1991年12月発売
13歳の元気な女の子ジャッキーは、ブッシュベイビー(アフリカに住む小型のサル)のカマウと大の仲良し。父親の仕事が変り、一家は英国へ戻ることになったが、カマウを連れ帰って良いという大事な許可証が見当らない。カマウを1人ぼっちにはできない、生れ故郷に返さなきゃ。カンバ族の戦士テンボーと一緒に、アフリカの美しい自然の中、ジャッキーの冒険が始まったー。
もう少し早くめぐり逢っていれば-。互いにひかれあいながらも、すれ違う恋の予感。熱い抱擁のかわりに、スクリーンをみつめるだけの一夜。心を乱す『ナインハーフ』から旅立ちの『マンハッタン』まで、恋愛映画の醍醐味を全編にちりばめた、ロマンチックな大人の純愛。
家へ帰りたくない新婚のサラリーマンが深夜の電車で不思議な人物に出会う吉本ばななの「新婚さん」、電車に一匹の犬が乗りこんできたためにくりひろげられる光景を描く椎名誠の「ある日。」など、電車の中吊りに連載されて大評判になった8つの小説を絵入りで再現する楽しい超話題本。
パージェター夫人にとっては、拷問にもひとしい旅だった。ロンドンを発つ飛行機は遅れるし、パック旅行のメンバーときたら、つまらない冗談ばかりとばす男に、やかましい赤ん坊づれの家族、等々…。だが、それだけではすまなかった。目的地ギリシアの村に着くそうそう、一緒にパック旅行に参加していた親友ジョイスが一見自殺と思われる死をとげたのである。そもそも今回の旅行は、夫をなくしたばかりで落ち込んでいるジョイスを元気づけるのが目的で、酒びたりのジョイスは、いつ自殺してもおかしくはなかった。だが、手首を切るのに、手近にあるナイフを無視してわざわざウーゾの瓶を割り、その破片を使うだろうか?疑問を感じたパージェータ夫人は自殺説に固執する地元警察に対抗して独自の調査を開始した。人生をエンジョイする未亡人パージェター夫人が異国の地で起きた難事件に挑む、英国ミステリの好篇。
FpF艦を擁する太陽系帝国艦隊は、震動守護者トロ・コンが率いるドランの地球攻撃部隊をようやく撃退した。だが、ローダンの留守をあずかるブリーは警戒をゆるめていなかった。そのブリーのもとに、敗走するドラン部隊から一体が脱落したとの報が入った。旗艦《ワイオミング》で現場に急行したブリーは、タコ・カクタ、ドン・レッドホース、カマロン・オレクを偵察に派遺する。ドラン内に潜入した三人が見たものとは。
原因不明の疫病がはやり、療法師ノ長の命により、パーン全土に検疫体制が敷かれた。フォート城砦ノ太守の娘ネリルカは、ルアサの市に行った母と妹たちを、この疫病で失ってしまった。すぐに後妻を娶った彼女の父トロカンプ太守は、病人を収容所に押しこめ、ろくな援助も与えない。ネリルカはそんな父親に反発し、看護の腕をいかして自分の人生を切り開いていこうと考えるのだった…。『竜の貴婦人』のサイド・ストーリイ。
闇夜を切り裂く銃火、大地を揺るがす迫撃砲の轟音、そして傷病兵の悲鳴…。従軍看護婦キティが見たベトナム戦争は、まさにこの世の地獄だった。だが、高齢のベトナム人患者からふしぎな護符を譲られたことで、彼女の運命は一変した。その護符の力で、キティは名実ともに“癒す者”となったのである。気鋭の女流作家が、みずからの体験をもとに魔術的な筆致でベトナム戦争を描き、全米に衝撃を与えたネビュラ賞受賞作。
1927年5月、アメリカの若きパイロット、バンドフィールドは、大西洋横断レースの出発地にやってきた。天才的な飛行家リンドバーグ、ドイツの撃墜王ハーフナーら強豪たちの中で、彼の闘志は高まった。だが、彼の乗機が炎上する事件が起き、それをめぐってハーフナーとの間に、激しい憎悪が生まれた。数カ月後、太平洋上を飛ぶレースで、二人は再び闘うことになるが…。『ワイルド・ブルー』の共著者が放つ力作航空小説。
