待つばかりと思い定めた老人が、ひょんなことから生きる歓びを見出してしまう悲喜劇『汽車を乗り間違えて』、構想中の小説の登場人物が実際に現われてしまった…作家のイメージの発生現場を垣間見させる『トルコ人』等々、時間と空間を自由に往き来しながら、変幻自在なプリズムの光を結晶化したような現代ドイツ随一の短篇の名手、クルト・クーゼンベルクの世界。クールな透明感あふれる文体で描く、ふしぎで、おかしくて、皮肉な21篇。