バンドフィールドはレースに優勝するが、共に参加していた彼の恋人が行方不明になってしまった。悲しみの中で、彼は親友と航空機の製作を続けるが、行く手には、さらなる波瀾が待っていた。ハーフナーの航空機会社との熾烈な販売競争、新たな飛行レース、ハーフナーの義理の娘との運命的な出会い。やがてスペイン内乱が勃発し、彼とハーフナーは戦場で最後の対決をする。大空に生きる男たちの愛と夢と闘いを描く大作。
2138年トキオ・ネオシティで、弱小ながらユニークでエネルギッシュな製作をつづける映像制作プロダクションSUPER-NOVA。一見お嬢サマだけど、じつはスゴ腕の演出家ミオ、撮影機材のことなら何でもオマカセの技術・美術担当のリョウ。三人のスタッフが特撮に挑戦する「雷火鳥飛ぶ」、視聴率を自由にあやつる怪盗の謎にせまる「怪盗視聴率バスターズ!」を収録。特番のオマケつき。
22世紀、世界中の学者、芸術家たちが、地球政府の軍国主義、商業主義などに反対し、真の平和を求めて月に成立させた〈脳髄共和国〉。だが、その指導者を暗殺されたことにより活動は停止した。-そして20年の歳月をへたのち、1年以内に地球政府が地球、月及び火星に有する兵器ならびにその生産設備などを破棄しなければ、地球を攻撃するといきなり通告してきた。地球政府の必死の探索にかかわらず、〈脳髄共和国〉の所在は知れない。
地球を脅かす〈脳髄共和国〉の所在は杳として知れない。地球政府の国際刑事・中山は〈脳髄共和国〉発見と破壊の任を受け、月へと赴いたが…。ふとしたことから、敵側の女性地質学者、ジュディース・ラーソンと恋仲となる。ジュディースの話から〈脳髄共和国〉も内部で2つに分裂していることを知った中山だったが-。日本SF界最長老が、月を舞台に、国際刑事の胸躍る恋と冒険に満ちた物語を壮大なスケールで描く一大ロマン巨篇。
陰謀と紛争のただなかに、常に英国情報部の男たちはいた。ソ連への抵抗に燃えるラトヴィアに、共産党支配下のポーランドに、テロが炸烈するベイルートに、クメール・ルージュの虐殺が続くカンボジアに-。東西新時代を迎えた今、引退した冷戦の老戦士ジョージ・スマイリーと新人研修所チーフのネッドが語る、情報部の知られざる闘いの年代記。エスピオナージュの第一人者が、オールスター・キャストで華やかに自らのヒーローを送る、最新傑作。
エイプリルは36歳、ボストンの高校でラテン語を教える才媛-男にはあまり縁がない。バーニスは53歳、TVの有名キャスター-男性遍歴はちょっと華麗。この2人が、ある日突然親子になった。かつて、バーニスは赤ん坊のエイプリルを養子に出し、今になって実の母親として名乗り出たのだ。知的で自立志向のエイプリルは、急に現われたど派手な母親に「見つけてほしくなかった」と反発し、バーニスはデートの相手もいない娘が歯がゆくてしかたがない。おせっかいを焼かれているうちに、反動もあって、エイプリルは誰にも振り向かれなかった一人の地味な男に目をとめた。高校の図書室の司書ドワイト-。ところがこれが意外に味のあるいい男で、二人は思いがけず甘い関係に…。まったく個性の違う母と娘の、真剣だがコミカルな葛藤、エイプリルとドワイトの微笑ましい大人の恋…。『恋をしては失って』に続く都会の大人たちの愛情物語。
凄惨な殺戮を繰り返し、全米を震撼させた男、マックス・ソルターが刑務所から脱走し、血に飢えた牙を剥き出した。各地では、生け贄となった市民のボロ布の様な死体が発見されている。犠牲者の中に、ブルー・ヤザキの息子もいた。復讐に燃える、〈賞金稼ぎ〉ブルーは「組織」の高級娼婦をしているマックスの恋人を誘拐することに成功。しかし、「組織」の容赦ない報復と、マックスの不気味な影が執拗に襲いかかる…。SEX、ドラッグ、バイオレンスの過巻くアメリカで、熾烈な殺人ゲームが始まった。